アイドルグループ・Hey! Say! JUMPの八乙女光と伊野尾慧が、8月12日(19:30~)に放送されるNHK総合の特別番組『#あちこちのすずさん ~コロナ時代を生き抜く暮らしの知恵(仮)』に出演する。
戦争を生き抜いた庶民の生活を描いたアニメ映画『この世界の片隅に』(16年 監督:片渕須直氏 原作:こうの史代氏)の主人公・すずさんのようなエピソードをハッシュタグ投稿で集める「#あちこちのすずさん」プロジェクト。
コロナ禍で世界中が平和とは言いがたい中、「祖母に、戦争中の娯楽制限をどう耐えたか聞いて励まされた」「当時子どもだった爺ちゃんに、将来だけを考えて毎日走り込みしていたと励まされた」などの投稿が増加しており、“マスク警察”などに象徴される現代の空気は、戦争時代の“ぜいたくは敵”“隣組による監視”を彷彿とさせることから、今年のテーマは「不自由な時代を生き抜いた生活の知恵」に。戦争という究極の困難を、先人たちがどう生き抜いたのかを特集する。
番組では八乙女と伊野尾に加え、片渕監督と千原ジュニアも出演。投稿されたエピソードをアニメ化するほか、コロナ禍でつながりが薄れている高齢者と若者をオンラインでつなぎ、戦争中の「生活の知恵」をテーマにしたワークショップの様子を紹介していく。
出演者らのコメントは以下の通り。
■八乙女光
僕たちがこのプロジェクトに参加して3年目となりました。これまでの特番で印象に残っているのは、「戦時中に野草を食べていた」という投稿を実際に体験すべく、野草をゆがいて食べさせてもらったこと。苦いものもありましたが、当時は「味があるだけで幸せだった」 というお話が印象に残っています。
■伊野尾慧
僕は去年とおととし、一度も会ったことのない兵士と文通をしていた93歳のおばあちゃんにお話を伺いました。実際にお手紙も拝見して驚いたことを覚えています。もし皆さんの周りでエピソードをお持ちの方がいたら、ぜひ話を聞いて僕たちに教えてください! もしかしたら、僕たちが直接お邪魔するかもしれません。
■片渕須直監督
戦時中を生きた人は、大なり小なり、個人としての可能性を奪われるという意味で不幸な目に遭っています。本来ならどんな可能性があったのか。戦争が奪い去ったものとはなんだったのか。そうしたことを考えるために、その時代に生活した人々の姿をたくさんたくさん知っておきたい。たくさんのすずさん、あちこちのすずさんのことを。
■千原ジュニア
こんなに持ち帰らせて頂くものが多い番組は他には無いと毎年実感しております。戦争を経験していない世代の自分が戦争のことを語って良いのか、という想いも持ちつつ普段通りの生活ができづらいこの状況に溺れているからこそ、当時の不自由な生活の記録から学んだり気付かされることがあるのでは、という思いで今年も取り組ませて頂きます。
■春日真人チーフプロデューサー
今、若者たちの投稿に「自分たち以上に過酷な青春を生きてきた祖父母や曽祖父母に勇気づけられる」という声が増えています。取材してみると“すずさん”たちが持つ「戦争の時代を生き抜いた知恵や勇気」は現代にも通じる普遍性を持つことに驚かされます。新型コロナ禍の中で引き裂かれる“若者世代と高齢者世代のつながり”。今年のプロジェクトは去年に引き続き、そのつながりを取り戻し、家族や地域のコミュニティを元気にすることに挑みます。
(C)NHK