アスクルは5月14日、BtoBサービス「ASKUL」に登録している事業所を対象に、「テレワークの活用における実施率や導入に伴う課題」に関する調査結果を発表した。

  • テレワーク制度の導入率、従業員規模別および業種別

    テレワーク制度の導入率、従業員規模別および業種別

この調査結果は、新型コロナウイルスの影響が出始めて1年以上が経過している中で、現在のテレワークの実施率に加え、前回調査(2020年5月)の結果と照らした変化やテレワークに伴う課題を、BtoBサービス「ASKUL」に登録している25超の業種に対して調査し、全国4,070の事業所から得た回答をまとめたもの。調査期間は4月7日~4月13日。

テレワーク制度の導入率については、2021年4月時点のテレワーク制度の導入率は34.3%で、前回調査ではテレワークの制度があると回答した36.2%とほぼ数値に変化はなく微減に留まっており、昨年の緊急事態宣言下と比較してもテレワーク制度の導入は進んでいないものとアスクルは推測する。

従業員規模別では、規模が大きいほどテレワーク制度の導入率が高くなる傾向で、業種別で最も導入率が高いのは「IT・情報・通信サービス」(83.2%)、次いで「放送・報道・広告・調査」(75.8%)となった。都道府県エリア別のテレワーク制度の導入率では東京都が最も高く57.3%、続いて神奈川県の41.8%であったという。

テレワーク制度の実施期間については、「恒久的な制度である」という回答は24%、「時限的な制度の予定」との回答は34%であった。前回調査との比較では、恒久的な制度であるとするとの回答が10pt以上増えているが、「まだどちらになるか分からない」が5pt以上増えており、制度の恒久化にはまだ時間がかかるものとアスクルは推測する。

テレワーク制度の利用率については、全数ベースで17.9%。従業員規模別では、制度の導入率と同じく規模が大きくなるにつれて利用率が高まる傾向となっている。業種別についても「IT・情報・通信サービス」で49.7%で最多、続いて「金融・保険・証券」が37.3%、 「放送・報道・広告・調査」が36.4%となった。全数ベースによるテレワーク利用率は東京都が最も高く37.9%、続いて神奈川県が23.9%、千葉県が20.8%、大阪府が20.0%で、この4都府県が2割を超える。

  • テレワーク制度の利用頻度

    テレワーク制度の利用頻度

テレワーク制度の利用頻度について、前回調査では週5日が25.4%で最も高かったが、今回調査では週2日が20.3%が最多と、全体的に前回調査よりも利用頻度は下がっている傾向となった。業種別では「IT・情報・通信サービス」において週1日以上が8割以上と多い傾向で、逆に「土木・建設・建設資材」は5割程度に留まっている。エリア別では、「東京都」が週1日以上が8割で最も高い。

テレワーク時の課題については、「デスク、椅子、ネット回線など、作業環境の整備」が54.5%、次いで「ペーパーレス化の推進(電子印鑑の導入等)」で50.6%と、この2項目が5割を超え、前回と比べて上位に大きな変化はない。一方で、「社内コミュニケーションの取りづらさ」や「社内関係者のテレワークに対する理解」が順位、数値ともに上げており、課題が顕在化してきているとアスクルは推測している。

  • テレワーク時の課題

    テレワーク時の課題