パーソルHDは5月28日、「シニア従業員とその同僚の就労意識に関する定量調査」の結果を発表した。調査は1月6日〜12日、50〜60代のシニア従業員3,000名(うち正社員2,409名)、および20代〜40代の若手従業員3,000名(性年代均等割付)を対象にWEBで行われた。

  • 定年後再雇用者の年収・職務の変化

    定年後再雇用者の年収・職務の変化

定年後再雇用による年収の変化について聞いたところ、「定年前とほとんど変わらない」が8%、「定年前より上がった」人は2.2%と、約9割の人の年収が下がっていることが明らかに。また、定年後再雇用で働いている人は全体平均で年収が44.3%も下がっており、さらに、50%程度下がった人は22.5%、50%より下がった人は27.6%と、再雇用者のうち約5割の人は年収が半分以下になっていることがわかった。

再雇用者の職務の変化については、過半数の人が「ほぼ同様の業務」と回答。しかしながら、その年収は平均で39.3%下がっており、同一労働同一賃金やシニア人材のモチベーションの観点から問題であることが浮き彫りとなった。

  • シニア人材の処遇に対する不公平感

    シニア人材の処遇に対する不公平感

次に、シニア人材の処遇に対する不公平感について質問したところ、20代の約30%、30代の約27%が「シニア社員が給料をもらいすぎていると思う」「シニア社員が成果以上に評価されていると思う」と回答。その割合は年代が上がるに連れ低くなる傾向が見られ、60代では12%程度だった。

また、シニア人材の働き方が若手社員に与える影響をみると、シニア人材がどのような業務を行っているか分からない「仕事の不透明さ」がある職場では、ない職場に比べて転職意向が25.5ポイント高く、シニア人材が「疎外された状況」にある職場では、ない職場に比べて転職意向が26.1ポイント高かった。

  • 働き続けたい年齢

    働き続けたい年齢

さらに、シニア人材向けの教育や研修の実施状況について聞くと、約5割が「実施されていない」ことが明らかに。また、約3割が「実施されているが、充実していない」と回答する結果に。

いつまで働き続けたいかについては、50代に比べて60代の方がより高い年齢まで働きたい傾向が強い一方で、「71歳以上生涯働けるまで」との回答割合は、50代で12.1%、60代で13.1%とほぼ変わらず、70歳まで就業機会が確保されることで、約9割の高齢者のニーズが満たされることが分かった。