「ありがとうこざいます」は感謝の気持ちを表す言葉として日常的に使いますが、「ありがとうございました」との使い分けや意味の違いを気にすることは少ないでしょう。
また、目上の人への正しい使い方や意味、敬語表現などについて紹介します。
目上の人に「ありがとうございます」を使う場合のポイント
「ありがとうこざいます」は感謝の気持ちを表す言葉として日常的に使いますが、「丁寧語」で「尊敬語」ではないため目上の人に対しては「誠にありがとうございます」という使い方をするのがポイントです
敬語表現を使った事例
- 「チャンスを与えていただき、誠にありがとうございます」
- 「本日はご招待いただき誠にありがとうございます」
- 「その節はご配慮いただき、誠にありがとうございました」
- 「昨年中は大変お世話になりました。本当にありがとうございました」
「ありがとうございます」を「有難う御座います」のように漢字で書いても間違いではありません。ただし、「こんにちは」を「今日は」と漢字で書くケースが少ないのと同様に、「有難う御座います」を漢字で表記するのは一般的ではないと覚えておきましょう。
「ありがとうございます」の言い換え表現
ビジネスシーンでは「ありがとうございます」以外にも、さまざまな表現で感謝の気持ちを伝えます。相手への敬意を示しながらスマートに感謝の気持ちを伝えるためにも、「ありがとうございます」の言い換え表現を覚えておきましょう。
■感謝いたします
「感謝いたします」は、ありがたいという気持ちを表す「感謝」に「いたします」という謙譲語が付いた言葉です。
- 「本日はご協力いただき感謝いたします」
- 「素早いご対応感謝いたします」
また、目上の相手や取引先には「心より」や「お心遣い」を付けるた形にすることでより丁寧な表現になります。
- 「心より感謝いたします」
- 「お心遣い感謝いたします」
■心より感謝申し上げます
「申し上げる」は「言う」の謙譲語なので、目上の人にも「感謝申しあげます」のようにして使えます。より丁寧な表現をしたい場合は「心より感謝申し上げます」や「深く感謝申し上げます」を使うといいでしょう。
- 「ご配慮いただき心より感謝申し上げます」
- 「関係者の皆様に深く感謝申し上げます」
■厚く御礼申し上げます
「厚く御礼申し上げます」も目上の人にも使える敬語表現です。日常会話で使うケースはほとんどありませんが、ビジネスメールや年賀状、暑中見舞いなどで感謝の気持ちを述べたいときに用いられます。
- 「この度はご協力いただき、厚く御礼申し上げます」
- 「お忙しい中ご来社いただきましたこと、厚く御礼申し上げます」
■拝謝申し上げます
「拝謝(はいしゃ)」は「感謝」の謙譲語です。「拝礼して感謝の言葉を申し上げる」という意味合いがあるため、目上の人に対して深い感謝の気持ちを示したいときに使います。
基本的に口語では使わず手紙などの書き言葉として用いるため、使用シーンを間違えて大袈裟な表現にならないように気をつけましょう。
- 「ご了承いただき拝謝申し上げます」
- 「平素は格別のご高配を賜り拝謝申し上げます」
「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の違い
「ありがとうございます」は、現在形のお礼の表現です。「本日もご来店いただきましてありがとうございます」のように、今現在来店しているお客さんに対してお礼の気持ちを述べるときなどに使います」
一方、「ありがとうございました」は、過去の出来事に対するお礼の表現方法です。「先日は丁寧なご対応ありがとうございました」 のように、すでに起きたことに対する感謝の気持ちを述べたいときに使います。
ただし、シーンによっては過去の出来事に対して「ありがとう」を用いることもあります。たとえぱ、かかってきた電話に対応する場合は「お電話ありがとうございました」よりも「お電話ありがとうございます」といった方が自然です。
何かをしてもらった直後も「ありがとうございます」の方が自然でしょう。しかし、多くの人は「ありがとうございました」の方が正しいと思っています。これは、「ありがとうございました」が会話の区切りに使われているからだと考えられています。
「ありがとうございます」の外国語表記
各国語の「ありがとうございます」を紹介します
- 英語:(サンキュー)
- 中国語:(シェシェ)
- 韓国語:(カムサハムニダ)
- フランス語:(メルシー)
- イタリア語:(グラッツェ)
「ありがとうございます」を正しく使って感謝の気持ちを伝えよう!
「ありがとうございます」は現在形のお礼表現、「ありがとうございました」は過去の出来事に対するお礼の表現として適切に使い分けることが大切です。
なお、「ありがとうございます」は尊敬語ではないので、目上の人には「感謝いたします」などの敬語表現を使って失礼のないようにしましょう。さまざまな表現を知っておけば、感謝の気持ちをスマートに表現できます。