テレビ東京は、きょう22日に『追跡LIVE! SPORTSウォッチャー』(22:30〜)の中のコーナー「Human ウォッチャー」で、町田樹が自身の作品「Je te veux」を田中刑事に継承するまでを追ったドキュメンタリーを放送する。
町田と制作者集団アトリエ・タームは、フィギュアスケートで演じられてきた傑作と言われる作品が選手の引退と共に消えてしまうのではなく、著作権という形で「振付師が作品の上演権を許諾し再演できる」ことを実証する「継承プロジェクト」を立ち上げた。その第1弾が、町田樹自身が振り付けた「Je te veux」を田中に継承するプロジェクト。2020年4月にスタートするも緊急事態宣言によりすぐに中断となったが、その間も田中はプロジェクトを再開する日に向けて、1人で町田の映像を見たり、バレエレッスンを行ったりと準備してきたという。
2021年3月、ようやく町田と田中の「継承プロジェクト」が動き始め、3月末に2人で行った合宿では、スケートリンクでの練習だけでなく、バレエレッスンや、町田の自宅で様々な映像作品から表現を学ぶ取り組みも行った。そしてついに2021年5月、横浜で開催された「プリンスアイスワールド2021-2022」で、田中は自身の個性が豊かに反映された「Je te veux」を上演し、大きな話題に。番組では、フィギュアスケート界での革新的な取り組み「継承プロジェクト」の一部始終に密着する。また、「Je te veux」が実演されたアイスショー「プリンスアイスワールド 2021」はBSテレ東にて30日14時〜16時に放送される。
町田樹 コメント
フィギュアスケートのプログラムというのは、振付師が選手からの依頼を受けて制作する、いわばオーダーメイド形式の創作物です。フィギュアスケートの長い歴史の中で、これまでに数々の傑作プログラムが生み出されてきましたが、そうした傑作も選手の引退と同時に世に出ることはなくなってしまいます。それは、あまりにももったいないことです。優れた作品は次世代に継承していくべきだと考え、この「継承プロジェクト」を立ち上げました。
放送に先駆けて、テレビ東京YouTubeコンテンツでは、「継承プロジェクト」のドキュメンタリーが配信されていますが、そちらも大きな反響がありました。これまでは多くの人がスケーターに注目して演技を観ていたと思うのですが、この「継承プロジェクト」をきっかけに、作品にコミットして演技を観る人も増えていくのではないかという期待があります。従来のスケーターにコミットする鑑賞法に加え、「この作品を、彼が、彼女が演じたら、どんな世界を見せてくれるのだろう」という作品を中心にした鑑賞スタイルも盛り上がってくるのではないでしょうか。このように、〝観客がこれまでとは異なる角度でフィギュアスケートを観ることができる〟そのことだけでも「継承プロジェクト」をやって良かったと思います。
田中刑事 コメント
町田さんが僕を選んでくださったことに、やりがいとともに大きなプレッシャーを感じました。でも、それよりも「やりたい」という意思の方が強かったです。このプロジェクトはこれまで誰もやったことがないプロジェクトですし、「こんなチャンスはない」と。アイスショーも久しぶりですし、毎公演、「今しか味わえないことだな」と噛みしめながら滑っています。
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