千日手指し直しの末、角換わりの将棋で勝利を収めた
将棋の第6期叡王戦(主催:株式会社不二家)本戦トーナメント2回戦、澤田真吾七段-佐々木大地五段戦が5月26日に東京都「シャトーアメーバ」で行われました。10時に始まった対局は、千日手となり指し直しに。その後14時5分から行われた指し直し局を制したのは佐々木五段でした。佐々木五段は2期連続でベスト4進出となります。
千日手局で先手だったのは澤田七段でした。先手は雁木、後手は矢倉に囲い、仕掛けの糸口を探ったものの、両者手出しができません。結局一度も歩がぶつかることなく、13時35分、60手目に同一局面が4度現れて千日手となりました。
30分の休憩をはさんだ後、14時5分から指し直し局が開始されました。先後が入れ替わって先手番になった佐々木五段は、得意の角換わり早繰り銀を採用。澤田七段は腰掛け銀に構えて迎え撃ちます。
桂銀交換の駒損ながらも馬を作った佐々木五段。馬に押さえ込まれてしまうと攻めの手立てがなくなってしまう澤田七段は、銀を捨てて飛車を成り込んでいきました。
竜を敵陣に作ることに成功した澤田七段に対し、佐々木五段は飛車を世に出すことができません。しかし、この飛車を相手に取らせる間に、馬・桂・と金の攻めを間に合わせる構想が見事でした。
最後は自玉が危なそうに見える局面で、不詰を読み切った佐々木五段。相手玉に対する左右挟撃形を築いて詰めろをかけました。澤田七段はまだ手数を伸ばすこともできましたが、攻防ともに見込みなしとみて、この局面で投了を告げました。
この勝利で佐々木五段は前期に続いてベスト4に進出。来期の本戦シード権を獲得しました。前期は準決勝で豊島将之竜王・名人(当時)に敗れてしまいましたが、今期はどうなるでしょうか。準決勝では渡辺明名人-斎藤慎太郎八段戦の勝者と対戦します。