どんな仕事でも「あるある!」と共感してしまう困りごとはあるもの。現在、アートディレクター・グラフィックデザイナーの上司ニシグチさん(@joshinishiguchi)の投稿が話題となっています。

「イメージは特にないのでデザインはお任せします」と言われてデザインを提出した後に具体的なイメージが出てくる確率は非常に高い。(@joshinishiguchiより引用)

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「お任せします」と依頼されて作ったデザインに対して、「やっぱりこんなイメージで!」と後出しされるのはつらいもの。この投稿に、デザイナーをはじめデザインに携わる方から「本当にこれ多すぎて困ります」「『あったんかい!』ってツッコミを出した瞬間から待ち構えてます」と多くの共感の声が。3.7万件のいいね、7,000件を超えるリツイートがされています(9月13日時点)。

一方で、「これはしょうがないよな。『イメージは特にない』んじゃなくて『言語化できない』んだよな」「素人には想像もできないから、叩き台が必要なのかも」というコメントも。ぼんやりとしたイメージを持っていても、デザイナーにうまく伝えるのは難しいことです。また「わからないからデザインのプロに頼ろう」という思いもあるのかもしれません。

実際に、「なんのイメージも沸かない特徴のない商品を作る羽目になった時に、『なにも浮かびません! 助けてください!』とデザイナーさんに丸投げしたことある。ごめんなさい」「申し訳ないけど、発注側としてはこうなっちゃう。どこまで期待してどんなもんが出てくるかわからんのよね」と、依頼した側の心理をつぶやく方も。

しかしこの「あるある」、デザイナーだけとは限らないようです。「これはアプリ開発あるあるにも入る」「会社の企画書も、案を出してからしょうもない上司が口を挟み出してくる確率は非常に高い」と、他の業界で働く方も似たような困りごとに心当たりはある様子……。

デザイナー側から見ると「早く言ってよ!」と言いたくなり、一方で依頼する立場の側に立つと、そう言ってしまいがちなこの悩み、投稿者の上司ニシグチさんに投稿の経緯を伺いました。

投稿者に聞いてみた

ーー今回の投稿をされたきっかけはありますか?

提案していたデザインの案件で、ちょうど先方から具体的なフィードバックが返ってきたタイミングだったので、こちらのツイートをしてみました。

ーーデザインに関わる方はもちろん、他の仕事をする方からも多くの共感が寄せられています。

言葉足らずなツイートではあったんですけど、多くの方々が反応してくださったので正直びっくりしました(笑)。

ーーこの「任せますと言われたのに、後から具体的なイメージが出てくる」状況、正直なところ後出しは勘弁してほしいです……。

投稿はしていませんが、実はこのツイートには続きがあります。「後から具体的なイメージが出てくる確率が非常に高い。」、なので「最初に提出するデザイン案(たたき台もしくはラフ)がとても重要になってくる。」です。

ーー「後出しさせない」という考え方ではないのですね。

むしろこのデザイン案がフックとなって、相手が思っている具体的なイメージが出てくるのであれば、結果的にデザインの完成までの道のりが短くなるので、これもまたひとつの正解だと思います。


「最初のデザイン案がボツになった!」ではなく、これをフックに相手からイメージを引き出そうという考え方、デザインに関わる仕事に限らず役立つことかもしれません。