NEWSの加藤シゲアキが15日深夜、メンバーの小山慶一郎がパーソナリティを務めるラジオ番組『KちゃんNEWS』(文化放送/毎週火曜24:05~24:30頃)に出演。作家としての思いや今後について、胸の内を語った。

自身の小説『オルタネート』が、「第42回吉川英治文学新人賞」を受賞したほか、先月30日には「第8回高校生直木賞」にも選ばれた加藤。このほか、「第164回直木三十五賞」や「2021年本屋大賞」の候補作品としても選出されていたが、小山に賞レースの心境を問われると、「オーディションに近いと思う。しかも、試験だったら、そのために勉強するじゃん。勝手に抜き打ちテストだったのよ。書いたら、“これ実はテストでした”みたいな」と苦笑しながら振り返った。

続けて、賞レースに有利な小説の書き方を聞かれると、「傾向と対策はある」としつつ、「直木賞」については、「そういうものに一々振り回されるのが嫌だから。そもそも高校生が主題だと、ハッキリ言って獲りにくいのよ。かつてないと思う。高校生なんて、まあ難しいよね。だから正直、半分諦めてたし」と、冷静に構えていたそう。実際、受賞はならなかったが、「ふたを開けたら、3名くらいの選考委員が褒めててさ」と、作家としての手応えを感じた様子だった。

また、「高校生直木賞」の受賞について、「本当にうれしかった」と喜びの声をあげた加藤。同作には目標があったそうで、「映画とかゲームとかと変わんなくない? みたいな。その時間が楽しかったらいいじゃん。読み終わって、何も残らなくていいじゃん。“読んでるときが楽しい”が一番大事だよねっていうことを、若い子に伝えるっていうのが個人的なミッションだった」と打ち明け、「だから、『オルタネート』でやりたかったミッションは全部クリアしたと思う」と満足げ。

最後に、次回作について問われると、「俺の著作の中で『オルタネート』が特殊なんだよね。他の本はもっとダークだし、キラキラしてるものはあんまりないから」と前置きしつつ、「ここで気になって、僕の本のファンになった子たちが、次は大人な小説を読んでほしい。だから、自分としても30歳を超えて、大人な小説を書こうっていう気持ちはあるよね」「もうちょっと本格的なものをやろうかなと……」と、新たな創作意欲を燃やしていた。

なお同番組は、放送後1週間以内であればradikoで聴取可能(エリア外の場合はプレミア会員のみ)。