女優の趣里が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、20日に放送される『ママにしてくれてありがとう~血のつながらない母娘の12年~』。心に深い傷を抱えて生きる娘が、里親とともに“実の母親捜し”をする姿を追った作品だ。
物語の舞台は、“ママ”の美香さん(55)と“ダディ”のトニーさん(61)、そして6人の血のつながらない子供たちという大家族。美香さん夫婦は、育児放棄や虐待、経済的理由など、複雑な事情を抱え、実の親と一緒に暮らすことができなくなった子供たちを育ててきた。
番組が追ったのは、そんな“きょうだい”の中で最年長のあき子さん(23)。母への家庭内暴力が原因で物心がついた頃には児童養護施設に預けられ、12年前に美香さんの家にやってきた。
「ずっと拝見していた番組のナレーションを担当させていただくことができてとても光栄に思っています。貴重な時間をくださっているので、少しでも心から寄り添えたらと思いながら、原稿を読ませていただきました」と、意識して語りに挑んだ趣里。
密着の中では、あき子さんが家庭内暴力で傷ついた母の姿や、学校で受けたいじめを語り、「(自分は)この世界に生まれてよかったのか?」と感じてしまった過去までを、涙で打ち明ける場面も。その後、カメラの前で「悔しくて…」と、美香さんにも話してこなかった心の奥深くにしまい込んできた気持ちを伝えてくれたシーンに、胸を打たれたという。
他にも、「いつも明るく子供たちを包み込んでいる美香さん。そして、家族団らんのシーンなど…どれも印象に残っています」と振り返りながら、「未来に向かうために心でつながるということが、とても大事なことだということを教えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです」と受け止めた。
心に刻まれた深い傷を拭い去ることができないまま、美香さんの家を出られないままでいるあき子さんは、「あなたのお母さんを捜そう」と、20年近く音信不通で生きているかどうかも分からないあき子さんの実の母親を捜すことを提案。あき子さんが「この世界に生まれてよかったのか?」を確かめるためだ。
その姿を受け、趣里は「血のつながりを超えた絆が描かれています。里親というテーマはデリケートなところもあると思いますが、力強く前へ前へ進んでいく美香さん、あき子さん、みなさんを見てほしいです」と呼びかけた。