米NVIDIAが発表した2022年度第1四半期(2021年2~4月期)の業績開示で、売上高が前年同期比84%増加の56億6,000万ドルとなり、過去最高だったことがわかった。ゲーミング、データセンター、プロフェッショナルビジュアライゼーションの各プラットフォームで過去最高の売上高を記録。営業利益・純利益についても前年同期比で倍増している。
特にゲーミング部門の成長は極めて大きかった。同部門の売上高は前年同期比106%増、前四半期比11%増加の27億6,000万ドルに上り、過去最高を更新した。「GeForce RTX 3050 / 3050 Ti Laptop」や、「GeForce RTX 3060 Laptop」を展開してエントリー向けの製品を拡充した他、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」の好調も牽引。さらに、GeForce RTX 3000シリーズがサポートする機能「NVIDIA DLSS」がUnreal Engine 4に対応し、Unityでも近く対応を予定する。NVIDIA Reflexなどの各種新機能が多くのゲームタイトルに組み込まれていくことで、より“RTXの勢いが加速し続けている”という。
データセンター向け事業でも過去最高の売上高となる20億5,000万ドルを計上。売上高は前年同期比79%増加し、前四半期比8%増加した。新しいプロダクトを数多く展開しており、ArmベースのCPU「NVIDIA Grace」や、よりデータセンター内での運用に特化した「NVIDIA BlueField-3 DPU」を発表。ソリューションとしては、クラウドネイティブなスーパーコンピューター「DGX SuperPOD」などを展開した他、セキュリティ向けフレームワーク「NVIDIA Morpheus AI」、対話型AI「NVIDIA Jarvis」、ビデオフレームワーク「NVIDIA Maxine」などをリリース。創薬ワークフローを加速するパートナーシップの締結や、スーパーコンピューターの構築など、データセンター向け事業でも大きな進展が見られたとしている。
プロフェッショナルビジュアライゼーションでは、「NVIDIA Omniverse Enterprise」のリリースなどにより、売上高は過去最高の3億7,200万ドルに到達。BMWなどが早期顧客として参画している。一方、オートモーティブ分野の売上高は前年同期比1%減の1億5,400万ドルとなり、同水準を維持したかたち。この他、「NVIDIA DRIVE Atlan」や、自動運転車両のプラットフォーム「NVIDIA DRIVE Hyperion 8」を発表しており、2025年に製造される車両をターゲットに開発を進めているとしている。
なお、NVIDIAは開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2021に参加しており、日本時間6月1日14時からオンライン上で発表を実施する。GeForce部門シニアバイスプレジデントのJeff Fisher氏などが登壇することから、新しいGeForce GPUの発表が期待される。配信はYouTubeとTwitchで視聴できる。