モトローラ・モビリティ・ジャパンは5月13日、SIMフリーのAndroidスマートフォン新製品として、ミドルクラス「moto g」シリーズ内の最上位機種となる「moto g100」を発表した。発売は5月28日で、価格は58,800円。ミドルハイの価格帯ながら、「moto g史上最もパワフル」(同社)という製品だ。NTTドコモの一部周波数帯(n79)を除く5Gネットワークに対応し、高速通信と大画面でエンターテインメントコンテンツやゲームも楽しめる。

  • モトローラ・モビリティ・ジャパン「moto g100」

moto gシリーズは、これまで1万円台から3万円台半ばという比較的安価なシリーズだったが、今回のg100ではSoCとしてSnapdragon 870を採用。高いパフォーマンスを実現している。メモリは8GB、ストレージは128GB、microSDカードは1TBまで対応するなど、十分なスペックを持つ。OSにはAndroid 11を採用し、独自UIもない素のAndroidなのもポイントだろう。

  • フラットなディスプレイとパンチホール型のデュアルカメラを採用

ネットワークでは、5GやWi-Fi 6に対応。moto gとしては初の5G対応(Sub6のみでミリ波には非対応)となり、デュアルSIMもサポートしている。

  • 背面から側面にかけて手のひらにフィットするアールを描く。側面には指紋センサーが一体となった電源ボタンと、Googleアシスタントボタンを配置

  • 底面にはイヤホン端子。USB経由で充電しながら音楽やゲームを楽しめる

ディスプレイは6.7インチのフルHD+ディスプレイ(2,520×1,080ドット)を採用。アスペクト比21:9の縦長ディスプレイで、リフレッシュレートは90Hz、HDR10にも対応する。エンターテインメントやゲームの利用な機能は必要十分にそろっている。

  • 6.7インチの大画面ディスプレイ

本体サイズは168.38×73.97×9.69mm、重さは約215g。5,000mAhの大容量バッテリーは、20Wの高速充電にも対応。モトローラによれば、40時間の駆動が可能だという。大画面と大容量バッテリーのため、本体の大きさと重さはそれなりにある。本体カラーはインディセントスカイの1色。

背面のアウトカメラは、メインカメラが6,400万画素センサーでF1.7のレンズ。画角117°の超広角カメラは1,600万画素でF2.2のレンズ。マクロ機能もあり、レンズ周辺にマクロ撮影用のリングライトも備えている。加えて、200万画素の深度カメラと、測位用のToFカメラも搭載した。

  • 背面には4つのカメラを搭載。このうち2つは深度カメラとToFカメラなので、実際に撮影に使われるのはメインと超広角のカメラ

  • モトローラによる作例。6,400万画素センサーの4ピクセルを1ピクセルとするピクセルビニングによって、画質を向上させている

  • マクロ撮影の作例。左がリングライト無効、右がリングライト有効。スマートフォンの影で暗くなりがちなマクロ撮影も、リングライトによって明るく写せる

  • ポートレートモード

  • ナイトビジョンモード

インカメラは1,600万画素のメインカメラと、118°超広角の800万画素カメラというデュアル仕様。異なる2つの画角を持つインカメラとしたことで、特に超広角で背景を広く写す自撮り・仲間撮りなど、セルフィー撮影の幅が広がる。

新機能として「デュアルキャプチャーモード」を搭載。インカメラとアウトカメラの双方で撮影した動画を合成記録する機能で、撮影者と被写体を並べて撮影したり、ワイプのように撮影者を動画の一部分に表示したりといった記録が可能だ。動画記録は、アウトカメラのメインが6K UHD(30fps)・4K UHD(30/60fps)・FHD(60/30fps)・スローモーションFHD(120fps)またはHD(240fps)、超広角が4K UHD(30fps)・FHD(30/60fps)となっている。

  • インカメラのセルフィー撮影。左が1,600万画素メインカメラ、右が118°超広角の800万画素カメラ

【動画】デュアルキャプチャーモードの例。インカメラとアウトカメラの双方が記録されている。カメラの切り替えも可能
(音声が流れます。ご注意ください)

サウンド面も重視しており、例えば動画を撮るとき、画面のデジタルズームに合わせてマイクもズームする「オーディオズーム」機能も備えている。ズームで大きく映した人の声、演奏している楽器のボリュームなどが高くなる動作だ。

そのほかの機能としては、本体を持ってて首を2回ひねるとカメラが起動したり、電源キーを2回タップするとアプリのショートカットメニューが開くPOWER TOUCHなどのジェスチャー機能がある。

また、新たにUSBケーブルで外部モニターに接続すると、専用のUIが起動して、PCのようにキーボードやマウスでg100を操作できる「Ready For」機能も用意。他社スマートフォンにも同様の機能はあるが、モトローラでも同じように対応した形だ。

  • 大画面モニターでg100の機能を使えるReady For

面白いのは、単にPCのように使うだけでなく、「ビデオモード」によってg100のインカメラをPCのWebカメラのように使ってビデオ通話を行える点。g100のカメラは人物を検出してズームアップして、画角内であれば人物が動くとその人物を追尾してくれるので、動きながらのビデオ通話でも相手には常に自分を映し出せる。同時に3人の人物を検出できるそうだ。

g100は様々な機能を備え、パフォーマンスも十分、5GとデュアルSIMに対応するという充実したスペックのスマートフォンとなっている。価格はgシリーズとしては高価だが、長く使えるハイスペックスマートフォンだ。

moto g100の主な仕様

  • OS:Android 11
  • CPU:Qualcomm Snapdragon 870
  • 内蔵メモリ:8GB
  • ストレージ:128GB
  • 外部メディア:microSD/SDHC/SDXC(最大1TB)
  • サイズ:W73.97×D9.69×H168.38mm
  • 重さ:215g
  • ディスプレイ(解像度):6.7インチFHD+液晶(2,520×1,080ドット、HDR)
  • メインカメラ:1,600万画素(超広角)+6,400万画素(広角)+200万画素(深度)+ToF
  • インカメラ:1,600万画素(広角)+800万画素(超広角)
  • バッテリー容量:5000mAh
  • 対応SIM:nanoSIM×2
  • 対応バンド
  • 5G(sub6):n1/n3/n5/n7/n8/n28/n38/n41/n66/n77/n78
  • 4G:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B13/B17/B18/B19/B20/B26/B28/B32/B34/B38/B39/B40/B41/B42/B43/B66
  • 生体認証:○(指紋認証)
  • 防塵・防水:IP65、IP68
  • 充電端子:USB Type-C
  • カラー:インディセントスカイ