今年でデビュー56年を迎え、先日には75歳の誕生日を迎えた歌手の美川憲一。インスタグラムやブログを精力的に更新して話題を集め、そのキャリアや年齢を感じさせない活動を展開している。
5月31日から6月4日には、tvk(テレビ神奈川)の音楽情報バラエティ番組『関内デビル』(毎週月~金曜23:30~)にゲスト出演。同局への出演はこれが初めてだというが、これも新たなチャレンジに臨む気持ちで出演を決めたという。
いつまでも衰えないバイタリティの秘けつとは――。
■「若い人に声かけられるようになったの」
美川がインスタを始めたのは、2019年11月。ファッショナブルな衣装や共演者とのショットのほか、従来のイメージと異なるユニークなものまで、バラエティに富んだ写真を次々に載せているが、「どっちかと言うと面倒くさがり屋だから、最初は嫌だったの」という。
それが、いざ始めてみると「楽しくなってきちゃって。みんなからコメントがいっぱい来るじゃないですか。『今日の洋服いいです』とか『元気もらいました』とか、それを見るのが楽しいのよ」と、すっかりハマってしまったそうだ。
さらに、昨年9月にはブログを開設。タイトルはすべて「○○よ~」とおなじみの口調で統一され、フォロワー数は27万人に達した。「街を歩いてたりすると、若い人に声かけられるようになったの」と、ファン層も広がっている。
インスタもブログも、投稿内容は「思いつきです」とのこと。「面白いことがあったら載せるの。今はなるべく密にならないところに行って、ちょっと写真に撮るようなことがあれば、それを載せるという感じですね」と意識している。
最近では、投稿内容がネットニュースに取り上げられることも。自身のものまねをするチョコレートプラネット・松尾駿との2ショットも話題になったが、「習字を書いたのがニュースになったりするんだから。ファッションとかもニュースになってるのを見ると、あらぁ~面白いわねぇって思います」と、様々な内容が取り上げられることを楽しんでいる様子だ。
■「しぶとく生きる」をモットーに
そんなブログのタイトルになっている「しぶとく生きる」は、美川のモットーとしている言葉。
「コンサートの最後の方でね、『今日は皆さんありがとうございました』って挨拶するんだけど、そのときに『今日はご夫婦でいらっしゃってる方もいますし、ご主人を亡くされて奥さん1人の方も、奥さんが亡くなられてご主人1人の方もいらっしゃると思いますけど、必ずいつかは人生の幕を下ろすときが来ますよね。やっぱり悔いのないように少しでも長く生きたいけど、あっという間に衰えちゃうから、しぶとく生きなきゃダメよ』って言ったら、みなさんが『すごく励まされて元気になりました』と喜んでくださったんですよ。じゃあこれを使おうということで、ブログのタイトルにしたんです」
この言葉が、いつまでも変わらない若さの秘けつになっているのか、今まで全く病気をしたことがないという。
「3年前、不注意で脚を骨折したくらいで、そのときは入院しましたけど、4日目には出てきて、6日目には立って、仕事でブラジルまで行きましたから(笑)。ブラジル日本移民110周年のコンサートで行ったんですけど、車いすで飛行場に行くと、優先的に降ろしてくれるじゃないですか。これ、癖になっちゃったらダメだわと思って、ステージでは車いすに乗らないで、客席にも歩いていったんですよ」
■YouTubeにもチャレンジ「面白そうなのよ」
インスタ、ブログだけでなく、新たなツールに好奇心が止まらない美川。『関内デビル』の収録では「TikTokで『さそり座の女』がバズってるのよね。『え~こんな人たちが歌ってるんだ!ってびっくりしちゃった」と話し、メルカリを活用してファッションアイテムを購入いることも明かした。今度はYouTubeにもチャレンジする予定だといい、「自分のアイデアがあるので、面白そうなのよ」と意欲を示す。
こうしたツールで若い世代とコミュニケーションすることで、若いパワーをもらえるのかを聞いてみると、「いくら若作りして、自分が若いと思っても、歳には勝てないところもあるじゃないですか。それを見せないようにするのは、やっぱり大変ですよ(笑)」と謙そんしながら、「そんなに私のパワーは簡単になくなるもんじゃないの(笑)」と、まだまだ衰えないエネルギーを覗かせていた。
●美川憲一
1946年、長野県生まれ。65年に歌手デビューし、翌年「柳ヶ瀬ブルース」が大ヒット。ほかにも「さそり座の女」などのヒット曲を持ち、80年代後半にはコロッケのものまねで再びブレイク。『NHK紅白歌合戦』では小林幸子との豪華衣装合戦も話題となった。近年はインスタグラム、ブログでの情報発信も行っている。6月23日に中野サンプラザホールで開催予定だった「美川憲一コンサート2021」は新型コロナウイルス感染拡大防止、緊急事態宣言延長により、9月8日に延期することが決定した。
【美川憲一 オフィシャルサイト】
http://kenichimikawa.com/mk/
【美川憲一 オフィシャルブログ】
https://ameblo.jp/kenichimikawa-2020/