パナソニックが5月26日に発表したミラーレスカメラの新製品「LUMIX GH5 II」(DC-GH5M2)、Wi-Fiで接続したスマホのモバイル通信(4G、5G)を利用し、高画質な動画のライブ配信が場所を選ばず手軽にできる「無線ライブ配信」が特徴です。カメラにはケーブルを何も接続せずに済み、手軽さはスマホのカメラを使ってライブ配信するのとほとんど変わらないのに、高画質やボケが印象的な一眼画質で配信できるのがポイント。ライブ配信の「難しい」「面倒」「スマホの内蔵カメラだと画質が不満」といった欠点を一掃し、ライブ配信のクオリティを大きく底上げするLUMIX GH5 IIの新機能をいち早く試してみました。
専用のスマホアプリで配信の“面倒”を一掃
LUMIX GH5 IIは、動画クリエイターを中心にヒットした高性能ミラーレス「LUMIX GH5」の後継モデル。サイズや見た目はGH5と変わらないものの、動画機能や手ぶれ補正機構、オートフォーカス性能を一新し、中身はまったくの別物に仕上がっています。
特に注目なのが、新たに無線ライブ配信機能を搭載したこと。GH5 IIと手持ちのスマホをWi-Fiで接続し、スマホの4G/5G通信機能を利用してGH5 IIで撮影した映像をライブ配信する仕組みです。パソコンやキャプチャユニットなどの機器がいらず、スマホとケーブルで接続する必要さえないので、屋外などでもGH5 IIを使ったライブ配信が手軽にできます。手軽さはスマホの内蔵カメラを使ってライブ配信するのと同等ながら、スマホとは段違いの高画質で配信できるのが最大の魅力です。
配信までの手順もシンプルです。まず、GH5 IIとスマホをBluetoothで接続したあと、専用アプリ「LUMIX Sync」でライブ配信サービスの情報や配信画質などの設定を済ませ、配信ボタンを押すだけ。カメラ側で面倒な情報の入力をする必要はありません。GH5 IIで撮影した映像や音声はWi-Fi経由でスマホに送られ、スマホからモバイル回線(4G、5G)を経由してライブ配信サービスのサイトにアップロードされます。GH5 IIを家庭のWi-Fiルーターに設置し、固定回線経由でライブ配信することもできます。
実際に試したところ、完全にケーブルレスでライブ配信ができるので、三脚に据えての配信はもちろん、グリップやスタビライザーにGH5 IIを載せて歩きながらの自撮り配信もきわめてスマートにできました。ライブ配信時は、背面液晶の周囲が青枠で表示されるので、ライブ配信がなされていることがひと目で分かるのが便利だと感じます。
今回は、キットモデルで用意されている標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH.」を用いましたが、明るい単焦点レンズを使えば豊かな前後のボケが得られ、スマホとは明らかに異なる印象的なライブ配信になるのは間違いありません。
バッテリーは大容量化が図られており、従来よりも長時間のライブ配信が可能になっています。USB Type-C端子経由の給電にも対応しているので、モバイルバッテリーを接続すれば長時間のライブ配信も可能。ボディ全体で放熱する機構を備えており、長時間のライブ配信でも安定した動作ができます。
価格も手ごろで、ライブ配信のクオリティを上げたい人に響きそう
GH5 IIの実売価格は、ボディ単体モデルが194,000円前後、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH.」が付属するMキットが219,000円前後。初代GH5登場時の実売価格は税別240,000円前後だったことを考えると、意欲的な低価格にしたと感じます。
注目なのが、発売記念のキャッシュバックキャンペーン「LUMIX GH5 II デビューキャンペーン」で、8月29日までに購入するとボディ単体モデルは15,000円、Mキットは20,000円がキャッシュバックされること。買ってすぐに使いこなせるMキットが実質20万円未満で購入できるので、スマホでのライブ配信の画質に不満を持っているが、パソコンなしでできるスマホのライブ配信の手軽さは魅力的…と考えている人に響くカメラとなりそうです。