帝国ホテル東京では7月1日から8月31日まで、コラボ企画「リサとガスパール 帝国ホテルにやってくる!」を開催する。期間中は料理長 杉本雄氏が考案したアフタヌーンティーやオリジナルメニューが提供されるほか、帝国ホテルを舞台に描き下ろされたリサとガスパールのオリジナルアート作品がホテル内に展示される予定だ。

  • 帝国ホテル東京が「リサとガスパール」とコラボする。写真は、帝国ホテル 第14代東京料理長の杉本雄氏

パリの料理やスイーツが楽しめる『旅”TABI”PARIS-TOKYO』

「リサとガスパール」は、フランス生まれの絵本。おしゃまな女の子・リサと、優しくてナイーブな男の子・ガスパールの日常を描いたほのぼのとした世界観は、ここ日本でも多くのファンを獲得している。今回のコラボ企画は、そんな同シリーズの作者であるゲオルグ・ハレンスレーベン氏、アン・グットマン氏と、帝国ホテル東京料理長 杉本雄氏のオンライン対談により実現したという。 コラボの目玉となる商品が、リサとガスパールのアフタヌーンティーだ。タイトルは『旅”TABI”PARIS-TOKYO』。本館17階の「インペリアルラウンジ アクア」にて提供される。料金は7,150円(サービス料別)。

  • リサとガスパールのアフタヌーンティー『旅”TABI”PARIS-TOKYO』(写真は2名分)

杉本氏は、フランス料理を学ぶために渡仏し、海外で13年間を過ごした経歴を持つ料理人。このアフタヌーンティーについては「フランス・パリに暮らすリサとガスパールのために作り上げました。私自身のパリ時代の思い出や、今回のコラボレーションでご縁をいただいた作者ご夫妻への想いも込めて仕上げています。自由に海外旅行することが叶わない今、東京・日比谷からパリへ旅したかのような気分を味わって欲しい。そこで、『旅”TABI”PARIS-TOKYO』というタイトルをつけました。世界観をご堪能ください」と説明する。

描き下ろしアートが可愛い!

今回「リサとガスパール 帝国ホテルにやってくる!」のオリジナルストーリーにあわせ、新たに描き下ろしアートも制作された。期間中は、このうちの作品1点が本館1階「ランデブーラウンジ」に展示される予定だ。以下、作品と大まかなストーリーを紹介しよう。

最初の作品。東京に遊びに来たリサとガスパールは、日比谷公園から帝国ホテルに向かう。

  • 手をつないで歩くリサとガスパール。向かいに帝国ホテルが描かれている

続く作品。ロビーに入ると、きれいなバラに2人は思わずうっとり…。

  • ロビーにたたずむリサとガスパール。いたずら好きな2人の手には、すでにバラが一輪ずつ握られている。帝国ホテルのロビーに展示されるのはこの作品だ

チェックインを終えたリサとガスパールはレストランへ。2人はここでもいたずら心が芽生え、食事中にキッチン探索を始めた。銀の扉の向こうには、おいしそうな料理とデザートを作る、フランス語を話すシェフの姿。最後は、シェフに料理を教わりながらアフタヌーンティー作りに挑戦した。

  • アフタヌーンティー作りに挑戦するリサとガスパール。真ん中には料理長 杉本雄氏が笑顔で描かれている

デザート&カクテルも

帝国ホテル東京ではデザートとカクテルも用意している。順に紹介しよう。「リサとガスパールのシブースト」は、パリの伝統菓子シブーストをリサとガスパールに見立てたもの。バニラのクリームとベリーのコンフィチュールを詰めた白のシブーストはリサを、カカオ生地にチョコレートのクリームとヘーゼルナッツのムースを詰めた黒のシブーストはガスパールをモチーフにしている。リサとガスパールをプリントしたチョコレートが可愛らしい。

  • 「リサとガスパールのシブースト」。紅茶またはコーヒー付で提供される。価格は3,000円

「リサとガスパールのカクテル ete 2021」は、リサとガスパールの夏をイメージしたカクテル。夏の代名詞であるスイカをフローズンにしてシャンパンを注ぎ、暑気払いにぴったりな爽やかなカクテルに仕上げている。なお、ノンアルコール仕立ても用意した。

  • 「リサとガスパールのカクテル ete 2021」。グラスの飲み口には塩がまぶしてあり、スイカのフローズンと相性が良い。アルコールは2,200円、ノンアルコールは1,980円

そして驚きの宿泊プラン「リサとガスパール 帝国ホテルにやってくる! アフタヌーンティー&ステイ」も用意された。インペリアルラウンジ アクアの「リサとガスパールのアフタヌーンティー 旅”TABI”PARIS-TOKYO」と、ランデブーラウンジの「リサとガスパールのシブースト」、その両方を楽しめる食事付のプランだ。リサとガスパールの世界を存分に味わえる、まさに“リサとガスパール尽くし”。利用者には本企画オリジナルのアート作品2点が描かれたマグカップと、3枚セットになったオリジナルポストカードが特典として提供される。期間は7月1日から8月30日まで、部屋タイプは本館 スーペリア、料金は1泊2名で74,300円(サービス料込)となっている。こちらは1日3室限定とのこと。

アフタヌーンティー、試食会に参加してみた!

コラボ企画「リサとガスパール 帝国ホテルにやってくる!」のスタートに先立ち、メディア向けの試食会も開催された。筆者も参加し、一部のメニューを味わってきたので、レポートをお届けしよう。

まずは、アフタヌーンティーの上段に配置されるスイーツから試食した。「ヘーゼルナッツのサントノーレ」は、サントノーレ通りを散歩するリサとガスパールをイメージしたもの。スタイリッシュなスティック状に仕立てられたパイに、マスカルポーネとホワイトチョコレートのクリームが乗っている。口に含むとパイの硬さがほどよく、クリームは優しい甘さ。ヘーゼルナッツの香ばしさが、この上品なケーキ菓子によく合っていた。

  • アフタヌーンティーの上段はスイーツ。真ん中のケーキがヘーゼルナッツのサントノーレだ

”溝のついた”という意味を持つ「カヌレ」は、ボルドー発祥のフランス菓子。リサの住む現代美術館の近所にも、また杉本氏がフランス滞在時に住んでいた家の近所にもカヌレで有名な老舗パティスリーがあったことから、杉本氏が修行時代に想いを馳せて作ったという。ひとかじり口にすると、モチモチとした食感。卵の黄身、バター、牛乳、薄力粉、砂糖などの材料にラム酒などで香りが加えられているそう。なるほど大人の味わい。

  • (左から)カヌレ、フランボワーズのルリジューズ、オペラ

修道女の服装からヒントを得たとされるのがフランスの伝統菓子「フランボワーズのルリジューズ」。ピンク色のクッキーと一緒に焼き上げたシュー生地の中に、カスタードクリームとフランボワーズコンフィチュールが詰められている。食べるのが惜しくなる、愛らしい見た目だ。ほのかな酸味が爽やかで、舌の上で溶けていくほど柔らかかった。このほか、オペラ座のステージをイメージして作られたというのが「オペラ」。層をなすコーヒークリームが染み込んだビスキュイ、チョコレートガナッシュ、コーヒー風味のバタークリームによる絶妙なマリアージュが楽しめた。

アフタヌーンティーの中段に、サラダと一緒に配置されているのは「ミートボールの煮込み リンダ・ルーラーデン風」。「リサとガスパールのクッキングブック」のレシピを元に作ったミートボールを、作者ゲオルグ氏の出身地であるドイツの伝統料理風にアレンジしたものだという。

  • アフタヌーンティーの中段。ミートボールの煮込みが入っているのがユニーク

アフタヌーンティーの下段には、パリジャンサンド。パリで定番のハム、エメンタールチーズのサンドイッチをモチーフにしている。通常はフランスパンで挟むところだが、クロワッサンでアレンジした。コルニッション(小型キュウリの酢漬け)が味のアクセントとなっており、クロワッサンの甘さと調和している。小さいながらもボリュームがあり、小腹を満たすにはぴったり。これはコーヒーと合わせて楽しみたいと思った。

  • アフタヌーンティーの下段。キッシュロレーヌ、ほうれん草とピスタチオのケークサレ、リサとガスパールのピザパンなども入っていた

同企画は、7月1日よりスタートする。この夏は、帝国ホテルにやってきたリサとガスパールと一緒に美味しい思い出を作ってみては?