2020年6月の発売から約1年。依然として大人気のG-SHOCK FROGMAN(フロッグマン)「GWF-A1000」だ。そんな絶好調のフルアナログFROGMANに、待望のコンポジットバンドバンドモデル「GWF-A1000XC-1AJF」が登場。
しかもただのコンポジットモデルでなく、中ゴマにカーボンを使用したカーボンコンポジットモデルだ。さらに、これに合わせるようにベゼルにもカーボン素材を使用。まるでジェームズ・ボンドが身に付けても違和感がない特別感満点のモデルとなっている。価格は170,500円で5月21日発売予定。
G-SHOCKのイメージを先鋭化した新規パーツ
本機は「GWF-A1000-1AJF」がベースのバリエーションモデルだ。機能や性能に関しては基本的に同様なので、それについては別記事『G-SHOCK新作を写真で - FROGMANを導く新たな針路「GWF-A1000」』をご覧いただきたい。
さっそく、GWF-A1000XC-1AJFの特徴を見ていこう。まず目に付くのはカーボン製のベゼル。カーボン繊維のシート(プリプレグ)を数十枚重ねてカーボンプレートを作り、これをプレス、切削、研磨することで作られている。
カーボン素材は軽量であると同時にとても硬く、加工の難度は高い。にも関わらず「G-SHOCK」「SHOCK RESIST」などの彫り込み文字の深さ、精度ともにすばらしく、色埋めに頼らずともしっかりと文字を視認できる。
差し色のオレンジ色も印象的だ。8時位置のワールドタイム(とタイドポイントタイム)を表すインダイヤル(写真ではサンフランシスコ時刻)のメタリックなリングは蒸着だろうか、だとしたら初めて見る色だが……と思ってカシオに確認したところ、
「メッキされたシートにカラー塗装を施して、メタル感のある外観としています。この手法は従来モデルでも実施済みですが、オレンジ色は今回このモデル専用に調色されたものです」
との回答をいただいた。やはり新開発色! こんなところにもプレミア感がある。また、きわめてG-SHOCKらしいイメージでまとめられているのも白眉(はくび)。カーボンベゼルと合わせ、今まででもっともG-SHOCKらしさを感じさせるGFW-A1000だと思う。
完全新設計! 専用のカーボンコンポジットバンド
そして、最大の特徴ともいえるのがカーボンコンポジットバンドだ。カーボン製の中ゴマに加え、GWF-A1000同様の非対称形状も見どころ。既存のコンポジットバンドの使い回しではなく正真正銘、本モデル専用に新規設計、製造された初のコンポジットバンドである。
カーボン製の中ゴマは一見、不思議な雰囲気をまとっている。単純にカーボン積層のプレートから削り出したものとは違い、表面に透明な膜のような質感がある。この構造についてもカシオに質問してみたところ、
「カーボンのプリプレグを積層したものをくるくると巻いて成形。これを切削して研磨、塗装して仕上げています」との回答。
つまり、プリプレグを出汁巻き卵のように巻いたものを元に、それを何度も手間をかけながらこの形に仕上げているのだ。中ゴマは腕に直接当たる部分なのでその感触が気になるが、樹脂とも金属とも異なるスベスベした表面が心地良く、またカーボンならではの軽量で強靭な特性もまた、軽快さと安心感を与えてくれる。
バックルは見栄えと満足度の高い三つ折れ式ムクバックル。さらにエクステンション機能が内蔵され、バックル内側のネジを回すと(バックルの)接続部からバンド延長部分が引き出されて伸びていく。
ダイビング使用時、ウエットスーツの上からでも楽に時計を装着できるようにするための機能だが、通常使用時でのアジャスト機能としても便利に使える。たとえば「バンドをもうひとコマ詰めるとちょっとキツイが、詰めないと余る」とき。コマを詰めておいて、エクステンションをちょっと引き出してやればちょうど良い。
ベースモデルのウレタンバンドは、強度や耐久性を重視していることもあってやや硬め。人によっては気になる部分かもしれない。その点、カーボンコンポジットバンドの装着感は快適そのもの。ベースモデルのユーザーでも「買い替え」の4文字が脳裏をよぎる……かも。
ちなみに、GWF-A1000XC-1AJFの重さは140g。ベースモデルは119gなので、意外なことに本機のほうが重い。しかしその負荷をまったく感じさせないのは、ベゼルがカーボン素材となったことで時計本体の重量バランスが腕側に近付いた効果だろう。あとは、ベースモデルGWF-A1000-1AJFとの価格差(71,500円)をどうとらえるかだが……それは写真をぜひ何度も見返して、カーボンモデルならではの価値をじっくり考えていただきたい。