ベゼルやケースにSS(ステンレススチール)を使用し、G-SHOCKの中でもちょっと大人の理性的なデザイン。そして、アナログ&デジタルのコンビネーションならではの機能的な使いやすさが魅力のG-STEEL(ジースティール)に、ニューモデル「GST-B400」が登場。
それまでのイメージを一新してシリーズに新風を吹き込んだ「GST-B300」から一転、先祖返りともいえる本家本流のフォーマットに新しい表現で進化を試みた意欲作となっている。価格は49,500円(ラバーバンドモデル)~68,200円。
進化のキーワードは「質感」
GST-B400の大きな特徴は、新開発の薄型ムーブメント採用による12.9mmのスリムケースと、インダイヤルソーラーが可能にした質感の高い文字板。ケース厚に関しては、前作のGST-B300と比べて2.6mmも薄い。時計でこの数値は注目に値する差だ。ケース外径も46.6×49.6mmと、GST-B300よりわずかにコンパクト。
計4モデルでローンチされるが、今回はラバーバンドモデルを除いた3つのSSバンドモデルを紹介する。ベゼル、バンドともにシルバーの「GST-B400D-1AJF」(55,000円)、ブラックIPベゼルにシルバーのバンド、レッドのダイヤル「GST-B400AD-1A4JF」(59,400円)、ベゼル、バンドともにブラックIP、そしてブルーのダイヤル「GST-B400BD-1A2JF」(68,200円)だ。
重さは各モデルとも160g。時計本体はカーボンコアガード構造によって軽く、総重量の半分以上はSSバンドと思われる。機能としてはタフソーラー駆動をはじめ、Bluetoothによるアプリ「G-SHOCK Connected」とのモバイル連携、1/100秒ストップウォッチなどを装備している。
GST-B400のキモは「質感」にある。発電効率を上げたインダイヤル部分のソーラーセルと省電力モーターの採用、物理的な秒針を省いたことで、メインダイヤルの見栄えを飛躍的に向上させることが可能となった。
キラリと輝く文字板に配置した金属塊のようなアプライドインデックス。9時位置で時計のモードとバッテリーパワーの表示を担う大きなディスク針。G-STEEL初期の「GST-W1000」を源流とする、6時位置の液晶丸窓。さらに、流線型の多面カット形状とヘアライン処理で構成されたケースも大きく質感の向上に寄与している。
GST-B400は、SSバンドの質感も高い。斜めにカットされたシャープな形状のラグ部分から違和感なくつながり、美しいヘアライン仕上げはバックルへとシームレスに続いている。なお、このバンドはダブルスライドレバー式メタルバンド仕様。ラグ裏側にある2本のレバーを同時に寄せるように動かすだけで、簡単に外すことができる。
……のだが、再び取り付けるときに意外と手こずるので注意が必要。レビューの都合上、私も実際に試してみたが少々後悔した。組み付けるときは、取り付け部の先端に見える「凸」形状のブロックを、先にラグ側へ挿入するのがコツだ。
新世代G-STEELの幕開けを予感させるGST-B400。正直、GST-B300ほどのインパクトはないかもしれないが、そのぶん幅広いファッションに合わせやすいともいえる。たとえばビジネススーツであれば、ケースのスリムさとバーインデックスの面で断然こちらが似合うだろう。
なお、名作GST-B300も併売される予定。いずれにせよ、魅力的な選択肢が増えるのは大歓迎だ。