富士ソフトは5月26日、オンラインによる製品発表会を開催し、アバターを利用した仮想オフィスツール「FAMoffice」を2021年6月15日より販売開始すると発表した。富士ソフト 常務執行役員の本田英二氏は発表会の冒頭、「集まる、つながる、広がるオフィスをコンセプトに、仮想空間に集まる場所を作った」と説明した。

  • 富士ソフト 常務執行役員 本田英二氏。オンライン発表会も「FAMoffice」を用いて開催した

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「FAMoffice」は、バーチャル空間上に再現したオフィスにアバターとして出社することで、社内メンバーの状況を俯瞰すること、気軽なコミュニケーションをとりやすい環境を構築することを可能にするツール。同ツールは、テレワークに課題を感じていた富士ソフトが、2020年4月頃から開発を始めたもので、2020年7月から社内運用を始めていた。

  • 「FAMoffice」による仮想オフィス

ユーザーは、ブラウザを開いて「FAMoffice」にログインすると、アバターとして出社できる。出社中はユーザーの状況をアバターで表現できるため、話しかける適切なタイミングを図ることが可能。また、アバター同士をぶつけるだけでビデオ通話がすぐに始まるので、ちょっとした相談や雑談、声がけがしやすい仕組みになっている。

  • 資料やホワイトペーパーの共有も可能

さらに、右下メニューをワンクリックすることで富士ソフトの資料共有アプリ「moreNOTE hello!」を起動し、資料やホワイトボードを共有することも可能。ミーティングルームや会議室にアバターを集合させることで、複数人によるオンライン会議もできる。

また、オフィスを再現するだけでなく、バーチャルのメリットを生かした機能として、複数の座席に自分のアバターの分身を座らせる「マルチアバター機能」も備えている。同機能を使うことにより、兼務する部署が別のフロアにあっても同時に着席したり、所属する複数のプロジェクトチームに席をおいたり、コミュニケーションをとりたいコミュニティにアバターを分身させて参加したりすることが可能だ。

「FAMoffice」の提供価格は、初期費用が11万円、月額料金が3万3000円(100ユーザーまで)で、100ユーザーを超える場合は、1ユーザーにつき月額330円の追加料金がかかる。同社は、2023年度までに1000社の導入を目指す方針だ。

同発表会にゲストとして登壇したデジタル改革担当大臣の平井卓也氏は、「新しいデジタルワーキングスタイルを創造していくことが、新型コロナに立ち向かっていく企業に必要なことだ」とコメントを寄せていた。

  • デジタル改革担当大臣 平井卓也氏