「色欲」という言葉は一般的には使わなくても、漫画や小説などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「色欲」とは性的な欲望のことを指しており、昔から人類は悩まされてきました。
キリスト教や仏教でも、色欲は罪に繋がる欲求だと考えられています。そんな「色欲」というワードへの理解を深め、適切な場面で使えるようにしましょう。
「色欲」について
「色欲」は欲の一種で、いわゆる性欲を表す言葉です。特に、勝手気ままで思いやりのない性欲のことを表しています。また、仏教的な言い方をすると、「形や色のあるものへの執着心」ということもできます。
仏教でもキリスト教でも、色欲は人の罪だと考えられているため、性欲が強いと身を滅ぼす可能性があると考えられてきたのでしょう。
「色欲」の言葉の由来とは
色欲は、キリスト教の七つの大罪からきている言葉だと考えられています。「色」という漢字は、男女の交わりや女性の美しさを表す意味ももっているので、そこから性欲に繋がる欲望を表現したのでしょう。
「色欲」の英語表現は
英語では「sexual desire」というのが直訳で、性欲や色欲を表します。もっと強い色欲や、マイナスの意味で表現したいというときには、「lust」という表現が適切でしょう。
どのような場面で使用したいのかを考えて、使い分けるようにしましょう。
仏教の五欲とは
五欲というのは仏教用語で、欲望を引き起こす原因となるものをまとめてそう呼んでいます。5つの感覚器官である目、耳、鼻、舌、身に対応する色、声、香、味、触れられるものは、欲望の原因となると考えられてきました。これをさらに発展させて、財欲・色欲・名誉欲・睡眠欲・食欲だと考える説もあります。
キリスト教の七つの大罪とは
キリスト教における悪の根源と考えられる感情や欲望をまとめて、七つの大罪と呼びます。罪の種類というよりは、罪を犯す原因となるものと考えるのが適切です。七つの大罪は、傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食そして色欲です。色欲を原因で罪を犯す人がいる世の中だと考えれば、この七つの大罪がいわんとしていることも理解できるでしょう。
「色欲」の類語
色欲と同じ意味で使われる言葉について紹介します。
性欲
「性欲」は性的な欲求のことを意味します。また、特定のパートナーがいながら他の異性とも関係をもとうとする気持ちのことを表現することもあります。三大欲求であり、誰もがもっている欲求ではありますが、過度な欲求となってくると嫌悪感の対象になるでしょう。
色情
「色情」は、性的な欲望のことも意味しますが、恋人関係にあることを表す言葉でもあります。恋愛にも結び付く言葉なので、愛情からくる欲求を表現したいときには適切でしょう。
好色
「好色」は性欲を表現していますが、だらしない欲求やただ快楽を求める様子を意味しています。男女関係で性にだらしない人を表現したり、多くの人と恋愛を楽しむ浮気性な人を表したりする際に使えるワードです。
「色欲」の対義語
罪の根源だと考えられてきた色欲の対義語は、プラスのイメージで使われることが多いです。
純潔
「純潔」は、精神的な節制をもっており、穢れのないことを意味します。特定のパートナー以外との関係をもたず、心身清らかな状態を表し、純潔である状態を「貞操」と呼ぶこともあります。
貞潔
「貞潔」は、性的な関係を慎むことや行いの潔白なことを意味します。貞操を固く守っている様子も意味するので、純潔な状態を維持できる節操のある人をそう呼ぶこともあります。
「色欲」の例文
色欲をどのように使ったらいいのか、例文と一緒にみていきましょう。基本的には性欲と同じような場面で使われるので、複雑な使い方をすることはありません。
<例文>
- 色欲をあらわにしない。
- 相手の色欲につけこむ。
このように色欲は性欲とも置き換えられます。人間の性的な欲求をよい意味で使わないときには、色欲という言葉が適切でしょう。
色欲をしっかりコントロールしよう
日常生活で色欲という言葉を使っている人は少ないかもしれません。しかし、使い方は非常に簡単で、性欲と同じような場面、意味で使われる言葉です。マイナスなイメージが強いので、よい意味ではあまり表現されないでしょう。
仏教でもキリスト教でも、罪の根源となるものだと考えられてきた色欲は、過度にあると危うい状況に陥るかもしれません。自分や誰かの人生を壊した…なんてことにならないために、色欲に振り回されないようしっかりとコントロールしましょう。