鉄道友の会は26日、今年のブルーリボン賞・ローレル賞を発表した。ブルーリボン賞(最優秀車両)に近畿日本鉄道80000系「ひのとり」、ローレル賞(優秀車両)にJR東海の新型新幹線車両N700SとJR東日本E261系「サフィール踊り子」を選定している。

  • 東海道新幹線で活躍するN700S

ローレル賞の選定車両のうち、JR東海のN700Sは300系・700系・N700系・N700Aに続く新幹線車両。13年ぶりのフルモデルチェンジを行い、最高の新幹線車両を意味する「Supreme(最高の)」の「S」を付した車両となった。

大きな改良点として、床下機器の小型軽量化を一層進めたことにより、従来では不可能だった機器配置を可能とし、編成両数を柔軟に構成可能な「標準車両」を実現した。これにより、大規模な設計変更を行うことなく、各地域のニーズに合わせた柔軟な編成構成を実現できる。現時点で西九州新幹線などに6両編成での展開が計画されている。

高速鉄道では世界初となるバッテリ自走システムも搭載。停電時に橋梁やトンネル内で停止した場合も架線からの電力供給を必要とせず、自力走行で安全な場所まで移動が可能となった。

  • N700Sのグリーン車

  • N700Sの普通車

グリーン車の座席は、つねに疲れにくい姿勢を維持できるリクライニング機構を採用し、普通車では背もたれと座面が連動して動く機構により、快適な座り心地を提供。普通車も全席にモバイル用電源を設置している。

外観においては、東海道新幹線開業以来、一貫して用いてきた白地に青帯を踏襲して伝統を継承しつつ、先頭部の青帯は「Supreme」の「S」の形を表すデザインとし、最新車両である事を表現している。このように、技術やサービスの向上で日々多くの乗客を快適で安定的に輸送する車両として、ローレル賞に選定したとのこと。