映画『キャラクター』(6月11日公開)に出演する、4人組バンド・SEKAI NO OWARIのボーカル・Fukaseの映像が9日、公開された。
同作は長崎尚志、川村元気、村瀬健のヒットメーカー3人が10年の歳月をかけて練り上げたオリジナル作。漫画家として売れることを夢見る主人公・山城圭吾(菅田将暉)は高い画力があるにも関わらず、お人好しすぎる性格ゆえにリアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。ある日殺人事件とその犯人(Fukase)を目撃した山城は、犯人をキャラクターにサスペンス漫画を描き、異例の大ヒットとなるが、作品を模した事件が次々と発生してしまう。そして、山城の前に再び男が現れ「両角って言います。先生が描いたものも、リアルに再現しておきましたから」と告げる。
今回公開されたのは、約1年半もの間芝居のワークショップに通い、演技の勉強を重ねてきたFukaseが、天才的な殺人鬼・両角というキャラクターとして、劇中でも、撮影現場としても、初めてセリフを発するシーン。本作でFukaseが演じる両角は、神出鬼没な上に犯行の目的や身元など全てが謎に包まれたキャラクターで、リアルな悪役が描けずに苦悩する漫画家・山城と犯行後に事件現場で遭遇し、その顔を見た山城が、両角を基に殺人鬼を主人公にした漫画を描いたことをきっかけに行動がエスカレートしていく。
今回解禁となった映像では、そんな美しくも異質な存在である両角の異常者としての片鱗を垣間見ることができる。とある山中を歩いている両角に対し、そばを通り抜けた車の運転席の男性が「大丈夫ですか?」と声をかける。不気味な笑みを浮かべながら「大丈夫じゃないです」と答える両角。これが俳優・Fukaseの映画初セリフで、普段のFukaseの話し声よりも少し高めに聞こえる声色が不気味さをより感じさせる。
そのあとに続くシーンでは、人の話を遮るように「乗せてもらっていいですか?」と頼み、車に乗り込むと男の子が読んでいた雑誌「ライジングサン」で連載中の漫画「34(さんじゅうし)」に登場する殺人鬼ダガーが自分に似ていないかと話しかける。「ザクッ! ビシャッ! ギャアァ! って感じで…」と漫画で描かれている擬音語を使い、いかにダガーが格好いいかをアピールする両角の表情は恍惚にふけっており、それまでの物腰の柔らかな口調とは裏腹な狂気が感じられる。
SNSでも「Fukaseをサイコ殺人鬼役にしたの天才的!」「もとから雰囲気ある」「Fukaseさんが俳優デビューと聞き、驚きましたが、いつもLIVEやMV等を見ているので、きっとすごい演技が見られると思い、ワクワクしています」と“俳優Fukase”に対し、多くの期待の声が寄せられている。主演の菅田も「シンプルに一役者として対峙するのがすごく楽しかったです。両角はFukaseさんしかいなかったですね」と絶賛した。