6月7日(現地時間)に配信された、AppleのWWDC21基調講演において、この秋リリース予定となる「watchOS 8」の新機能が紹介されました。ここではその内容を詳しくご紹介します。
「呼吸」を含む新アプリ「マインドフルネス」が登場
watchOS 8では、「呼吸」の機能を含む新しいアプリ「マインドフルネス」が登場します。ストレス低減や心の安定に、マインドフルネス(*)が効果的であることを多くの研究が示しています。
これまでの「呼吸」機能はここに組み込まれ、ビジュアルを刷新。新たに、短いセッションを行う「リフレクト」機能を搭載します。「リフレクト」は毎回ランダムに”お題”のようなものを毎回提示し、それについて集中して考えることでユーザーのポジティブな気持ちを呼び起こすというもの。セッション中は意識を集中に導くアニメーションが表示されます。
*マインドフルネス 意識を「今この瞬間起きていること」に向け、心を整える手法。集中力の向上や、心の安定、ストレス低減に寄与するといった研究結果がある。
「Wallet」の鍵機能がApple Watchでも
iOS 15では、「Wallet」に車や自宅、オフィス、ホテル等の鍵を追加することが可能になります。 watchOS 8もこれに対応し、Apple Watchをかざすだけで解錠が可能になります。Apple Parkではすでに使用されているようです。
車の鍵は昨年発表されたNFC式に加え、新たにUltra Wideband(超広帯域)をサポート。U1チップ搭載のApple Watchが車の位置を認識し、10mほど離れた場所からクラクションを鳴らしたり、エアコンをつけたりすることが可能です。1mまで接近すると自動的にロックが解除され、乗り込んだことが検知されるとスタートが可能になります。
「ホーム」アプリのリニューアル
「ホーム」アプリには、新たに「カメラルーム」機能が追加されます。設置されたHomeKit対応カメラの映像をライブで確認でき、スピーカー付きのカメラであればApple Watchから話しかけることが可能です。
また、全体的にデザインがリニューアルされ、対応機器の現在の状態を一覧したり、必要な時必要な機器にアクセスしやすくなります。接続されたHomePodなどに音声を送ることができる「インターコム」機能も追加されます。
手の動きを感知し操作する「アシスティブタッチ」に対応
先日動画が公開され話題になったアクセシビリティ機能「アシスティブタッチ」も watchOS 8で搭載。モーションセンサーなどの内蔵センサーが握ったりつまんだりする筋肉の動きを感知し、それに対応する動作を行います。上肢が不自由でもApple Watchを使いこなしてもらうための機能です。
「ポートレート」文字盤、複数タイマーなどその他の機能
その他のアップデートを簡単にご紹介します。
「ポートレート」文字盤を搭載
iPhoneの「ポートレートモード」で撮影された写真から被写体の範囲を認識し、奥行きのある文字盤にします。手首を動かしたりデジタルクラウンを回したりすると、被写体の大きさが変わったり、手前に移動したりします。複数の写真を設定し、切り替えながら使うことも可能。
「写真」アプリをリニューアル
画面が大型化したことでニーズありと見込まれたのか、「写真」アプリが大幅リニューアルに。これまでは指定したアルバムのみをiPhoneから同期する仕組みになっていましたが、新たに「メモリー」と「おすすめの写真」が同期されるようになります。
複数タイマーを同時に実行
並行して複数のタイマーを同時に動かすことが可能になります。Siriでタイマーをセットする場合は「タイマー6分、ゆで卵」のようにラベルをつけることが可能。ラベルはカウント画面に表示されます。
「睡眠」に1分ごとの呼吸数の計測を追加
watchOS 7で導入された「睡眠」に、睡眠中の呼吸数を計測する機能が追加されました。中長期的に測定を続けることで健康状態の変化を観察し、変化が見られれば通知で知らせます。