バカリズムが脚本を手がけ、永野芽郁が主演を務める映画『地獄の花園』が現在公開中だ。OLたちが派閥争いを行っているという設定で、普通のOL生活を送る直子(永野芽郁)が全国のOL達の抗争に巻き込まれていく。広瀬アリス、川栄李奈、大島美幸、勝村政信、松尾諭、丸山智己、遠藤憲一、小池栄子と、クセの強すぎるOL達が集っている。
今回は、そんなキャストの中で「悪魔の朱里」と恐れられるOLを演じた菜々緒にインタビュー。コーンロウ&特攻服という姿で迫力満点だが、実際に撮影でも様々なアイディアを出したという。さらに、多くの女子から「菜々緒様」と憧れられ、最近は修行にも興味を持っているという菜々緒に、作品の話や自身の話を聞いた。
■自分の中にあるヤンキー像を組み込んで…
――『地獄の花園』を知った時には「どんな物語なんだ…?」と不思議に思っていて、試写で観て「ヤンキーものの構造をOLでやっている物語なんだ」と面白さがわかったのですが、菜々緒さんは最初からイメージがついていたんですか?
私は結構すぐイメージがつきました。バカリズムさんが脚本と聞いた時点で『架空OL日記』が思い浮かんだのでピンと来ていましたし、強烈なビジュアルになることも想像がついてました。ただ、まさかコーンロウをやることになるとは思っていなかったですし、大島さんやエンケンさんのビジュアルのパンチの強さもすごかったので、「ここまでやるなんて、バカリズムさんしか考えつかないだろうな」と(笑)。
衣装合わせで自分のビジュアルを見た時に「ちょっとこれ、やりすぎなんじゃないかな」と驚いたんですけど、皆さんの写真を見たときに「意外と埋もれてしまうかも」と思ったので、自分でも案を出させていただいたりもしました。本当に何も考えずに見て楽しんでいただける作品なんじゃないかなと思います。
――これまでに漫画や映画などで触れてきたヤンキーもののイメージはあったんですか?
漫画自体はそんなに読んで来なかったので、中学校の時のヤンキーっぽい感じの子をイメージしたりはしました。自分の中にあるヤンキー像みたいなものを組み込みながら演じていたのですが、性格的なものなのか、すんなり役作りはできました(笑)。
――役に対してアイディアを出されたというのは、どういう点だったんですか?
コーンロウにつけるアクセの案もありましたし、もともと襟足の部分は少なかったんですけど、アクションをやった時にもっと束数が多い方が動いた時に迫力が出るんじゃないかと思いついたので、そこを増やしたりとか。あとはアクション練習の時に髪の毛で攻撃するという案も出ました(笑)。
外見でないところで言うと、皆でご飯を食べるシーンでは、朱里が意外とベジタリアンという裏設定があって、みんなにお肉を渡してるんです。すごく細かいところで優しい女性だったり、頭を張るからこそ仕事もデキる女というところも出したりしていました。あんなに傷だらけになりながら普通にOLさんをやっているのも面白いですよね。なんだか、かわいらしい。
■ふくらはぎの筋肉が理想の美脚
――作中では男性もOLを演じていますが、特にエンケンさんは直近では『バイプレイヤーズ』でも共演されていて、ギャップがすごそうだなとも思いました。
普通にお話しする時は本当にエンケンさん丸出しなので、ビジュアルはすごいのですがいつものエンケンさんでした(笑)。いつもニコニコして「おはよう」と言ってくれて、めちゃくちゃ癒し系キャラです。
――エンケンさんはミニスカートで「美脚だ」ということもすごく話題になっていましたね。
みんなに「美脚ですね」と言われると「だけど、足がつるつるだからハーフパンツはけなくてさ」と毎回の返しがお決まりのワンセットでした(笑)。でも本当にすごい美脚ですよ、程よい筋肉の! 足も長いですし、ガーターベルトもセクシーで、ちょっと嫉妬しました。エンケンさんのふくらはぎの筋肉が綺麗で理想に近いので、私ももう少し筋肉を付けようと思いましたし、エンケンさんの足みたいになれるようにイメージしながらウォーキングしています。
――菜々緒さんが憧れるほどの美脚とはすごいですね。最近は滝行をして修行に興味があるとのことでしたが、何がきっかけだったんですか?
友人が滝行をして「すごく気持ちよかったよ」と言ってたので、私もいずれは行ってみたいなと思って行ったんですけど、ちょっと季節が違ったんですよね……。私はまだ肌寒い時期に行ってしまって、しかも前日に大雨が降って水かさが増えていたので、すごく大変でした。もう自分との戦いでめちゃくちゃ辛くて、命の危険を感じてしっかり滝行ができなかったことに悔いが残っているので、リベンジして、ちゃんと滝に打たれたいです。
――修行をすることによって、なりたい姿があるんでしょうか…?
やっぱり禊ぎというか、邪念や悪いものを落として気合いを入れたいというところがありました。滝行きっかけで「他にどんな修行があるんだろう」と興味が湧いてきました。
■強い人は優しい
――今作には強い女性がたくさん出てきますが、菜々緒さんはどういう強さが憧れですか?
やっぱり、優しい強さが1番大事なんじゃないかな、と思います。強い人は優しいし、優しい人は強い。誰かの弱さや痛みを理解してるからこそ優しくできると思うので、そういうことをわかってあげられる人が1番理想だなと思います。
――菜々緒さん自身が今持っているのはどんな強さでしょうか?
度胸があるというか、色んなことに対して覚悟を決めてやってきたと思うので、そういったものが現れてるのかな?
――「覚悟を決めてやってきた」というのは、自分軸で物事を決めてきたということでしょうか?
そうかもしれないです。自分がなりたいものを明確に持っているので、そうなると、やりたいこともやるべきこともわかるし、結果もついて来るんだと思います。真面目に語っちゃいました(笑)。
■菜々緒
1988 年生まれ、埼玉県出身。2009年より本格的に芸能活動を始め、12年にフジテレビ『主に泣いています』でドラマ初出演。以降ドラマ、映画、雑誌、CM 等幅広く活躍中。 「女性が選ぶ“理想のボディ”ランキング」で5年連続1位を獲得し殿堂入りを果たすなど女性からの支持が高い。近年の出演作品では TBS 火曜ドラマ『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』(21 年/宝来 麗子役)、映画『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』(21年/菜々緒役)など。7月期TBS日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』に蔵前夏梅役で出演が決まっている。