女優の羽田美智子が、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『#コールドゲーム』(5日スタート、毎週土曜23:40~ ※初回は24:10~)の見どころなどを語った。

マイナス45℃の氷河期に覆われた地球を舞台に、前科2犯の天才詐欺師・木村祥子(羽田)が、大輝(結木滉星)、陽菜(久間田琳加)、隆(やす)の偽装家族の母親として過酷な日々を戦い抜く同ドラマ。祥子の決めゼリフは「トラストミー、私を信じて」だ。

  • 『#コールドゲーム』に主演する羽田美智子=東海テレビ提供

――木村祥子役、とても面白い役と感じられているそうですね。祥子の魅力をうかがいたいです。

私、どこか祥子が、『遠山の金さん』みたいに思えていて。悪であり、善でもあります。やっていることはもしかしたら悪かもしれないけど、基本的には善の人だと思いますし、人情派。表現方法としては、「大丈夫?」と優しく言うのではなく、「そんなの舐めておけば大丈夫だよ!」と言うような、きっぷのいい優しさの人です。

また、どん底を味わった人の強さというのを、祥子から教えてもらっている気がしています。底辺を知ると人は過度な期待もしないし、自分がどう生きていこうかと考えるだけだから、すごくシンプルに物事を考えられるところも彼女の魅力だと思います。

――祥子は前科2犯の天才詐欺師。「詐欺師役に憧れていた」とコメントされていたのは、なぜですか?

詐欺師の女性の話をニュースで見て、この人がこんな多くの人をだます背景には、いったい何があるんだろう?と考えた時に、詐欺師の役ってきっと面白いだろうなと感じたんです。きっとその詐欺師には心の隙間を埋めるような魅力や率直さとか、絶対騙すというストーリーがあっても、相手といる時には100パーセントのピュアな愛もあるのかなとか。『ルパン三世』の峰不二子さんとか、だますとわかっていても、いつもルパンを魅了していますし、どこか憎めない。祥子も素直に生きていて、図々しくて自分の要求は通すところもありますが、とても魅力的な人。正義感があって、しかも有言実行の人だから、やっていて楽しいんです。

――今まであまり経験していない、新鮮だと思うシーンはありましたか?

私は比較的、何をやっても不器用という役のほうが多いのですが、祥子は何をやっても器用で、何でもできてしまう完璧な人です。得意げに、「私、できるでしょう?」みたいな顔をしている時はとても面白いです。

――台本をお読みになった感想をお聞かせいただけますか?

避難所での日常は、限られた食べ物や一枚の毛布の大切さなどサバイバル状態。その中で祥子の生きる事への執着、パワーは勇気をもらえます。 去年の『隕石家族』の時は、撮影が終わった後に新型コロナ感染症が世界中に蔓延しました。台本上は奇想天外でしたが、現実的にそういうことが起きて、急に皆マスクをつけるようになったり、物の価値が変わってきたり、現実感が出てきてしまったなと思ったものです。

今回の『#コールドゲーム』では、氷河期での避難所が舞台になっていて、今も世界中で大きな台風や火事、洪水などがあって、避難所で暮らすことが結構日常化していると思うこともあります。「あなたは、何もない状態から生き延びられるのか?」というテーマを台本からも突き付けられているような気がして、どんな状況でも寝て食べて生きる力というのが、これから本当に必要な時代が来てしまうのかもしれないと考えると、とても怖くなりました。ちょっと今、疑似体験をしている感じもあります。1個のじゃがいもから野菜を育てる男性たちがすごいとか、自転車を漕いでエネルギーを供給したりとかね。

避難者が「缶詰じゃないお肉が食べたい」と要望した時に祥子が言った、「どこに豚や鶏がいるんです?」(第1話)というセリフがとても好きでした。人間がかろうじて生きている世界で、家畜なんてどこにいるのよと。そしてこんなに危機的な状態に相反する人間のぬるさというか、そんな感じもリアルでおかしくもあり、いいセリフだと思いました。そういうなんてことないセリフも満載で、物語に効いてくるんです。

――偽装家族として暮らす、木村家の皆さんについても伺いたいです。

実は、隆さん(やす)、大輝(結木滉星)も、陽菜(久間田琳加)もみんな大人で、結構一人の世界を持っているような感じがします。でも木村家って、ギャーギャー騒ぐシーンが多くて、撮影が進むにつれて、みんなが心の扉を開いていき、今は気づくといつも4人で固まっていて、ちゃんと家族になった気がします。

――羽田さんがいらっしゃらない日は、「お母さんいないね」って、皆さん寂しくなってしまうそうです。

嬉しいです。家族の定義も考えさせられますよね、血のつながりって何だろうとか。祥子には血のつながりのある息子がいますが、その息子は育ててくれた人を、「お母さん」って言うんです。「人の根源って、何?」という事もこのドラマはえぐっている気がします。木村家は偽装家族ですが、一緒にいる間にみんなの情が移り合って、ドラマとしても、私たち役者としても、ストーリーが並行している感じがします。

――やすさんが、「ドラマ経験の少ない僕に恥をかかせないよう、さりげなくレクチャーしてくれる」と感謝していました。

やすさん、なんか可愛くて。「どうやって泣けばいいんですか?初めてなんですよ、泣けるかな」って聞いて来られたので、「今から家族のシーンの時にたくさん妄想でドラマを作っておくといいですよ」と言ったら、「今、聞いていたら泣けてきました」って(笑)。あんなに素直な大人っているんだなって思いました。可愛らしくて、ついお節介を焼きたくなるようなタイプの方です。

――祥子は息子に会うことが生きる目標ですが、羽田さんのパワーの源、生きるエネルギーになっているものは?

自分を笑顔にすることと、誰か1人でもいいから、出会った人が笑顔になったらそれだけでいいのかも。それが私の指針なのかもしれないです。究極は愛なんじゃないでしょうか。

――視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

設定は奇想天外のドラマですが、未来の私たちに警鐘を鳴らすようなテーマがあると思います。人間が極限までいった時に、今の社会情勢とオーバーラップして考えたり、この小さい避難所が独立国家になろうともしていて、人間のおぞましさも描かれています。普遍的な人間の持つ善や悪が、非常時にはひっくり返ることもあり、このドラマは逆さメガネだと思います。

いろんなからくりがふんだんに入っていて最後に解き明かされるという、とてもチャレンジングなドラマです。完全オリジナル作品で、ホームドラマでもSFでもない、カテゴライズできない魅力がたくさん詰まっています。絶対に面白いから、トラストミー、私を信じて、このドラマを観て!

――木村祥子役、とても面白い役と感じられているそうですね。祥子の魅力をうかがいたいです。

私、どこか祥子が、『遠山の金さん』みたいに思えていて。悪であり、善でもあります。やっていることはもしかしたら悪かもしれないけど、基本的には善の人だと思いますし、人情派。表現方法としては、「大丈夫?」と優しく言うのではなく、「そんなの舐めておけば大丈夫だよ!」と言うような、きっぷのいい優しさの人です。

また、どん底を味わった人の強さというのを、祥子から教えてもらっている気がしています。底辺を知ると人は過度な期待もしないし、自分がどう生きていこうかと考えるだけだから、すごくシンプルに物事を考えられるところも彼女の魅力だと思います。

――祥子は前科2犯の天才詐欺師。「詐欺師役に憧れていた」とコメントされていたのは、なぜですか?

詐欺師の女性の話をニュースで見て、この人がこんな多くの人をだます背景には、いったい何があるんだろう?と考えた時に、詐欺師の役ってきっと面白いだろうなと感じたんです。きっとその詐欺師には心の隙間を埋めるような魅力や率直さとか、絶対騙すというストーリーがあっても、相手といる時には100パーセントのピュアな愛もあるのかなとか。『ルパン三世』の峰不二子さんとか、だますとわかっていても、いつもルパンを魅了していますし、どこか憎めない。祥子も素直に生きていて、図々しくて自分の要求は通すところもありますが、とても魅力的な人。正義感があって、しかも有言実行の人だから、やっていて楽しいんです。

――今まであまり経験していない、新鮮だと思うシーンはありましたか?

私は比較的、何をやっても不器用という役のほうが多いのですが、祥子は何をやっても器用で、何でもできてしまう完璧な人です。得意げに、「私、できるでしょう?」みたいな顔をしている時はとても面白いです。

――台本をお読みになった感想をお聞かせいただけますか?

避難所での日常は、限られた食べ物や一枚の毛布の大切さなどサバイバル状態。その中で祥子の生きる事への執着、パワーは勇気をもらえます。

去年の『隕石家族』の時は、撮影が終わった後に新型コロナ感染症が世界中に蔓延しました。台本上は奇想天外でしたが、現実的にそういうことが起きて、急に皆マスクをつけるようになったり、物の価値が変わってきたり、現実感が出てきてしまったなと思ったものです。

今回の『#コールドゲーム』では、氷河期での避難所が舞台になっていて、今も世界中で大きな台風や火事、洪水などがあって、避難所で暮らすことが結構日常化していると思うこともあります。「あなたは、何もない状態から生き延びられるのか?」というテーマを台本からも突き付けられているような気がして、どんな状況でも寝て食べて生きる力というのが、これから本当に必要な時代が来てしまうのかもしれないと考えると、とても怖くなりました。ちょっと今、疑似体験をしている感じもあります。1個のじゃがいもから野菜を育てる男性たちがすごいとか、自転車を漕いでエネルギーを供給したりとかね。

避難者が「缶詰じゃないお肉が食べたい」と要望した時に祥子が言った、「どこに豚や鶏がいるんです?」(第1話)というセリフがとても好きでした。人間がかろうじて生きている世界で、家畜なんてどこにいるのよと。そしてこんなに危機的な状態に相反する人間のぬるさというか、そんな感じもリアルでおかしくもあり、いいセリフだと思いました。そういうなんてことないセリフも満載で、物語に効いてくるんです。

――偽装家族として暮らす、木村家の皆さんについても伺いたいです。

実は、隆さん(やす)、大輝(結木滉星)も、陽菜(久間田琳加)もみんな大人で、結構一人の世界を持っているような感じがします。でも木村家って、ギャーギャー騒ぐシーンが多くて、撮影が進むにつれて、みんなが心の扉を開いていき、今は気づくといつも4人で固まっていて、ちゃんと家族になった気がします。

――羽田さんがいらっしゃらない日は、「お母さんいないね」って、皆さん寂しくなってしまうそうです。

嬉しいです。家族の定義も考えさせられますよね、血のつながりって何だろうとか。祥子には血のつながりのある息子がいますが、その息子は育ててくれた人を、「お母さん」って言うんです。「人の根源って、何?」という事もこのドラマはえぐっている気がします。木村家は偽装家族ですが、一緒にいる間にみんなの情が移り合って、ドラマとしても、私たち役者としても、ストーリーが並行している感じがします。

――やすさんが、「ドラマ経験の少ない僕に恥をかかせないよう、さりげなくレクチャーしてくれる」と感謝していました。

やすさん、なんか可愛くて。「どうやって泣けばいいんですか?初めてなんですよ、泣けるかな」って聞いて来られたので、「今から家族のシーンの時にたくさん妄想でドラマを作っておくといいですよ」と言ったら、「今、聞いていたら泣けてきました」って(笑)。あんなに素直な大人っているんだなって思いました。可愛らしくて、ついお節介を焼きたくなるようなタイプの方です。

――祥子は息子に会うことが生きる目標ですが、羽田さんのパワーの源、生きるエネルギーになっているものは?

自分を笑顔にすることと、誰か1人でもいいから、出会った人が笑顔になったらそれだけでいいのかも。それが私の指針なのかもしれないです。究極は愛なんじゃないでしょうか。

――視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

設定は奇想天外のドラマですが、未来の私たちに警鐘を鳴らすようなテーマがあると思います。人間が極限までいった時に、今の社会情勢とオーバーラップして考えたり、この小さい避難所が独立国家になろうともしていて、人間のおぞましさも描かれています。普遍的な人間の持つ善や悪が、非常時にはひっくり返ることもあり、このドラマは逆さメガネだと思います。

いろんなからくりがふんだんに入っていて最後に解き明かされるという、とてもチャレンジングなドラマです。完全オリジナル作品で、ホームドラマでもSFでもない、カテゴライズできない魅力がたくさん詰まっています。絶対に面白いから、トラストミー、私を信じて、このドラマを観て!