鉄道博物館(埼玉県さいたま市)は16日、高校生が企画・制作に参画する初の企画展として、「山手線展(仮称)」を2021年秋に開催予定と発表した。埼玉県教育員会と連携し、埼玉県立新座総合技術高校の生徒が展示内容や関連イベントなど企画・立案し、一緒に企画展を作り上げていく。

  • 山手線の車両E235系。鉄道博物館の企画展「山手線展(仮称)」は2021年秋開催予定

企画展「山手線展(仮称)」では、日本の鉄道でも有数の利用者数を誇る山手線が、1885(明治18)年の開業以来、時々の情勢によってその姿や役割を変えながら現在に至るまでの歩みを紹介する。貨物輸送を主体とした鉄道ネットワークを形成するために建設され、官設鉄道(後の東海道本線)と日本鉄道(のちの東北本線、高崎線)を結ぶバイパス路線として開業し、やがて東京の都市規模の拡大に応じて旅客輸送重視に転じ、1925(大正14)年には東京の主要地点を結ぶ環状路線に生まれ変わった。

現在では東京、品川、渋谷、新宿、池袋といった東京の主要地点を結ぶ環状路線として、早朝から深夜まで数分間隔で電車が行き交う高密度路線であり、知らぬ者のいない東京の代表的な鉄道路線となっている。明治の開業から高輪ゲートウェイ駅開業まで、130年を越える変遷の様子を資料や写真を中心に紹介していく。

この企画展は、埼玉県教育員会との連携により、高校生が企画・制作に参画する初の企画展となる。埼玉県立新座総合技術高校の複数の学科の生徒が集まり、これまで授業で学んだそれぞれの分野の技術・知識を生かして展示内容や関連イベントなど企画・立案を行い、一緒に企画展を作り上げていく。「山手線展(仮称)」の会期は2021年10月8日から2022年1月31日までを予定している。