東京メトロは2日、半蔵門線の新型車両18000系の報道公開を実施した。営業デビューは2021年8月の予定。半蔵門線で約40年にわたり活躍してきた8000系をすべて置き換え、2025年度までに計190両(10両編成×19編成)を搬入完了予定としている。
新型車両18000系は日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)で製造され、昨年10月に18101編成(1号車から「18101」~「18001」)が輸送された。現在は2編成が搬入済みとのこと。今月から乗務員訓練を行い、日中の営業時間中に試運転を開始するとの説明もあった。
外観においては、半蔵門線で活躍する8000系と08系の端正な表情を受け継ぎ、直線的なヘッドライトを採用することで、親しみやスタイリッシュさを感じられるデザインとした。半蔵門線の路線カラーであるパープルを使い、車体前面および側面上部、窓下に濃淡2色のラインを配している。
車内はオールロングシート。インテリアは半蔵門線の路線カラーの色彩に同調させ、明るさや活気を感じさせる車内空間となった。座席幅は460mmに拡大(8000系は430mm)され、座席表地に消臭・抗菌・抗ウイルス加工を施している。車内の開放感を高めるため、座席横の仕切りや荷棚、連結面に透明な強化ガラスを採用。床面高さを1,140mmに低減(8000系は1,200mm)し、ドア出入口下部をホーム側に約10度傾斜させた形状とすることで、車両とホームの段差低減を図った。
フリースペースは全車両に設置。車外からの視認性向上のため、フリースペースを設けた車端上部にサインを掲出している。車いす・ベビーカー利用者の乗降性向上のため、フリースペース付近のドアレールに切欠き加工も行った。
安全・安定性の向上も図り、車両内にセキュリティカメラを搭載。「車両情報監視・分析システム(TIMAシステム」を導入し、走行する18000系の機器状態を総合指令所や車両のメンテナンスを行う部署から遠隔でモニタリングできる。脱線検知装置を搭載し、万が一の脱線時にも自動で列車を停止させることが可能に。環境負荷低減のため、高効率な永久磁石同期電動機(PMSM)とシリコンカーバイド(SiC)素子を利用した制御装置を採用。8000系と比べて消費電力量を削減させている。