メールで何かを依頼しても、なかなか返事が来なくてそわそわすることはありませんか。依頼メールにはコツがあり、それがないと結果として対応を後回しにされてしまいます。そんな事態は避けたいですよね。
この記事ではすんなり対応してもらうための依頼メールの書き方や、具体的な例文を紹介します。
まずはビジネスメールの基本をチェック
ビジネスの基本、メールの書き方の基本 を押さえましょう。
メールでも第一印象は大切
顔が見えないからと油断してはいけません。言葉遣いや文面から人柄はにじみ出るものです。とくに面識がなかったり、名刺交換をしただけであまり付き合いがなかったりする場合には、メールだけが相手にとっての判断材料。「この人は信頼できそうだ」「誠実な人だ」と思ってもらう必要があります。
面識のない相手には、冒頭で自己紹介をして「初めてご連絡させていただきます」などと加えましょう。またこれは基本中の基本ですが、誤字脱字をなくすこと、適度に改行して読みやすくすることなどには気を付けましょう。
件名の書き方
人によっては1日に何十件もメールが届く人もいます。他のメールに埋もれてしまわないよう、件名の書き方を工夫して目に留まりやすいようにしましょう。
例:【お願い】【新規依頼のお願い】【至急:資料送付のお願い】
依頼メールであることは一目瞭然ですし、締め切りが近い場合は具体的に「明日中」などと明記すれば、スピード感をもって対応してくれるかもしれません。
宛名の書き方
プライベートなメールでは省かれますが、ビジネスメールでは宛名を書きましょう。会社名・部署名・役職名・名前・敬称すべて必要です。冒頭1行目に書くこととして、覚えておいてください。
例:「株式会社A商事 営業部 法人課 ○○様」
本文の書き方
ビジネスメールなどのあらたまったメールでは、いきなり内容に入るのは失礼です。内容の前後に冒頭と結びの挨拶を必ず書きましょう。
例:冒頭「大変お世話になっております」
結び「何卒よろしくお願い申し上げます」
また、相手がすぐに電話で確認を取りたくなるかもしれません。署名には社名・氏名・電話番号・メールアドレスを最低限入れておきましょう。テンプレートにしておくと便利です。
依頼メールのポイント
ビジネスメールの基本を押さえたところで、次に後回しにされないための依頼メールの書き方をご紹介します。
気遣い・謙虚さを忘れずに
メールでは相手の顔が見えない分、少し言い方を間違えると横柄な印象を与えてしまうこともあります。とくに依頼メールでは謙虚さが大切です。メールには以下のような表現を盛り込みましょう。
例:「ご多忙のところ恐縮です」
「お手数をおかけいたしますが」
「不躾なお願いで恐縮ですが」
相手への配慮や気遣いができれば、依頼メールを受け取った相手も気持ちよく返事してくれるかもしれません。
依頼内容・理由は具体的に書く
ただし、気遣い・謙虚さを全面に出しすぎた結果、依頼内容が分かりにくくなってしまい相手が返答しづらいなんてことは本末転倒です。下記のような表現で依頼内容をはっきりと伝えましょう。
例:「〇〇様には~~をご依頼したく思っております」
いつまでに返事や対応が必要なのかなども大切です。目上の方に依頼する場合は、別途「依頼書」を添付するのもよいでしょう。
相手の重要性を説く
いきなり依頼されると、「なぜ自分に依頼したのだろう?」と思ってしまうことは少なからずあります。なぜその人に依頼したいのか、重要性や動機を説明することが大切です。相手に伝わることで、依頼した相手も動こうという気持ちになり、好感触を得やすくなります。
依頼元をはっきりさせる
部署の依頼なのか、個人的な依頼か、会社代表としての依頼なのかなど、依頼元をはっきりさせることも大切です。依頼元が分かれば相手も判断しやすく、スムーズな対応につながります。
シチュエーション別! 依頼メールテンプレート
不慣れなうちは、メールを書くだけでかなり時間がかかってしまうものです。そこであると便利な例文を、シチュエーション別に紹介します。
基本編
【お願い】××の資料送付について(B工業・田中)
株式会社A商事
営業部法人課
○○様
初めてご連絡させていただきます。
株式会社B工業の田中と申します。
さて、○月×日に開かれましたAセミナーで
御社製品の「C」を拝見いたしました。
弊社ではDを制作しておりまして、
ぜひ、購入を検討したいと考えております。
つきましては不躾なご依頼となり恐縮ですが、
資料などがございましたらお送りいただけないでしょうか。
来週○月△日に弊社の会議にて検討したいと考えておりますので、
お手数ですがそれまでに送っていただけますと幸いです。
難しいようでしたら、ぜひご連絡いただければと思います。
ご多忙のところお手数おかけして大変恐縮ですが、
何卒ご検討いただけますようお願いいたします。署名
相手へ何をいつまでに依頼したいのか明確にしつつ、礼儀にも気を付けて送りましょう。
アポイント編
【至急】〇〇の打ち合わせ日程について
株式会社A商事営業部法人課○○様
いつも大変お世話になっております。
株式会社B工業の田中です。
先日は、お忙しいところお電話をいただき誠にありがとうございました。
本日は〇〇の件で打ち合わせの日程を調整させていただきたくご連絡いたしました。
今月中に御社にお伺いできたらと存じますが〇〇様のご都合はいかがでしょうか。
ご都合のいい日を2、3日ご教示いただけますと幸いです。
お手数をおかけし恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。 何卒よろしくお願いいたします。
署名
日程の調整ではこちらの都合を押し付けるのではなく、まずは相手の都合を聞きましょう。そうすれば相手を立てることになります。
見積編
【お願い】「××」の見積依頼
株式会社A商事営業部法人課○○様
初めてご連絡いたします。
株式会社B工業の田中と申します。
貴社ホームページに掲載されている「××」の購入を検討しております。
つきましては、下記の内容で見積書の作成をご依頼したいのですがいかがでしょうか。
【見積内容】
・商品名:××
・個数:10個
・納期:〇月〇日
・支払方法:
・宛名:株式会社B工業
弊社の都合となり大変恐縮ですが〇月×日(木)の月次会議で稟議書を提出したいと考えております。
その前々日にあたる〇月△日(水)までに見積書をご作成、ご送付いただくことは可能でしょうか。
突然のご依頼となり大変恐れ入りますが
ご確認いただきますようお願い申し上げます。
署名
見積依頼のメールにおいては、商品名や個数など見積作成に必要な情報をあらかじめ伝えておくことが、スムーズな返事につながります。
英語での依頼メールは?
次に、英語での書き方についても紹介します。
「I would appreciate it if you ~」を覚えよう
「I would appreciate it if you ~」は、英語で依頼メールを送る際によく使われる表現で、「~していただけるとありがたいのですが」「~していただけますと幸いです」などという意味があります。依頼メールで使いやすい表現として覚えておきましょう。
・I would appreciate it if you could get back to me right away.(急いでご返信いただければうれしいです)
・I would appreciate it if you would consider our plan(弊社のプランをご検討いただければ幸いです)
「possibly」はやや無理な依頼をする時に
「possibly」は、「もしよろしければ~」という意味です。「Could you~」「Would you~」(~していただけますか)と組み合わせれば、「もしよろしければ~していただけませんか?」とより丁寧な表現になります。
・Could you possibly show me other plans?(もし可能であれば、ほかのプランも見せていただけませんか?)
・Could you possibly tell me your plan?(あなたの計画を教えていただくことはできますでしょうか)
・Could you possibly send us a 2021 edition catalog(できれば2021年版のカタログをお送りいただけないでしょうか)
「please」に注意
学生時代に習ったからと「please」を使えばいいのではないかと思う人も多いでしょう。しかし言葉を選ばず「please」を使うと、命令調になってしまいます。
どうしても「please」を使いたければ、「Would you~」ではじまる文章の最後に「please」を付けましょう。
依頼メールは具体性と謙虚さを表すのがポイント!
メールは顔が見えないからこそ、マナーがとても大切です。言葉遣いは謙虚に、文面は理路整然と分かりやすく。自分が受け取ったらどう感じるだろうという客観的な視点で書くとよいでしょう。 英語で送る場合は「I would appreciate it if you~~」「Could you possibly~~」といった表現が便利です。
今回紹介したポイントを押さえ、後回しにされない依頼メールを身に付けましょう。