JR西日本は6月11日から、323系2編成に大阪環状線60周年を記念したオリジナルのロゴマークなど装飾し、大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)で運行開始する。これに先立ち、ロゴマーク等の装飾作業が6月9日に行われ、その様子が報道関係者らに公開された。
現在の大阪環状線・JRゆめ咲線(桜島線)は複数の路線をルーツとしており、かつて天王寺~京橋~大阪間は城東線、大阪~西九条~桜島間は西成線だった。南西側の区間は関西本線とその貨物支線だった大阪臨港線(今宮~大阪港間)を活用しており、途中の境川信号場(弁天町~大正間にあった信号場。後に廃止)から西九条駅まで延伸した1961(昭和36)年4月25日、大阪環状線が誕生。西九条駅の高架工事が完成した1964(昭和39)年から環状運転を開始し、現在の姿となった。
大阪環状線の全線開業から60周年を迎えた今年、JR西日本は「これまでも、これからも、この大阪のまちで! 『大阪環状線 ~つながって60年~』」と題し、大阪環状線の歴史や大阪のまちの魅力を発信して「より多くの皆さまに笑顔になっていただける」取組みを展開する。この一環で、オリジナルデザインのロゴマーク等を装飾した323系が運行されることになった。
装飾作業は吹田総合車両所森ノ宮支所で行われた。装飾を施す323系2編成のうち、LS05編成は作業が完了しており、LS21編成への装飾作業が報道公開された。車体前面の扉のガラス部に貼付されていた大阪環状線改造プロジェクトのロゴマークがはがされ、代わって大阪環状線60周年ロゴマークが貼付される。このロゴマークには「大阪環状線60年」と記され、その下に新旧車両の103系と323系を配置し、大阪環状線の歴史を表現している。大阪環状線に乗り入れる大和路快速をイメージした緑色、関空・紀州路快速をイメージした青色のリングも採用された。
続いて車体前面の向かって左側、窓の上部に「1961-2021 つながって 60」とデザインされた装飾が施される。「60」は「∞(無限大)」をイメージさせるデザインとなっており、60周年を迎えた大阪環状線に「無限の可能性を秘めた路線」との思いを込めたという。
装飾作業の後、今回の取組みに携ったJR西日本近畿統括本部企画課の渡邉修二氏がインタビューに応じ、「2013年から大阪環状線改造プロジェクトを開始し、駅の改良や駅構内店舗のリニューアル、新製車両の投入などに取り組んできました。現在も京橋駅の改良をはじめ、『明るい、きれい、わかりやすい』をコンセプトに快適な駅づくりを進めているところです。60周年を契機に、地域の方々とも連携し、大阪のまちを一緒に盛り上げていけたら」とコメントした。
大阪環状線60周年ロゴマーク等を装飾した323系は12月下旬まで運行される予定。JR西日本は他にも大阪環状線の全線開業60周年を記念した取組みとして、開業当時の駅の様子や歴代車両等を紹介し、大阪環状線の歴史を振り返るポスターを主要駅(大阪駅、京橋駅、鶴橋駅、天王寺駅、新今宮駅、西九条駅など)に掲出する。「JRおでかけネット」内に今回の企画を紹介する特設サイトを開設し、京都鉄道博物館にて大阪環状線開業60周年企画展も計画中。行政・学校・企業等と連携した大阪環状線沿線の魅力発信なども行う予定となっている。