Microsoftが次世代Windowsを近々発表する。開発者カンファレンス「Build 2021」(5月25〜27日:オンライン開催)の基調講演で、同社CEOのSatya Nadella氏が予告した。開発者やクリエイターに大きな経済機会を創出すると約束。「過去10年で最も重要なWindowsのアップデートの1つになる」という。

  • Satya Nadella氏

    近いうちにWindowsの重要なアップデートを発表するとSatya Nadella氏(Build 2021キーノート)

新型コロナ禍において、Microsoftは在宅勤務や在宅学習に切り替えたユーザーに安定したPC環境を提供することにフォーカスしてきた。その一方でポストコロナ禍を見据えてWindowsのユーザーエクスペリエンス(UX)やユーザーインターフェイス(UI)の刷新、アプリケーションストアの改革に取り組んでいると報じられており、そのWindowsアップデートは新たなブランド(例えば「Windows 11」)で展開するべきと指摘する媒体もあった。

基調講演でNadella氏は、過去数カ月にわたって次世代Windowsを試していることを明かし、「非常に期待しています」と述べた。

既存の全てのWindowsデベロッパーにさらなる機会を提供し、そしてアプリケーションを構築して配布・収益化するための最も革新的で新しいオープンなプラットフォームを求めている全てのクリエイターを歓迎します。近いうちに、もっと多くのことをお伝えできることを楽しみにしています。

UX/UIには触れず、開発者にMicrosoftストアの刷新を期待させるメッセージになっているのは、Buildでの予告だからだろう。Microsoftは昨年、モバイルアプリストアの収益配分モデルや課金システムを巡るAppleとEpic Gamesの対立において、Epicをサポートする声明書をカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出した。また今年4月末、Microsoft Storeで販売するPCゲームの販売手数料を30%から12%に軽減することを発表した(8月1日から実施)。AppleのApp Storeが定着させた販売手数料30%を見直す動きを加速させており、EpicがAppleに求めているサードパーティのストアの開設を認める可能性も噂されている。

UX/UI刷新については、すでにWindows 10のプレビュー版に新デザインのシステムアイコンが登場しており、Sun Valleyというコードネームのプロジェクトが進行していると報じられている。また、5月18日にMicrosoftが「Windows 10X」の製品リリースの中止を発表した際に、Windows 10Xで提供する予定だったいくつかの技術をWindows 10に組み込む計画を明らかにした。しかし、次世代でWindowsがどのように変わるのか、その姿はベールに覆われたままである。