ミュージカル『レ・ミゼラブル』が25日に東京・帝国劇場で初日を迎え、福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀、生田絵梨花、六角精児、森公美子が取材に応じた。
同作はフランスの作家・ヴィクトル・ユゴーの同名小説を原作に、1985年ロンドンで初演。以来、世界中で上演されており、日本では1987年の初演から愛され続けている。19世紀初頭のフランスを舞台に、ジャン・バルジャン(福井、吉原、佐藤)という1人の男の人生を軸にして社会情勢や民衆の生活を描いていく。2021年は5・6・7月の帝劇公演を皮切りに、8〜10月に福岡・博多座、大阪・フェスティバルホール、長野・まつもと市民芸術館の、全国4都市の上演となる。
生田は2017年、2019年にコゼットを演じ、今回新たにエポニーヌ役に挑む。以前はドレス姿で取材を受けていたが、今回は貧しい悪党一家の娘を演じるために、汚しメイク&薄着での登場となった。「今までの開幕はもう少し緊張でふわふわしている感覚だったんですけど、今年はものすごく地に足を踏みしめてる感じがして、それはエポニーヌという役に力を借りてるのかもしれないです」と、心境を表す生田。コロナ禍の上演で「目の前にある当たり前の光景がいつなくなってしまうかわからないということが現実的で身近にあるので、今できることに一つ一つ集中して魂を込めていくという意識で舞台に臨んでいます。お客様の心を少しでも灯せるように頑張っていければと思います」と意気込んだ。
新たな役に挑戦することになるが、「『コゼットぽい』とずっと言っていただいていて、そのイメージがある分、最初は自分はどんなエポができるのかという不安はありました。でも稽古場でのキャストの方々から『エポもいいね』『最初からエポやってた?』と言っていただけるようになって、『この方向でいいんだ』と勇気をもらえた気がします」と感謝する。演じるエポニーヌについては「強いという印象がありますけど、強いから強いんじゃなくて、弱さを隠して強くいようとしている。生きていく為に強くいなきゃいけないということは、誰しも共感できると思いますし、私も強さの中にどれだけ複雑な物を混在させられるか意識して試みています」と明かした。
また今回、生田の母親役&父親役になるのが森&六角。森は「生田さんのエポがまた"すれっからし"で、まあこれは『前にコゼットやったよね?』というくらいの、全然違うキャラクターを押し出してきて」と驚く。「声も全部地声でグアッと張ったやつで、びっくりしました。『どこで勉強した?』と聞いちゃいました」と絶賛。生田は「発声は本当に変えました。今まで裏声や高い音域だったので、地を這うような音色を出せるようにトレーニングは重ねてきました」と語る。
さらに森は新たな夫であり、今回ミュージカルに初挑戦する六角について「さすがですね。舞台経験がおありだから、居場所の確認は完璧にはいってるのがすばらしかったです。よくできたね」としみじみ。六角は「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と頭を下げていた。