オウガ・ジャパンは5月25日、OPPOブランドの新スマートフォンとして、SIMフリーモデルの「Find X3 Pro」「Reno5 A」「OPPO A54 5G」を発表しました。新モデルの発表会では、そのうち前者2モデルを紹介・展示。前回に続いて、同じ名前の縁からCMキャラクターに選ばれたタレントの指原莉乃さんが新製品をアピールしました。
OPPOが日本に参入したのは2018年1月で、それから3年あまり。早期に日本仕様への対応を進めてきたOPPOは、2020年7月~2021年3月までの第3四半期において、「SIMフリーAndroidスマートフォン」のジャンルで29%のシェアを獲得。日本市場でのシェア1位を達成しました。世界シェアも4位と拡大しています。
日本でも人気が拡大した背景を、オウガ・ジャパンの専務取締役である河野謙三氏は次のように述べています。
「日本人が使いやすいようにゼロベースで開発に注力。日々の暮らしに必要とされる機能やデザインを、年数回の調査で耳を傾け、『欲しい』に応えるだけでなく、期待を超える製品で感動や驚きをもたらそうとしている」
Renoシリーズは、日本独自モデルとして開発。おサイフケータイ、防水性能、日本のネットワークに最適化するなどして提供してきました。日本人のニーズに応えるスペックだけでなく、「海外では600ドルのスマートフォンに搭載されているようなカメラ性能を、Reno5 Aに搭載した」(オウガ・ジャパン プロダクト部 李毅氏)と話します。
ハイエンドのFind Xシリーズは基本的に、グローバルモデルをそのまま日本市場向けにネットワーク検証などをした上で投入するモデル。「グローバル基準で最先端、エッジのきいたものを提供するという位置づけ。日本市場のニーズを組み上げたRenoシリーズとは異なる立ち位置」(河野氏)としています。
Find X3 Pro
そのFind X3 Proは、ハイエンドモデルながら193gと比較的軽量で、厚さを8.26mmに抑え、「宇宙船をモチーフにした」という背面のデザインが特徴的。背面カメラ部の出っ張りを抑えつつ、背面パネルと一体成形することによって、未来的な曲線で独特のデザインに仕上げています。
カメラは4つを搭載した4眼仕様。ソニーと共同開発したという1/1.56型センサー「IMX766」を、メインカメラと超広角カメラの2つに採用しています。画素数は5,000万画素で、2つのカメラで同じセンサーを搭載したことで「デュアルフラッグシップカメラ」と表現しています。望遠カメラは光学2倍で1,300万画素。
特徴的なのが「業界初」という300万画素の顕微鏡カメラです。30倍と60倍という超高倍率で被写体を拡大。身近な物体を目で見えない領域まで拡大できる楽しい機能です。10億色のカラーで撮影し、画像処理からディスプレイ表示まで10億色そのままで処理することによって、滑らかな色のグラデーションで撮影した画像をそのまま表示可能といいます。
「日本人は男性で20人に1人、女性で500人に1人が色覚多様性」(オウガ・ジャパン 営業推進部 プロダクトマネージャー 中川裕也氏)を持っており、それに対応する700以上の色表示パターンを備えているそうです。これによって「色覚多様性のほとんどの人に対応できるようになった」(同)としています。
そのほか、65Wの急速充電機能を備え、10分で約40%の充電が可能な「SuperVOOC」やIP68の防水性能、eSIMサポートといった機能を持っています。SoCはSnapdragon 888、メモリは12GB、ストレージは256GBです。
本体カラーはグロスブラックとホワイトの2色。キャリアではauが採用し、6月下旬以降の発売。スマートバンド「OPPO Band Style」をプレゼントするキャンペーンも実施します。MVNOとしてIIJなども取り扱うほか、家電量販店やオンラインショップでもSIMフリー版が発売されます。SIMフリー版の発売は7月中旬以降で、価格は118,000円となっています。
なお、au版はシングルSIM、SIMフリー版はデュアルSIMという違いがありますが、そのほかのスペックは同等。5GはNTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル、楽天モバイルに対応。グローバル版と同様に、幅広い周波数帯をサポートしています。
OPPO Reno5 A
Reno5 Aは、有効画素数6,400万画素のメインカメラ、画角119度の超広角カメラ、200万画素のモノクロカメラ、200万画素のマクロカメラという4カメラを搭載。背景のイルミネーションなどの点光源を丸いボケ、いわゆる「玉ボケ」に処理して人物を撮影する「ネオンポートレート」機能、年齢や性別などに応じて自動補正する「AIビューティー」といった機能を備えています。
動画撮影にもさまざまな機能を盛り込んでいます。アウトカメラとインカメラの両方で同時に撮影して、被写体と撮影者を同時記録する「アウト/イン同時撮影」や、逆光・暗所でも適切に自動補正する「AIハイライトビデオ」などがあります。
SoCはSnapdragon 765G、メモリは6GB、ストレージは128GBで、余裕を持ってゲームや5Gの高速通信を楽しめるスペックだとしています。IP68の防塵・防水性能やおサイフケータイもサポート。日本のスマートフォンユーザーに聞いて選んだという、アイスブルーとシルバーブラックの2色で展開します。
キャリアでは、ワイモバイルが6月上旬以降、楽天モバイルが6月中旬以降に発売。MVNO各社も取り扱い、家電量販店やオンラインショップでもSIMフリー版が発売されます。SIMフリー版は6月11日発売、価格は43,800円です。対応周波数は国内利用に特化し、5Gの対応周波数はn3/n28/n77/n78となるため、ドコモの一部帯域に対応していません。
もう1機種の「OPPO A54 5G」は、SIMフリーモデルで5Gに対応しながら31,800円と価格を抑えたモデル。キャリアとしてはauから発売。MVNOや家電量販店、オンラインショップでもSIMフリー版が発売されます。発売は6月下旬以降。
オウガ・ジャパンは、日本のユーザーがどういうものを求めているか、「スペック、カラー、薄さなどを愚直に調べて、必要なものを想定してFind X、RenoA、OPPO Aという3ラインナップにしている」と河野氏。シェア1位となったのは、そうした戦略が「ニーズのキャッチアップでうまくはまったのではないか」としています。
もちろん、現状は「満足していない」(河野氏)とも。日本の携帯端末市場はキャリア主体で、SIMフリー市場はまだまだ大きいとはいえません。シェア1位(SIMフリーのAndroidスマートフォン)は、そうした中でも多くのユーザーに選ばれた結果としつつ、「OPPOの価値、魅力、すばらしさを、キャリアのユーザーにも使って欲しい」と河野氏はアピールします。
特徴的なハイエンド機種のFind X3 Pro、遊び心あるカメラ機能と日本市場に適したスペックのReno5 A、コストパフォーマンスモデルのOPPO A54 5G――をそろえたOPPO。キャリアモデルとSIMフリーモデルでほとんど機能差がないことも、ユーザーのキャリア間移動が自由にできるという点で、現在の日本市場に適したモデルではないでしょうか。