取引先や上司とのやり取りで度々出てくるビジネスワードに「レスポンス」があります。特定の相手から返事がきたかを確認するときなどに使いますが、出てくる場面によってニュアンスが異なる場合もあるので注意しましょう。本記事ではレスポンスの意味や使い方などを説明します。
レスポンスとは
レスポンスは「返事」「返答」「反応」という意味です。元々英語由来の言葉であり、日本でカタカナ語として取り入れられ定着しました。ビジネスシーンではよく「対応」や「反応」という意味で多く使われます。
レスポンスの語源
レスポンスは英語の「response」が由来となっています。意味は現在使われているカタカナ語と同様に「返答」や「応答」です。さらに紐解くと語源はラテン語の「re-(返して)+spondeo(誓う)」になります。キリスト教徒の間では、礼拝のときの応歌や応唱もレスポンスといいます。
レスポンスの意味
日本語の「レスポンス」は英語の「response」と同じく「返事」「返答」「反応」の意味を持っています。日本語の「レスポンス」の特徴としては、単に「返事」だけでなく、その後の「対応」までを意味することもあるという点が挙げられます。
レスポンスの類語
ここからは、レスポンスの類語を4つ紹介します。レシチュエーションや相手に合わせて使いましょう。
- 返事
「呼びかけに対して答える言葉」「返答」という意味で使われます。
- 応答
「問いかけや呼びかけに答えること」「受け答え」という意味の言葉です。
- レス
「レス」は「レスポンス」の略です。電子掲示板やチャットなどカジュアルな場面で用いられます。掲示板などでの発言に対する返事や反応として、返答を行うことを「レスする」と表現したのが由来であり、現在においても、LINEなどのチャットアプリの返事のことを「レス」と呼びます。
- リプライ
「リプライ」とは、電子メールや電子掲示板(BBS)などにおいて、主に自分宛てのメッセージに対して返信することです。あるいは、返信を趣旨として投稿・送信されたメッセージそのものを指すこともあります。
リプライはもともと「返事をする」「応答する」といった意味の英語からきています。
レスポンスの使い方
「レスポンス」の使い方を例文とともにご紹介します。
「返事」という意味で使うケース
まずは、「返事」という意味で使う場合のレスポンスを使用した例文をご紹介します。
例文:
・会議の日程調整について、先方からのレスポンスを待つ。
・レスポンスを早くするように心がける。
・レスポンスが遅れて迷惑をかけた。
IT業界では「処理能力」という意味で使われる場合も
IT業界では、前述の「返事」という意味でのレスポンスに加えて、コンピューターの処理能力の速度のことをレスポンスと呼ぶことがあります。
IT業界で使うケース
例文:
・パソコンを起動してから稼働までのレスポンスが遅すぎる。
・システムに遅れが生じているのでレスポンスの改善をする必要がある。
・画面操作におけるレスポンスを早めることが大切だ。
現在レスポンスは相手からの反応や返答という意味で使われていますが、IT業界では「コンピューター」から「反応」があるまでの時間を指す場合もあります。勘違いでコミュニケーションに齟齬が生じないよう、レスポンスがどのような意味で使われているのか整理しておきましょう。
レスポンスの関連用語
ここでは、レスポンスの関連用語について解説します。
■レスポンスコード
レスポンスコードとは、ウェブサイトを閲覧するブラウザからウェブサーバーにリクエストを送った際に、サーバーから返ってくる3桁のコードのことです。
ブラウザで何かを検索しようとしたときに「307 Temporary Redirect」や「404 Not Found」というメッセージが表示された経験がある方も多いでしょう。この3桁のコードがレスポンスコードで、大まかに100番台、200番台、300番台、400番台、500番台に分類されています。
レスポンスコードは他に「ステータスコード」や「HTTPステータスコード」と呼ばれることがあります。
■レスポンスリング
レスポンスリングとは、車やバイクなどでアクセルを踏んだ際の能力を向上させるために装着するリングのことを指します。レスポンスリングを装着することで、空気の導入経路が抑制され、通過していく空気の速度が上がります。 リング径はさまざまで、能力をどれくらいアップさせたいかや、装備する車の性質によって選択しなければなりません。
■レスポンスタイム
レスポンスタイムはIT用語で、システムや装置に要求や入力をしてから反応が送られるまでにかかる時間のことを言います。レスポンスタイムが早ければ早いほど、ユーザーや他のシステムが応答を待つ時間が短いということです。
【意味別】レスポンスを用いた例文
ここでは、レスポンスを使った意味ごとの例文をご紹介します。レスポンスは使うシーンでニュアンスや意味が変わることを押さえておきましょう。
「返事」という意味で使う場合
例文:
・上司へ連絡したのにレスポンスがない
・昨日クライアントに送ったメールのレスポンスはまだですか?
返事の有無を伝えるときにレスポンスという言葉を使います。
「対応」という意味で使う場合
例文:
・お客様の要望にはすぐにレスポンスすべきだ
・尊敬する先輩はレスポンスが早い
このように「何かしらの対応をする」という意味でレスポンスを使うことができます。
「反応」という意味で使う場合
例文:
・新製品に関する消費者からのレスポンスが楽しみだ
・先週営業先で行ったプレゼンのレスポンスはかなり手ごたえがあった
レスポンスは何かを行ったことへの反応という意味で使われることもあります。
レスポンスを早くするためのポイント
ビジネスシーンでは素早いレスポンスが信用・信頼につながります。そこで最後に、レスポンスを早くするためのポイントをご紹介します。
簡易でもいいのですぐに作業に着手する
レスポンスには「反応」という意味があるように、相手のアクションに対して何らかの反応をすれば、相手は「自分の要望は伝わったな」などと安心します。一方で、レスポンスが遅ければ、「ちゃんと相手には伝わっているのだろうか」などと疑心暗鬼に陥ってしまいます。これでは信頼獲得にはつながりにくいことは自明の理です。
メールを具体例に説明してみましょう。クライアントからメールが来たらすぐ返信するように意識しましょう。メールが届いたら、すぐに返信できそうなものと少し時間がかかりそうなものに分けます。そしてすぐに返信できるものには迅速に対応します。
また、時間がかかりそうなものには「○○日までにご一報入れさせていただきます」というように、「いつまでに返事をするか」をはっきり記載したうえで、まずはメールを確認した旨の返信をしましょう。
今自分が抱えているタスクを整理する
レスポンスを早くするには自分が今抱えているタスクを把握しておくのも大切です。例えば、新しい業務を依頼されたとします。その業務を引き受けることができるのか、できるならいつまでにできるのかをできるだけ早く回答するには、自分が抱えているタスクを頭の中でしっかりと整理できている状態である必要があります。
レスポンスのスピードアップを心がけることでビジネスパーソンとしての信用や信頼獲得につながります。
レスポンスを正しく使いこなそう
本記事ではレスポンスの意味や使い方などを説明しました。ビジネスシーンにおいてレスポンスはよく使われますが、IT業界との使い分けや使うシーンによっては同じ言葉でもニュアンスが変わってしまう場合があります。レスポンスの意味を正しく理解して、使いどころを間違えないようにしましょう。