JR東日本は7日、場所・時間にとらわれない多様な働き方とくらしの実現に向け、JR北海道と連携し、東北・北海道新幹線「はやぶさ」で新幹線オフィスの実証実験第2弾を実施すると発表した。期間は6月14日から7月16日まで(土休日を除く)を予定している。

  • 前回の実証実験の様子(JR東日本提供)

第2弾となる新幹線オフィスの実証実験では、東北・北海道新幹線「はやぶさ」の全列車(1日あたり上下計60本)の1号車を「リモートワーク推奨車両」とし、始発駅から終着駅までの区間で新幹線オフィスを設定。通常、新幹線の座席では携帯電話等での通話を遠慮してもらっているが、「リモートワーク推奨車両」は座席でのウェブ会議や携帯電話等による通話が可能となる。

協賛企業と連携し、一部列車で新幹線車内でのリモートワークをより快適にするツールの貸出しも実施。KDDIからは快適な通信環境でリモートワークを行えるWi-Fiルーター、パナソニック・システムソリューションズ・ジャパンからは新幹線の走行音などを低減するウェアラブル端末「WEAR SPACE」と、骨伝導方式でクリアな音声コミュニケーションを実現する「骨伝導ヘッドセット」、エプソン販売からはPCのサブモニターとして利用できる高精細なスマートグラス「MOVERIO」、ヤマハからは「情報マスキング音」を流すことによって周囲への会話漏れを軽減させるスピーチプライバシーシステム「VSP-2」、伊藤園からは緑茶飲料「抹茶入りお~いお茶」(試供品)が提供される。ただし、各機器等の数には限りがあり、搭載していない列車もある。

  • ウェアラブル端末「WEAR SPACE」(JR東日本提供)

  • 「骨伝導ヘッドセット」(JR東日本提供)

  • スマートグラス「MOVERIO」(JR東日本提供)

デスク環境やパーソナル空間づくりの検討も行われ、JR東日本レンタリースでは、レンタカー車内で仕事をサポートするビジネスキットを無料で貸し出す。コクヨはリモートワーク推奨車両の座席で快適なデスク環境の在り方を研究し、タブレットスタンドとカップホルダーを備えたA3サイズの用紙を横向きに置ける大きさの天板を提供。ドッツアンドラインズは座席の肘掛に取り付けて隣席からの視線を気にせずPC作業に集中できる折りたたみ式のパーテーションを提供する。

実証実験の対象列車は東北・北海道新幹線「はやぶさ」全列車の1号車。必要な乗車券類(乗車券・新幹線特急券など)を購入し、対象列車に乗車することで「リモートワーク推奨車両」を利用でき、追加料金は発生しない。ただし、「リモートワーク推奨車両」の席予約は行っておらず、満席の場合は利用できない。