女優の桃井かおりが、天海祐希が主演するテレビ朝日系ドラマ『緊急取調室』第4シリーズ(7月8日スタート 毎週木曜21:00~ 初回は拡大スペシャル)の初回ゲストとして出演することが決定。このたびリモートで開催された囲み取材で、2人が考える“いい女優”やドラマの見どころについてトークを繰り広げた。
天海演じる叩き上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一進一退の心理戦を繰り広げていく同ドラマ。桃井は、50年前に伝説を残した活動家の“黒い女神”で、ハイジャックを敢行する大國塔子を演じる。
初共演を果たした2人の対談は以下の通り。
――お2人が考える「いい女優」とはどんな女優だと思いますか?
桃井:私たちのことだと思うんですけど……(笑)。
天海:(笑)。
桃井:やっぱり、女優はすべてを犠牲にして現場に来ているんだから、本気でぶつかってくる人ですかね。
天海:作品を作る側、視聴者の方、共演者…‥それぞれの立場によって違ってくると思うんですけど、トータルして言えるのは「やっていることに嘘がない人」。もちろん作品としてはフィクションをやっているのですが、その中に真実を持ってやっている人が一番いいんじゃないですかね。あとは、正面切ってお互いにぶつかれる人。
桃井:そうね。これ、できるようでできないんですよ。
天海:言い合いができる人がいいです。意見の交換のみならず、腹を割って話せる人。
――空き時間は、どんなお話をしてらっしゃったんですか。
天海:桃井さんのお話の中には、キラッと輝く宝石がいっぱい散りばめられているんです。私と小日向(文世)さんで「すごい話聞いちゃったね!」って目をキラキラさせながら聞きました。バレリーナ時代のお話から、役者を目指したきっかけ、そして私たちが経験できていない時代のお話も。すごく面白かった。
あとは一番最初にお目にかかったとき、お互い「こういう風に台本を読んで来た」というお話ができたので、「じゃあこういう方向に持っていけるかも」と芝居の進め方を確認し合えたのがありがたかったです。
桃井:2人ともお芝居へのアプローチが全然違う。真正面から清純にかかってくる彼女と、亜流で不実なものの考え方をする私と……全然違うようで、これが組み合わさると、すごいドラマになるのが面白い。
――桃井さんが演じる大國塔子というキャラクターについて教えてください。
天海:大國さんは過去に学生運動をしていて、地下に50年潜っていた人。だけど「50年」という数字を頭では分かっていても、実際に過ごしてきた孤独や重さとなると、深いところまですぐには理解できないじゃないですか。
真壁がたった1人で大國さんのアパートへ行くシーンがあるんです。そこで過ごした時間が、真壁の中で大國さんを知る大きな引き金になる。そこで芽生えた「大國さんへの思い」と、「罪は罪」という相容れない2つの感情……演じていて、とても面白かったです。
桃井:(脚本の)井上由美子さんは、物語の完成度や面白さはもちろん、誰も気づかない間に新しいテーマを1つ産み落とす作家なんです。今回は、昨年からのコロナ禍のステイホーム期間も影響して「時間」がテーマなんじゃないかと。50年という時間の中で、女性が老けていくということ。大國塔子は最初長いおさげ髪をしてるんですけど、髪がどんどん伸びるように、時間の重さがのしかかっておばあさんになってしまったんですよね。
だけど彼女は真壁に出会った。ムキになって自分にかかってきてくれる人なんて50年間いなかったんです。だから、ものすごく怒るんだけど、ものすごく発散して、ものすごく幸せな大喧嘩をして終わるという、素敵なラストシーンになったんじゃないかなと思っています。