資料のメール送信や物品の郵送は、ビジネスシーンでは日常茶飯事。しかし送付した旨を伝えるメール(以降、送付メールとします)に、何を記載すればいいのか迷うこともありますよね。
本記事では、送付メールが必要なシーンや送信・郵送・発送の使い分け、添付ファイルを送る際のマナーなどをまとめています。送付メールの具体的な文面や英語表現も紹介していますので、最後までチェックして仕事に役立ててください。
資料や商品を送付した際はメールで連絡する
ビジネスシーンにおいて、取引先に資料や物品を送ることは多々あります。それがメールであっても郵送であっても、きちんと相手へ「送りました」と伝えることは大切です。その際に出すのが送付メールです。
送付の意味
送付メールについて説明する前に、「送付」という言葉の意味を知っておきましょう。送付とは「品物や書類を送り届けること」という意味です。「書類を送付いたしました」などと使われます。
メールの時は「送信」
送付と似た言葉に「送信」があります。送信は「電気信号を送ること」という意味で、電子メールを送る際に使います。送付は電子メールに対しても使えますが、送信は電子メールのときだけで、書類や物品を送る際には使いません。
郵便は「郵送」、宅配便は「発送」
送付には、メールのほか郵便(または宅配便)を使うこともあります。一般的に郵便で送る際は「郵送」、宅配便などで送る際は「発送」と使い分ける傾向にあります。
送付メールが必要となるビジネスシーン
それでは、どのようなときに送付メールが必要になるのでしょうか。
前述したように、取引先に資料や物品を送付した際は「送付しました」としっかり伝えるのがマナーです。具体的にどのようなシーンなのか、以下に紹介します。いずれも日常的なものなので、ビジネスマナーとして覚えておきましょう。
資料や商品などを発送したことを知らせる
問い合わせのあった資料や取引先から注文のあった商品などを郵送・発送した際に、その旨を先方へ知らせるために送ります。身近な例ではネットショッピングをした際に、販売元から客へ送られるメールが挙げられます。
添付ファイルにてデータを送付
プレゼン資料などは添付ファイルで送ることも多いでしょう。ただし送信できる添付ファイルの容量は、企業によってまちまち。容量オーバーで届かないなんてこともよくあります。
添付ファイルを送る際は、件名に「添付あり」「資料添付」などと表記し、本文にも添付ファイル名を記載します。こうすれば万が一、添付をし忘れても相手が気付いてくれます。
就活・転職などで履歴書などの書類を送る
就活や転職活動などで、履歴書・職務経歴書をメールで提出するのが当たり前になりました。履歴書などは比較的容量が小さいですが、企業によっては添付ファイルの容量を制限していることも多くあります。事前に注意事項を確認し、不明点があれば担当者に確認しましょう。
添付する際には、履歴書・職務経歴書を添付している旨をメールの件名と本文でしっかりと伝えましょう。
送付メールの基本マナー
送付メールの作成に関する基本マナーを紹介します。具体的な文面も説明するので参考にしてください。
件名と本文に送付物が分かるように記載
送付メールでは、件名と本文に何を送ったかが分かる記載が必要です。「商品発送のご連絡(注文番号:XXXXXX)」「見積書類送付のお知らせ」「応募書類郵送のお知らせ」などがその一例です。
郵送・発送の場合は発送日時や到着予定日も明記
郵送・発送の場合はいつ送付したのかや到着予定日、荷物の問い合わせ番号も送付メールに記載します。メールを受け取った側は、何がいつ届くのかが一目瞭然できて安心です。
送付に関する問い合わせ先を明記
取引先の担当者など個人のやり取りで送付する際はいいですが、ネットショッピングなど相手が一般消費者の場合、送付メールには問い合わせ先を明記する必要があります。万が一商品が届かない、不備があるなどのトラブルが起きた場合も適切に対処できます。
添付ファイルの場合は職場のルールに従い送付
資料を添付ファイルで送る際は、送る側も受け取る側も企業によってルールがあるため注意が必要です。このあと説明しますが、セキュリティ対策で暗号化システムを導入していたり、容量をかなり制限していたりすることが多々あります。
職場によっては添付ファイルは推奨されず、ストレージサービスなどを活用していることも。「どのようにお送りしましょうか」などと、事前に確認しておくと安心です。
PPAP問題に注意
少し前まで、いわゆるPPAPを推奨する職場も多くみられました。PPAPとは、添付ファイルを暗号付きZIPファイルに圧縮してメールに添付・送信し、暗号化を解くパスワードを別メールで送るという方法のことです。
しかし現在では、セキュリティに問題があるとして、この方法を取りやめる企業も増えています。PPAPの代替手段は一般的にはストレージサービスなどがありますが、企業のルールを確認して従いましょう。
添付ファイルのサイズに注意
添付ファイルの容量にも注意が必要です。容量が大きくなるにつれ、相手がメールを受信する時間がかかり、場合によっては送れないこともあります。また1つずつのファイルの容量は小さくとも、3つ以上を同時に送る際などはZIPファイルにまとめましょう。相手が1つずつダウンロードする手間が省けます。
10MBを超えるなど大きな容量を一度に送る際は、ストレージサービスを利用することをおすすめします。先方にどう送ればよいのかを確認しましょう。
【社外向け】送付メールの例文
では具体的に、送付メールはどのような文面にすればよいのでしょうか。ここからはシーン別に、送付メールの例文をいくつか紹介します。送付メールは定型化できるため、以下の例文を参考に何パターンかテンプレートを作っておくと便利です。
取引先(社外)への商品送付連絡
件名:【注文番号XXXX】商品発送のご連絡
田中太郎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社DEFの稲葉です。
この度は弊社の商品をお買い上げくださり、ありがとうございます。
ご注文の商品につきまして、本日発送いたしましたのでご連絡を差し上げました。
・注文番号:
・送付先住所:
・送付先:
・商品名:
・請求額:
・発送日:
・お問い合わせ番号:
商品の配送状況は、以下のURLよりお問い合わせ番号を入力してご確認ください。
お問い合わせ先URL:
商品の配送状況の件でご不明な点がございましたら、このメールの返信にてお問い合わせくださいませ。
今後ともご愛顧くださいますよう、何卒お願い申し上げます。
取引先(社外)への契約書送付メール例
件名:【株式会社DEF】発注書送付のご案内
田中太郎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社DEFの稲葉です。
本日、◯◯(商品名)の契約書類を
発送いたしましたのでご連絡を差し上げました。
・送付書類:◯◯の契約書 三部
返信用封筒 一部
・送付先住所:
・送付先:
・発送日:
・お問い合わせ番号:
配達状況は、以下のURLよりお問い合わせ番号を入力してご確認ください。
お問い合わせ先URL:
ご不明な点がございましたら、このメールの返信にてお問い合わせくださいませ。
何卒お願い申し上げます。
取引先(社外)への申込書送付メール例
件名:【株式会社DEF】申込書送付のお知らせ
田中太郎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社DEFの稲葉です。
先日お見積りいただきました◯◯(商品名)について、
本日、お申込書を発送いたしましたのでご連絡を差し上げました。
・送付書類:◯◯の申込書
・送付先住所:
・送付先:
・発送日:
・お問い合わせ番号:
配達状況は、以下のURLよりお問い合わせ番号を入力してご確認ください。
お問い合わせ先URL:
ご不明な点がございましたら、このメールの返信にてお問い合わせくださいませ。
何卒お願い申し上げます。
取引先(社外)への請求書送付メール例
件名:【株式会社DEF】請求書送付のご案内
田中太郎様
いつも大変お世話になっております。
株式会社DEFの稲葉です。
本日、請求書を発送いたしましたのでご連絡を差し上げました。
・注文番号:
・送付書類:◯◯の請求書 一式
・送付先住所:
・送付先:
・発送日:
・お問い合わせ番号:
配達状況は、以下のURLよりお問い合わせ番号を入力してご確認ください。
お問い合わせ先URL:
※恐れ入りますが、本請求のお振込手続きを◯年◯月◯日までにお済ませくださいますようお願い申し上げます。
ご不明な点がございましたら、このメールの返信にてお問い合わせくださいませ。
何卒お願い申し上げます。
取引先(社外)へ資料共有連絡(ストレージサービス経由)
正確には添付ファイルではないですが、ストレージサービスの使用は今後増えると見込まれますので紹介します。
件名:【資料共有】弊社システムの取扱説明書共有の件
株式会社ABC 経理部経理課 山田洋子様
いつも大変お世話になっております。 株式会社DEFの稲葉です。
山田様からご依頼頂いていました弊社システムの取扱説明書につきまして、オンラインストレージサービス●●にて共有いたしました。
以下の情報を利用してアクセスいただけますと幸いです。
・ダウンロードURL: (共有ファイル名:弊社システム取扱説明書Ver19.pdf)
ファイルのダウンロードでご不明な点がございましたら、このメールにお問い合わせくださいませ。
今後とも引き続きよろしくお願いします。
送付メールを受け取ったときの返信
件名:Re:Re:商品サンプル発送のお知らせ
株式会社DEF 山田様
お世話になっております。
商品企画部の田村です。
表題の件、早々に発送してくださり、ありがとうございます。
無事に到着しまして内容を確認いたしました。
まずは拝受のお礼にとご連絡を差し上げました。
それでは、引き続きよろしくお願いします。
【社内向け】送付メールの例文
ここからは社内向けの送付メールの例文を紹介します。
上司(社内)への添付ファイル送付
件名:【資料添付】見積書送付の件
経理部 熊本部長
お疲れ様です。
経理部経理第1Gの富山です。
ご依頼頂きました見積書を作成しましたので、添付ファイルにて送付いたします。
添付ファイルを開くためのパスワードは、追ってご連絡を差し上げます。
(添付ファイル:見積書.pdf)
納期や見積もりでご不明な点がありましたら、折り返しご連絡ください。
それでは、引き続きよろしくお願いします。
社内への議事録ファイル添付時の送付メール例
件名:【議事録】◯月◯日開催の△△企画会議について
関係者各位
お疲れ様です、企画部の◯◯です。
◯月◯日の企画会議の議事録を添付ファイルにて送付いたします。
今回の会議の概要は下記の通りです。
議題:
決定事項:
今後の予定:
補足事項:
お忙しいところ恐れ入りますが、添付の議事録より詳細をご確認いただけますと幸いです。
何卒宜しくお願いします。
【就活・転職向け】履歴書を添付する場合の送付メール例
就職・転職活動時に、企業から履歴書送付を求められたシチュエーションでのメール例を紹介します。
件名:履歴書ご送付の件(田中太郎)
株式会社◯◯採用ご担当者様
お世話になっております。田中太郎です。
先日ご依頼いただきました履歴書と職務経歴書をお送りいたします。
お手数をおかけし恐縮ですが、下記URLよりダウンロードいただけますと幸いです。
▼ダウンロードURL
https://●●●●●●●●●●●●●●
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
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氏名
郵便番号
住所
電話番号
メールアドレス
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送付メールの英語表現
送付メールでよく使う英語の例文は以下のとおりです。
・I have prepared a quotation and will send it to you as an attachment.
(見積書を作成しましたので、添付にて送付いたします)
・Your order has been shipped today, please wait for a while.
(ご注文の商品につきまして、本日発送いたしました。もうしばらくお待ちください)
・The user manual has been shared with the online storage service ●●.
(取扱説明書につきまして、オンラインストレージサービス●●にて共有いたしました。)
送付メールは基本マナーと職場のルールに従って送信しよう
送付メールについての説明と、添付ファイルを送る際のマナーについて紹介しました。添付ファイルを送付する際は、自身の職場だけでなく先方の職場にも決められたルールがあるかもしれません。何も分からずやみくもに送るのではなく、「どのようにお送りしましょうか」と事前に聞いておくとよいでしょう。