俳優の岡田将生が、舞台『ガラスの動物園』の主演を務めることが17日、明らかになった。

  • 左から岡田将生、倉科カナ、竪山隼太、麻実れい

    左から岡田将生、倉科カナ、竪山隼太、麻実れい

同作は劇作家テネシー・ウィリアムズの出世作であり、1945年のブロードウェイでの初演以降世界中で上演され、国や時代を超えて愛され続けてきたアメリカ文学最高峰の名作戯曲のひとつ。1930年代のアメリカ・セントルイスを舞台に、夫が出奔して以来息子・トムの収入を支えに女手一つで子供を育ててきた母・アマンダが、内気な娘・ローラの行く末を案じ、トムの同僚・ジムをローラに引き合わせようと計画する。

登場人物は4人で、町を出るという夢を抱きながらも、一家を支えるために倉庫で働くトムを岡田が演じる。トムは作者であるテネシー・ウィリアムズの投影とも言われ、劇の進行役として観客に自らの思いを語りかける。物語はトムの回想で表現され、ノスタルジックで抒情的な“追憶の芝居”は、トムが閉塞感を抱えながら家族と過ごした日々や、叶わぬ夢を見続けながらも懸命に生きる家族の姿を浮かび上がらせる。岡田は2019年のシアタークリエ『ブラッケン・ムーア〜荒地の亡霊〜』以来、約2年ぶりに再び演出家の上村聡史とタッグを組む。

足が不自由なために内向的でガラスの小動物を集めて自分の世界に引きこもる姉・ローラ役に倉科カナ、ローラが憧れる好青年ジム役に竪山隼太、そして家族を愛するあまり夢や妄想に支配されてしまう母・アマンダ役に麻実れいと実力派が集結した。

東京公演は日比谷・シアタークリエにて2021年12月、全国ツアー公演は2022年1月を予定している。

岡田将生 コメント

日本でも幾度となく上演されたこの戯曲がいつの時代でも必要とされ、とても完成度が高い作品とは知っていました。戯曲に魅了され、この物語に、家族に、触れられることをとても嬉しく思ってます。
この作品には色々な感情が渦めいていて、不安、脆さ、危うさ、絆であったり。一瞬でもこの線が切れてしまったらこの舞台は台無しになってしまう。とても集中力がいるこの舞台はやりがいしかないと思っています。キャストの方々とこのテキストで新しい発見ができる稽古場がほんとに楽しみです。
(演出の)上村さんとは、以前『ブラッケン・ムーア』という舞台をやらせていただき今回で2度目です。とても信頼してる演出家ですし、机の上で作品を紐解いて、共有し、理解を深めていくあの時間は勉強になりましたし、芝居がより深く強くなっていく気がします。
この物語の核は、家族愛です。その中に見え隠れする人に対する弱さであったり悲しみをどれだけ表現できるか。それを観てくださる方々に提示していく、架け橋のような芝居が求められてる気がします。この繊細な作業を観てもらいたいです。