アイドルグループ・ジャニーズWESTの神山智洋が、舞台『LUNGS』で初の単独主演を務めることが30日、明らかになった。
同作は2011年の初演以降世界中で上演され続け、「現代戯曲の最高傑作」との呼び声も高い会話劇。2019年には作者ダンカン・マクミランがさらに戯曲をブラッシュアップし、ロンドンのオールドヴィック・シアターにて、マット・スミス、クレア・フォイというスターキャストにより上演され大きな話題を呼び、今回が日本初上演となる。「そろそろ子供をもつべきなのか」という若いカップルが直面する問いを発端に、リアルでシャープな言葉で、スピーディーに男女の会話が展開していく二人芝居となる。
ポップでロックな創作スタイルで脚本・演出ともに高い評価を受ける谷賢一が演出を務め、神山は単独主演・二人芝居ともに初挑戦。舞台には定期的に出演し、2018年の『オセロー』では確かな演技力を魅せ高い評価を得た神山が、2020年8月の『正しいロックバンドの作り方 夏』以来、約1年ぶりの主演を務める。
同作の台本の1ページ目には作者によって「この作品は、素舞台で上演されることを想定している。背景も、家具類も、小道具も一切なく、マイムもしない。衣裳替えもしない。照明変化や音響で、時間や場所の移動を示すことも行わない。」と書かれており、2人の俳優、演出家をはじめとするクリエーションチームの想像力、そして客席の想像力のもとに立ち上がる作品となっている。東京公演は東京グローブ座にて2021年10月、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて11月。
演出:谷賢一 コメント
戯曲を初めて読んだとき、手が震えました。こんなにすごい本があったのか! と。演劇は俳優の演技を通じて、観客が自分の想像力のキャンバスに絵を描いていく芸術です。演者と観客で共に描く絵画なのです。すべての演劇がそうですが、この『LUNGS』は俳優の身体を通じて時間も空間もすべて観客が描き、塗る。演劇の究極の形です。
奇しくも昨年、同じ作者ダンカン・マクミランの作品『エブリ・ブリリアント・シング』を演出・上演して、そのパワーとユーモア、演劇的可能性に圧倒されました。またこうして世界最先端・最高峰の作品に関われることを誇りに思います。主演の神山さんと手を取り合い、息を合わせ、同じ理想を共有し、日本の観客にこの素晴らしい作品を最高の形でお届けしたいと思います。
神山智洋 コメント
単独主演も二人芝居も初めてで日本初上演の作品、お話をいただいたときは「いよいよきたか」と思いましたが、ここまで初めて尽くしを一気にやらせてもらえることは燃えますし、とてもありがたいことだなと感じています。二人芝居は未知数すぎて、ワクワクしている部分ももちろんありつつ、素舞台という絵変わりがないチャレンジングな作品なので、魅せるためには細かいとこまで詰めていかないとと思っていて、稽古期間中は追い詰められているかもしれないです(笑)。
日本初演ということで参考にできるものがないのですが、今後どこかで上演されるときには今回がベースになることもあると思うので、僕たちなりの『LUNGS』を創り上げたいです。
「子供をもつ、もたない」という、今の時代にリアルで身近なテーマを持つ作品です。演出の谷さんともう一人の出演者の方と三人四脚で、スタッフの皆さんにも支えてもらいながら一丸となって、皆さんに楽しんでもらえる、面白いものを創りたいと思います。
僕自身初めて尽くしだからこそ、まずは楽しみながら、せりふの一言一言に想いをこめ、意味を持って伝えられるよう頑張ります!