ビジネスメールを書くときには、要点をおさえながらもマナーを守った形式を意識しなければいけません。返信のタイミングや電話との使いわけ方を知っておくことも大切です。

自分では正しいと思っていても、相手に失礼な内容になっているケースがあるので、基本的なルールとマナーはしっかりマスターしておきましょう。

本記事では、ビジネスメールの基本やマナー、注意点などについてくわしく解説します。シーン別に使える例文も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

  • ビジネスメールの基本

    基本とマナーを守ったビジネスメールを書きましょう

ビジネスメールの基本

ビジネスシーンではメールも重要な連絡手段です。メールの内容によって成約につながることもあれば、相手に悪い印象を与えることもあります。不要なトラブルを防ぐためにも基本をしっかりおさえて、相手に失礼のないビジネスメールを書きましょう。

■ビジネスメールの基本形

ビジネスメールの基本的な構成は以下になります。

  • 宛名 : 誰にあてたメールなのか
  • 挨拶 : シーンに応じて「いつもお世話になっています」など
  • 名乗り: 送信者の素性
  • 本文 : 主題
  • 結び : シーンに応じて「何卒よろしくお願いいたします」など
  • 署名 : 送信者の所属先・連絡先などの詳細情報

どの内容が欠けても相手に失礼になるため、それぞれしっかり確認しましょう。

■TO・CC・BCCの使い方

メールを送る際には「TO・CC・BCC」の知識も必要です。

・TO(宛先)
宛先には、メールを送りたい相手のメールアドレスを入れます。

・CC
CCはカーボンコピー(Carbon Copy)の略です。CCには、TO(宛先)の相手とは別にメールの内容を共有したい相手のメールアドレスを入力します。なお、メールの内容とメールを共有した相手のメールアドレスは、CCに入力した全員に開示されます。

・BCC
BCCはブラインドカーボンコピー(Blind Carbon Copy)の略です。メールの内容を共有したいが、受信者の情報を他の受信者に知られたくない場合は、BCCを使います。BCCに入れた受信者のメールアドレスは他の受信者には共有されません。

  • ビジネスメールの基本

    ビジネスメールの基本形をしっかり確認しておきましょう

ビジネスメールの書き方

ここからはビジネスメールの書き方を項目別にくわしく紹介していきます。例文もまじえながら解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

■件名の書き方

丁寧なメールを書いても開封してもらえなければ意味がありません。メールを開封してもらうためには、簡潔でありながらも、わかりやすい件名にすることが大切です。【】などの記号を使って目を引きやすくしてみてもいいでしょう。

・【新商品の件について】見積書を添付しております
・【〇〇株式会社 ××部 △△】〇月〇日の打ち合わせについて
・引き継ぎのご挨拶(〇〇株式会社 ××部 △△)

■宛名の書き方

宛名に必要な情報は以下のとおりです。

  • 会社名
  • 部署名
  • 役職名
  • 名前
  • 敬称

株式会社□□ △△部
部長 ×× ×× 様
CC:●● 様

相手の名前がわからない場合は「ご担当者様」と記載します。役職に敬称を付けて「課長様」のように書いてはいけません。CCを利用する場合は、宛名の下に改行を入れてから「CC:●●様」と記載します。

組織や団体あてに送る場合は「様」ではなく「御中」と表記しましょう。複数名に一斉送信する場合は「関係者各位」のように「各位」を使います。

■挨拶

ビジネスメールの挨拶に使われる基本的なフレーズには、以下のようなものがあります。

・いつも大変お世話になっております
・突然のご連絡失礼いたします
・ご無沙汰しております
・初めてご連絡いたします

日頃から取り引きがある相手は「いつも大変お世話になっております」、初めての相手には「初めてご連絡いたします」など、メールを送る相手やシーンに適したフレーズを選ぶことが大切です。

■名乗り

誰から届いたメールなのかがすぐわかるようにするため、会社名、部署名、名前を記載して名乗ります。

・○○株式会社 ××部の△△と申します
・○○株式会社 ××部の△△です

■本文

相手の手間を取らせないためにも、本文はシンプルでわかりやすい内容にしましょう。要点を箇条書きにするなどの工夫も大切です。

■結び

基本的に使われるフレーズにはいくつかの定形文があります。いろいろな言い回しを覚えて、メールが単調にならないようにしましょう。

・ご検討のほどよろしくお願い申し上げます
・お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします
・ご一読のほどお願いします

■署名

ビジネスメールでは署名が名刺の役割も果たすので、最低でも以下の内容は盛り込みましょう。

  • 会社名
  • 所属する部署・課 (役職)
  • 担当者名
  • 住所
  • 電話番号 (FAX番号)
  • メールアドレス
  • Webサイト等のURL

改行して見やすくすることも大切です。

○●----------------------------------------------------●○
  ○○株式会社 ××部
  △△ △△
  〒000-0000 東京都~~区 ~~~
  TEL: 03-XXXX-XXXX FAX: 03-XXXX-XXXX
  Email: △△@△△△.com
  URL: http://△△△.com/
○●----------------------------------------------------●○

  • ビジネスメールの書き方

    件名や宛名、名乗り、署名など、それぞれの書き方をマスターして、相手に失礼のないビジネスメールを作成しましょう

ビジネスメールの例文

ここからは、ビジネスメールの定型文をご紹介します。部分的に書き換えるだけでそのまま使えるので、ぜひビジネスメールの作成にお役立てください。

■依頼のビジネスメール

株式会社□□ △△部
部長 ×× ×× 様

いつもお世話になっております。○○株式会社 ××部の△△です。

先日は〇〇〇をお送りいただき、ありがとうございました。
お手数ですが、領収書の発行をお願いいたします。

宛名:〇〇株式会社
金額:△△△△円
日付:×月×日
但し書き:□□□□□□

大変恐縮ですが、弊社の経理処理の都合で、×月×日(水)までに原本を頂戴できると幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

───────────────────
○○株式会社 ××部
△△ △△
〒000-0000 東京都~~区 ~~~
TEL: 03-XXXX-XXXX FAX: 03-XXXX-XXXX
Email: △△@△△△.com
URL: http://△△△.com/
───────────────────

■お礼のビジネスメール

株式会社□□ △△部
部長 ×× ×× 様

いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の△△です。

この度は、お忙しい中、貴重な時間を割いていただき誠にありがとうございました。

××様にお話をお伺いすることができ、大変参考になりました。

いただいたご要望やご意見をまとめて、製品の精度を高めていく所存でございます。

ご不明な点等ございましたら、いつでもご連絡ください。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
○○株式会社 ××部
△△ △△
〒000-0000 東京都~~区 ~~~
TEL: 03-XXXX-XXXX FAX: 03-XXXX-XXXX
Email: △△@△△△.com
URL: http://△△△.com/
/=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

■報告のビジネスメール

株式会社□□ △△部
部長 ×× ×× 様

平素よりお世話になっております。○○株式会社××部の△△です。
○○について、○月○日現在の進捗状況をご報告申し上げます。

全体の進捗状況:予定通り
今後の予定:○○を手配予定。

ご報告は以上となります。

大変恐縮ですが、メールにてご報告とさせていただきます。
何かご不明な点がありましたらお知らせいただけますと幸いです。

****************************************************
○○株式会社 ××部
△△ △△
〒000-0000 東京都~~区 ~~~
TEL: 03-XXXX-XXXX FAX: 03-XXXX-XXXX
Email: △△@△△△.com
URL: http://△△△.com/
****************************************************

■お詫びのビジネスメール

株式会社□□ △△部
×× ×× 部長

いつも大変お世話になっております。
○○株式会社××部の△△でございます。

〇月〇日××:××に送信いたしましたメールに関しまして、一部表記に誤りがございました。

正しい内容のメールは「〇〇〇について」という件名で再送させていただきました。
この度は、混乱を招いてしまいましたことを心よりお詫び申し上げます。

今後このようなことがないように留意してまいります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

*--------------------------------------------------------*
○○株式会社 ××部
△△ △△
〒000-0000 東京都~~区 ~~~
TEL: 03-XXXX-XXXX FAX: 03-XXXX-XXXX
Email: △△@△△△.com
URL: http://△△△.com/
*--------------------------------------------------------*

■督促のビジネスメール

株式会社□□ △△部
部長 ×× ×× 様

いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社、××部の△△です。

先日メールにてお願いしておりました△△の件についてですが、進捗状況はいかがでしょうか。

可能であれば、本日16時までにご送付をお願いできますでしょうか。

本メールと行き違いでご連絡いただいておりましたら申し訳ありません。
ご多忙の折、お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

┏ ───────────────────────── ┓
○○株式会社 ××部
△△ △△
〒000-0000 東京都~~区 ~~~
TEL: 03-XXXX-XXXX FAX: 03-XXXX-XXXX
Email: △△@△△△.com
URL: http://△△△.com/
┗ ───────────────────────── ┛

  • ビジネスメールの例文

    シーン別の定型文を覚えておけば、ビジネスメール」をスムーズに作成できます

ビジネスメールのマナーとルール

ビジネスメールは書き方だけではなく、相手からメールをもらったときの返信タイミングや、電話との使いわけ方など、最低限覚えておきたいマナーやルールがあります。くわしくみていきましょう。

■1営業日以内に返信する

ビジネスシーンでメールを受信したら、1営業日以内に返信するのが原則です。返信が遅れると相手に不安を抱かせるだけではなく、信用を失う恐れもあります。

すぐに結論を出すのが難しい場合は、「すでにメールを読んでいること」や「いつまでに返答できるか」などを伝えるメールだけでも送りたいところです。

■打ち合わせと訪問の後はお礼メールを送る

取り引き先との打ち合わせや訪問を終えた後は、お礼メールを送りましょう。基本的には翌日中までに送ります。お礼の気持ちだけではなく、今後の対応なども記載するといいでしょう。

■依頼メールの内容は明確に

依頼メールを送る場合は、内容を明確にすることが大切です。依頼したい理由やいつまでに対応して欲しいのかなどを明確にしなければ、逆に手間がかかって相手に失礼な印象を与えることもあります。

■急用には電話を使う

「すべてメールで済ませればいい」という考え方はマナー違反です。用件の内容によっては、電話を使った方がスムーズに話が進むケースもあります。急を要する用件は電話を使った方が無難です。こちらの都合で相手に返信を急かすようなことをしてはいけません。

重要な内容の場合には、メールを送信した後に電話で確認をするといった工夫も必要です。内容が複雑になりそうなときには、初めから電話を使うのもひとつの方法でしょう。

■添付ファイルのサイズに注意

送信先によってはファイルの容量が決められています。データサイズが大きいと相手がファイルを開けないこともあるので注意が必要です。

送信できない場合には圧縮してサイズを小さくしたり、オンラインストレージサービスを利用したりするなどの方法を検討してください。

  • ビジネスメールのマナーとルール

    マナーとルールを守って、相手に手間をとらせないようにしましょう

ビジネスメールのテンプレート作成方法

Gmail、Outlookのどちらも、テンプレートを保存しておける機能があります。一度作成して保存すれば簡単に呼び出せるので、ビジネスメール作成の大幅な時間短縮につながるでしょう。

ここからはGmailとOutlook、それぞれのテンプレート作成方法をくわしくご紹介します。

■Gmailのテンプレート作成方法

Gmailの「返信定型文」機能を使うと、簡単にテンプレートを作成できます。作成の手順は以下のとおりです。

1.Gmailの設定ボタン(ギアアイコン)をクリックして「すべての設定を表示」を選択します。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Gmailのテンプレート作成方法1

2.「詳細」タブをクリックしてから、「テンプレート」セクションを「有効にする」に変更して、画面最下部にある「変更を保存」をクリックします。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Gmailのテンプレート作成方法2

3.画面左上の「作成」ボタンをクリックしてメール新規作成画面を表示したら定型文を入力します。次に、メール作成画面右下の「その他のオプション」から「テンプレート」、「下書きをテンプレートとして保存」を選び、「新しいテンプレートとして保存」を選択します。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Gmailのテンプレート作成方法3

4.新しいテンプレート名を入力して保存します。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Gmailのテンプレート作成方法4

5.保存したテンプレートを呼び出すためには、メールの作成ボタンをクリックして新規作成画面を表示します。画面が表示されたら画面右下の「その他のオプション」をクリックして「テンプレート」を選択し、「テンプレートの挿入」から使いたいテンプレートを選択します。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Gmailのテンプレート作成方法5

6.選択したテンプレートが挿入されます。

■Outlookのテンプレート作成方法

次に、Outlookのテンプレート作成方法を紹介します。Outlookも簡単にテンプレートを作成できるので、ぜひ覚えておきましょう。

1.新規メール作成画面を開いて、テンプレート化したい本文を入力します。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Outlookのテンプレート作成方法1

2.テンプレートが完成したら、左上の「ファイル」をクリックします。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Outlookのテンプレート作成方法2

3.「名前を付けて保存」を選択します。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Outlookのテンプレート作成方法3

4.テンプレートの名前を入力し、ファイルの種類「Outlook テンプレート」を選択して保存します。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Outlookのテンプレート作成方法4

5.テンプレートを利用するときには「新しいメール」から「その他のアイテム」を選択して「フォームの選択」をクリックします。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    Outlookのテンプレート作成方法5

フォルダの場所「ファイル システム内のユーザーテンプレート」を選択し、作成したテンプレートを選びます。選択したテンプレートが表示されたら、必要なところを修正するだけでビジネスメールを作成できます。

  • ビジネスメールはテンプレートを作成しておくと便利

    テンプレートを作成しておくと、ビジネスメールを書く時間を大幅に短縮できます

例文を覚えてビジネスメールの正しい書き方をマスターしよう

わかりやすい文章を書いても、ビジネスメールの形式やマナーが守られていなければ、相手から評価を下げられてしまう可能性があります。知っておくべきマナーや注意点は少なくありませんが、ポイントをしっかりおさえて失礼のないメールを書きたいところです。

例文を覚えておくだけでも正しいビジネスメールを書けるようになるので、今回の記事を参考にして、円滑なコミュニケーションを実現させましょう。