俳優の田村正和さんが死去したことを受け、フジテレビでは、田村さんの主演ドラマ『古畑任三郎』のイチローと松嶋菜々子のゲスト回を、あす20日から2日連続で急きょ追悼放送する。
20日・21日(14:45~15:45 ※関東ローカル)は、イチローが出演した「フェアな殺人者」。21日(20:00~21:58)は、松嶋菜々子が出演した「ラスト・ダンス」を放送する。
「フェアな殺人者」は2006年1月4日に放送され、世帯視聴率は平均27.0%、瞬間最高29.6%を記録。「ラスト・ダンス」は翌5日に放送され、平均29.6%、瞬間最高32.8%という高数字をマークした(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。
『古畑任三郎』は、田村さん演じる主人公・古畑任三郎が、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを卓越した推理力で解いていく大人気ドラマシリーズ。94年に『警部補・古畑任三郎』としてスタート、連続ドラマとして3シーズン続いたほか、数々のスペシャル、スピンオフなど、12年間にわたって国民から愛され続けた。
「フェアな殺人者」「ラスト・ダンス」は、『古畑任三郎ファイナル』として放送され、そのラストを飾った。あらすじは、以下の通り。
■「フェアな殺人者」
シーズンを終え、日本に帰国したイチロー選手(イチロー)は、記者会見やチャリティーイベントに出席するために、都内にある某ホテルのスイートルームに宿泊していた。そのホテルに、古畑(田村正和)、今泉(西村まさ彦)、西園寺(石井正則)の3人がやってくる。実は彼らは、警察を退職し、このホテルの保安課に再就職した向島(小林隆)を訪ねてきたのだ。古畑たちが向島と話をしていると、突然そこにイチロー選手が現れた。イチロー選手の大ファンだった古畑は、彼と握手を交わし、サインまでもらうことができて感激する。イチロー選手が去ったあと、向島は古畑たちに衝撃的な告白をする。なんと、向島とイチロー選手は、腹違いの兄弟だというのだ。古畑たちは、思いもよらぬ向島の告白にがく然となる。
古畑たちが帰った後、向島はイチローの部屋を訪ねた。頼まれていた出前のカツ丼をイチローに届けるためだった。そこでイチローは、向島にある男の話を切り出す。
その夜、ホテルの地下駐車場に停めてあった盗難車の中から、男の死体が発見される。
■「ラスト・ダンス」
テレビ局。颯爽(さっそう)と廊下を歩く加賀美京子こと大野かえで(松嶋菜々子)。すれ違うスタッフは皆一様に売れっ子の作家であるかえでに挨拶する。かえでが手がけた連続ドラマの完成披露試写が行われ、作品の出来に満足の様子である。
打ち上げ会場。大勢の関係者の中、壇上でスピーチするかえで。派手目なメイク、女優を思わせるような衣装。社交的な彼女はいつも華やかなスポットライトを浴びている。
高級マンションの一室。パソコンの前でキーボードをたたくもみじ(松嶋菜々子=2役)。化粧もせず、地味な装いの彼女はかえでの双子の姉であり、もう一人の加賀美京子。外出も滅多にせず不器用で、妹のかえでとは大違い。
カフェテラス。ダンスの教本を手に座っている男。ご存知・古畑任三郎(田村正和)。車が止まり、駆け寄るかえで。古畑は、かえでが手がけた連続ドラマの監修として以前からかえでと面識があり、次回作の打ち合わせに来ていたのだった。古畑はかえでの魅力にすっかりとりこになっているようだ。実は、打ち上げの日、2人はダンスホールへと抜け駆けしていたのだ。チークダンスを踊る2人、華麗に踊るかえで、慣れないステップの古畑、つい足を踏んでしまう…。バランスを崩すかえで。そして抱き合ったままの2人――。
急に姉・もみじに呼び出され、早々に店を去るかえで。戻りを待つ古畑だったが、このときすでに彼女の計画は実行されていたのだった…。
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