「リークする」という言葉、聞いた経験はあるけれど、どういう意味で使っているのか、どういうときに使うのが正しいのかはよくわからない、なんてことはありませんか?「リーク」には「漏れる・漏らす」という意味があり、動詞でも名詞でも幅広く使われています。

この記事ではリークの意味や由来、使い方について解説します。例文も紹介しますので、リークを使う際の参考にしてみてください。

  • 「リーク」の基本的な意味

    リークの意味は?

リークとは

最初にリークの基本的な意味を確認しておきましょう。由来や類義語、対義語も一緒にご紹介します。

リークの意味

リークは「漏れる」「漏らす」という意味があります。ビジネス用語としては情報や機密情報に関して使われるケースが多いです。

リークの由来

語源は英語の「leak」で、単体で「漏れる」という意味です。ビジネス用語として「情報が漏れる」「機密情報が漏れる」の意味で使うときは単体で使用することはなく、「leak out」という形で使うのが一般的です。

リークの類義語

リークの類義語には「口外する」「漏えいする」といった言葉が挙げられます。「うっかり口にする」「口を滑らす」といった不注意によるものや、「情報を流す」「言いふらす」といった意図的なものも含まれています。

リークの対義語

リークそのものは「漏らす」という意味なので、対義語は情報を守る「セキュリティ(security)」です。

  • リークの基本的な意味

    リークの基本的な意味は「情報を漏らすこと」

リークの代表的な使い方

日常的にリークはどのようなときに使われるのでしょうか。代表的な4つのパターンを確認してみましょう。

情報関連のリーク

ビジネスシーンでもよく聞かれるのが、「情報が漏えいした」という意味のリークです。発売前の製品情報や芸能人のスキャンダル、機密情報が意図的に流されたときに使われます。

電子回路のリーク

リークの「漏れる」には「電流が漏れる」という意味もあります。電子回路が絶縁していて、電流が流れるはずのない場所に電流が漏れている状態を表します。この電流は「リーク電流」と呼ばれます。

リーク電流は消費電力の性能劣化や、電子回路の誤作動の原因になる」「リーク電流の増大は、セキュリティの観点においてもリスクとなるので注意しなければならない」といった使い方をします。

プログラミングにおける「メモリリーク」

リークはプログラミングの現場でも使われます。「メモリリーク」と呼ばれるプログラミングのバグの一種です。一度確保したメモリを解放するのを忘れて、確保したままになっているメモリを指しています。「メモリリークが生じる」という使い方で、放っておくとメモリの空き容量が少なくなるというトラブルに発展してしまいます。

「パソコンの動作が遅くなったのは、メモリリークが生じてしまったことが原因かもしれない」「メモリリークが生じてしまったので、メモリ解放ツールを使用した」といった例文に使われることが多いです。

検査に使うリーク

電気やガス、水道の漏れをチェックする検査においてリークが使われることがあります。「リークテスター」はその名の通り、電気や水道の漏れをチェックする機器のことです。漏れをチェックすることそのものを「リークチェック」「リークテスト」と呼びます。

従来は人間の目視によって行われることが主流でしたが、あくまでも感覚に頼ったものになるため、人件費の削減や検査精度向上のために用いられることが増えてきました。

  • リークの代表的な使い方4パターン

    リーク電流という言葉もあります

その他のリーク

カタカナでリークと表記しても、意味は「leak」とは異なるものがあります。少々ややこしいですが、他のリークについて解説しましょう。

医療現場のリーク

医療現場でもリークという言葉が使われることがあります。こちらのリークはビジネス用語と同様に「漏れる」の意味があり、点滴や人工呼吸の酸素が漏れていることを表す際に使われます。意図的に漏らしたというより「何かのミスで漏れてしまった」というニュアンスが強く、現場によっては早急な対応が求められるでしょう。

「もたらす」という意味の「リーク(wreak)」

「wreak」は「もたらす」という意味の英語で、スペルは異なりますが「leak」と発音が一緒です。類義語として「execute(実行する)」「effect(影響)」といった単語があげられます。

もし英語で使ったり聞いたりする機会があれば、前後の文脈から意味を判断するようにしましょう。

リークを使った例文

リークを使った例文をご紹介します。どのような状況で使われ、どのようなニュアンスを含むのかを理解して、ビジネスシーンに活かしてください。

新商品の情報がリークされる

発売前や企画段階の新商品の情報が漏れたときに使われます。「リークされる」という受け身の表現は、そうした情報が誰かの手によって勝手に流されたことを意味します。

たとえば社内の新商品情報が社外で発信されていた場合、「社内の誰かによって情報がリークされた」ということになるでしょう。そのような事態が発生したら、早急に情報の発信を止め、社内で誰が流出させたのかを調べる必要があります。

機密情報をマスコミにリークする

本来は公開されないはずの情報を意図的にマスコミに流すときに使われます。自分が流していることは知られないよう、秘密裏に情報を流すニュアンスが含まれるでしょう。

基本的に自分から裏情報を流す行動は、どんなに隠しても情報の発信元を突き止められてしまうのでリスクは大きいです。

プロジェクトのリーク情報が出回っている

「リーク情報」は漏えいした情報のことをいいます。本来であれば流出するはずのなかった情報が流出してしまい、その情報があちこちに広がったときに使うといいでしょう。

このような状態に陥ったときは、これ以上リーク情報が広がらないように早急に対策したいものです。

リーク画像から詳細が特定できる

「リーク画像」は意図せず流出した画像のことです。本来であれば流出するべきではない画像が流出してしまい、さらにその画像から詳細が読み取れる状態にあるときに使える言い回しです。

情報はどんなところから流出するかわからないので、画像の流出も可能な限り注意しておきたいところです。

  • リークを使った例文

    情報をリークするのはあまり感心できないかも

リークの意味や由来を押さえて正しく使いましょう

リークの意味や由来、使い方についてまとめました。ビジネスシーンでのリークはしばしば「情報漏えい」の意味で使われます。特に意図的に情報を漏えいさせることが多いですが、その情報が意図的に流出したものなのか、不用意に流出したものなのかによって使い方が変わります。

また同じような読みをする、まったく別のリークもいろいろとありました。リークを会話で使う際には十分注意してくださいね。