ジェイアール東日本企画は6月15日、地方創生の伴走型支援スペース「HOKKAIDO xStation01 -Social Good Birth Hub-」を北海道札幌市にオープンした。
リモート時代のワークスペースとしてはもちろん、北海道と全国、世界をつなぎ、新たなソーシャルビジネスの創出拠点を目指すという同施設を見学してきたので紹介したい。
眼下に列車を望むコワーキングスペース
ジェイアール東日本企画では北海道新幹線の開業を機に、北海道の地域創生に関わるさまざまなプロジェクトに参画。
ソーシャルビジネス・地域創生本部長 高橋敦司氏は「地域の課題解決に取り組み、複数の自治体とネットワークを構築してきた中で、それぞれの交流拠点が意外と存在していないことに気付きました。ここはそうした地域の交流拠点であり、いろいろな情報を発信する拠点にしていきたい」と同施設が誕生した経緯と目的を説明する。
場所は札幌駅前にあるJR55 SAPPOROビル6階。フロアは「コミュニティラウンジ」「セミナールーム」「プライベートオフィス」「貸会議室」という大きく4つのエリアで構成されている。
すべての交流の拠点である「コミュニティラウンジ」は、開放的な空間に1人でも複数人でも使えるコワーキングスペースを用意。
急な仕事の対応での一時的な利用(ドロップイン)も可能で、ビジネスユースに対応した複合機やロッカーといった設備、さらにはZoomなどのオンラインミーティングに最適な1人用ブースも備えている。
料金は「個人会員・自治体会員」(1万7,600円/月)、「法人会員(同時利用2名まで)」(3万5,200円/月)、「ドロップイン(非会員)」(1,210円/2時間、2,420円/日)。
会員となるには「入会金」(1万1,000円/個人会員、2万2,000円/自治体会員・法人会員)が別途必要になる。
「交流」と「発信」の新たな可能性が広がる空間
「xStation01」の最大の特徴は、オフラインに限らず、オンラインでも幅広く交流できる点だろう。リモートに最適化した前述のコワーキングスペースに加え、「コミュニティラウンジ」の一部にはwebカメラを設置し、動画用のステージとして活用できるスペースが用意されている。
さらにこうしたワークスペースでは珍しく、本格的なキッチンも完備。北海道が誇るコンテンツ「食」を、新商品の試食会や発表会といったイベント、オンラインを活用したライブコマースでも発信できる環境が整っている。
また、コミュニティラウンジに併設する「セミナールーム」でも、プロジェクターだけでなく、スマホに対応した縦型モニターを用意し、インスタライブなども組み合わせたハイブリッドなイベントが実現できるようになっている。
「プライベートオフィス」は、2~6名用の人数に合わせた部屋のサイズを用意。「会議室」は6名用と8~10名用の2タイプがあり、こちらもオンラインに最適化し、モニターやスピーカーマイクが設置されている。
ジェイアール東日本企画では、これまで培ってきた地域創生のプラットフォームをパッケージ化した「チームiCHi」を6月に設立。
ソーシャルビジネス・地域創生本部 副本部長 藤本裕之氏は、「それらのノウハウも活用しながら、ここを拠点に東京やシンガポールにある弊社の施設と中継でつなぎ、北海道を全国、世界へと発信していきたい。同時に北海道の皆さんにも新しい時代の交流の仕方をこの場所を拠点に知ってもらえたら」と期待を寄せている。