お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、フジテレビ系オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語‘21夏の特別編』(26日21:00~23:10)で、主演を務める。
『世にも奇妙な物語』初出演の又吉が主演するストーリーは「成る」。主人公の岩屋賢太郎(又吉)は、有名なプロの棋士で、AI棋士を相手としたある日の対局、いつものように駒を返すと、見たことのない文字が駒に書かれていた。そしてAI棋士が駒を返すとある女性の名前が現れる。動揺を隠しきれない岩屋。実は昨年、岩屋はその名前の女性と週刊誌に写真を撮られ、妻とは離婚協議中だった…。
コメントは、以下の通り。
■又吉直樹
――今回のお話がきた時の感想。
台本を読ませていただいて、すごく面白そうな話だなあと思いました。
――今回の役柄に関して。
将棋に詳しいわけではないのですが、いわゆる棋士の姿勢や、厳しい世界だという話は聞いていましたし、長時間集中して闘うということに尊敬の念を抱いているので、そういう役をやらせてもらえるんだとうれしく思いました。どの職業でも集中力というのは求められると思いますし、小説ももちろん集中力は必要なのですが、一人で書く作業なので、孤独ですね。将棋は孤独ではないかもしれないけれど、より長時間の集中力が必要だと思います。父が将棋が好きで、子どもの頃よく対局は見ていました。今でも覚えている対局があるのですが、対局中に時間を計っている人が寝てしまって。対局している二人が、目を合わせて笑う瞬間を映像で見たことがあるんです。その時僕は、この人たちしか立ち入ることのできない世界が将棋にはあるんだなってすごく感動したんですよ。二人が目で合図を送り合って笑う瞬間っていうのが、個人戦なのに、対局を一緒に作りあげているという関係性がそこにはあって。将棋は、関係性の競技なのかなとその時に感じました。
――実際に演じられてみての感想。
一人のシーンが多く、また、正座に慣れていないこともあって。ドラマの内容も過酷な闘いでしたけれど、いつ正座の体勢から足を崩そうかという闘いを一人でしていました(笑)
――ふとした瞬間にトラウマがよみがえってくるというシーンがありますが、ご自身がトラウマになった経験はありますか?
子どもの頃、逃げ場がないときとか、トイレに長時間行けないことがわかった瞬間に、急に怖くなっておなかが痛くなったりしました。他には、ヤンキーに喝上げされた経験のある場所には大人になっても行くのが嫌でした(笑)
――ご自身ではこのように、現代社会では説明できないような“奇妙な体験”はありますか?
誰も信じてくれないんですけれど、5~6歳の頃に大阪の祖母の家に行った時に、宣教師というか老人の家をまわって話をしている外国人の方がいて。その頃は外国人の方とふれあう機会があまりなかったですし、優しい方で、話しかけてくれたりしたので、すごく感動していたんです。特に僕は、小さい頃初対面の人と話すのが得意ではなかったので。1カ月くらい後、夏休みの後半で、今度は沖縄の祖母の家に行った時に、その祖母の家に同じ人が来たんです。その人も“この前まで大阪行っていたんですよ”と言っていて。僕が“お婆ちゃんの家で会った!”って言ったら、その人は僕のこと覚えていなかったので、“子どもだから外国人の顔はよく覚えていないでしょ”と笑われてしまったんですけれど、絶対同じ人だったんですよ。大阪と沖縄で同じ人が祖母の家に訪ねてきたという奇妙な体験をしました。こういう不思議な体験は、起こりうることだと思います。
――このような怪奇現象やホラーは小説家として興味はありますか?
エッセーや短編で書いたこともありますし、不思議な話を書くのはわりと好きですね。コントも含めてですが、ちょっと奇妙な話を考えるのは好きです。
――視聴者の皆様へのメッセージ。
どんどん追い込まれていく棋士と、どんどん棋士を追い込んでいく“不惑”という名のAI棋士。えたいの知れない怖さみたいなものに是非注目して見ていただきたいです。
■編成企画・渡辺恒也氏(フジテレビ編成部)
中国の古典『論語』の一節“四十歳にして迷わず”から来ている“不惑”という名前のAI棋士。挑むのは、この6月に41歳になられたばかりの又吉直樹さん、ですが、又吉さん演じるプロ棋士・岩屋はこの対局で大いに迷い、悩みます。突然訪れた“人生の将棋”を前に、果たして岩屋は“詰む”のか“成る”のか、少しバカバカしいお話ですが、将棋という競技の面白さや駆け引きの妙が凝縮された、キレのある短編作品になっていると思います。また、別室で解説をしてくれるのは、名優・浅野和之さんと、最近まで戦隊女子としてインクレディブルな手さばきを見せてくれていた工藤美桜さんという、豪華なお二人。是非、ご期待ください!
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