あなたは欲求をどの程度満たすと満足できますか? いくら満たしても満足できないのであれば「強欲」な人なのかもしれません。強欲な人は強い意志を持ち、なんとしてでもその対象を手に入れようとします。
この記事では「強欲」の正しい意味や類語、対義語などを紹介します。また、強欲な人の特徴も解説し、強欲さをプラスに変えられる方法についてもまとめました。
「強欲」とは
強い欲と書いて「ごうよく」と読みます。漢字からもわかるように、欲が強い様子を表し、悪い意味で使われることが多い傾向にあります。欲の種類は問わず、食欲や性欲、睡眠欲や出世欲などあらゆる欲が強いことを指しています。
キリスト教の教えの中で最も重い罪であると考えられている「七つの大罪」の中にも組み込まれており、昔からあまりよい意味では使われていませんでした。
「強欲」の由来について
「強」は力が有り余っている様子、「欲」は何かを欲しいと思う心を表現しています。これらを組み合わせることで、有り余る欲に対する気持ちを表現するようになりました。先述した通り、七つの大罪として言い伝えられてきましたが、かつては金銭欲として語られていたようです。
「強欲」を英語で表現するなら
強欲という単語を英語で表現するのであれば、「greed」が最も近い意味です。また、「avaritia」という単語でも欲深い様子を表すことができますが、これは非難されるような欲深さを表現するために使われることが多く、マイナスな意味で強欲を表現する時に適しています。
さらに、「cupidity」という単語を使うと金銭や財産に対する欲深さを表すことができ、金銭欲が強いことを表現する際はこちらも使用可能です。
「強欲」の類語
強欲は悪い意味で使われることが多く、強く深い欲をもっていることを表すときに使います。強欲の類語にはどのようなものがあるのでしょうか。
傍若無人
「傍若無人」の読みは「ぼうじゃくぶじん」です。周囲の人のことを気にかけず自由気ままにふるまい、遊び騒いでいる様子を表しています。
なんとなく意味のずれを感じるかもしれませんが、自分の欲のためだけに行動するといった点では、似たようなニュアンスで使えます。自分のことや、自分の欲のことだけを考えて行動していることを表現する四字熟語です。
貪欲
「貪欲」は同じような欲深さをもっていてもいい意味で使われることが多い単語です。常に上を目指すような様子や、好奇心旺盛に挑戦していく姿を想像して使われるため、よい意味で欲の強さを表現したいときには「貪欲」が適切でしょう。
欲張り
「欲張り」は、強欲と同じような意味、同じような場面で使われることが多い単語です。欲が深いことだけでなく、その人自身のことや態度のことまで表現することができます。
「強欲」の対義語
強欲と反対の意味を表す対義語について解説していきます。欲の弱いことや、欲のない様子を表す言葉が反対の意味をもつ言葉です。
寡欲
「寡欲(かよく)」は欲が少ないことや、欲が少ない人のことを指しています。「寡」という漢字は少ないという意味をもっているので、強欲とまさに反対の位置にある単語です。
無欲
「無欲」はその漢字からも想像がつく通り、欲望がないことを表しています。強欲は深い欲を持ち、尽きることのない探求心をもっているのに比べて、無欲という表現を使うことで、何に対しても興味を持てないような印象を表すことができるでししょう。
強欲な人の特徴とは?
強欲は悪い意味で使われることが多く、強欲な人を煙たがるケースはよくあります。では、強欲な人にはどのような特徴があるのでしょうか。
損得勘定が強い
強欲な人は自分が損したくないという気持ちが強いので、利益になるかどうかを考えて行動するという特徴があります。
例えば、無料で受けられるサービスを異常に活用していたり、お金を貸したときに倍で返してほしいと言ったりです。ケチという表現をされることもあるでしょう。自分が得するためには、相手がどう思うかを考えない傾向にあるので、疎まれてしまうこともあります。
簡単に満足できない
強欲な人は満たされることが少なく、簡単には満足できない人が多いでしょう。仕事をしていてもっといい形で完成させたがったり、欲しかったものを手に入れてももっといいものがあるかもしれないと探し回ったり、とにかく探求心が強いのです。
仕事相手としてはクオリティの高い仕事をしてくれるかもしれませんが、時には面倒に感じることもあるでしょう。
プライドが高い
自分の利益や欲を1番に考えているので、他人のことをあまり考えていないという特徴をもっています。そのため、プライドがやたらと高かったり、自己中心的な性格だったりします。
否定されるとものすごく怒る、自分の目的のためなら家族のことすら利用するような人は、強欲な人だといえるでしょう。
周囲のことを気にしない
先述した通り、強欲な人は自分のことが最も大事なので、そのためには手段を選ばない人も多い傾向にあります。考えや行動に自信をもって行動しているため、あまり周囲のことを気にせずに自由気ままに振る舞います。
自分を満たすことで頭がいっぱいなので、他のことまで気が回らないのです。普通だったら考えられないようなことをしてしまうのも、強欲な人の特徴といえるでしょう。
強欲をプラスに変える方法
強欲な人の特徴を見ると、自己中心的で他人のことなどなんとも思っていないというような印象ですが、強欲なのは悪いことだけではありません。その欲深さをプラスに変えれば、成長にも繋がりますしよい仕事ができる可能性も高いのです。ここでは、強欲という性質をプラスに変える方法を紹介します。
他人との比較をしない
強欲なことはよいことですが、常に上を目指し続けるのは非常に疲れます。まずは肩の力を抜いて、無駄に優越をつけることを辞めてみましょう。他人のことも認められるように、視野を広げてみてください。
周りの人への感謝を忘れない
人はひとりでは生きていけません。何でも自分でやっている気になっていても、実は他の人のサポートがあるから成り立っていることもたくさんあります。自分がいつも欲を満たすことを考え、行動できているのは、周囲にいてくれる人のおかげだと自覚してください。
感謝の気持ちを感じたら、その都度伝えてあげるとより円滑な人間関係を築くことができるでしょう。
自分にも厳しくなる
ついつい自分が1番だと考えてしまい、間違いを認めることができず、他人の欠点ばかりを探していませんか? 誰に対しても平等に厳しくなれば、新しい視点で物事もみることができるでしょう。必要以上に他人のミスや欠点を責めていたのであれば、自分にも同じように接してみてください。
強欲さを味方につけてもっと成長しよう
強欲とは、キリスト教の「七つの大罪」にもあるように人間の罪だと考えられてきました。一般的には悪い意味で使われることが多く、強欲な人は自己中心的な人も多い傾向にあります。
しかし、強欲なのは悪いことではなく成長できるチャンスでもあるのです。自分に強欲な部分があると感じたなら素直に受け入れ、プラスに働くように改善し、より成長していきましょう。