2020年、若手女優として頭角を現した小西桜子の出世作は、間違いなく『初恋』(20)だろう。当時無名だった彼女は、約3000人が参加したオーディションでヒロインの座を勝ち取った。そんな小西が5月13日からスタートする桐山漣主演のドラマ『ラブファントム』(MBSドラマ特区 毎週木曜24:59~)で、初めてラブコメディのヒロインに抜てき。驚くほどキスシーン満載の作品だが、監督にリクエストされたのは、なんとウサギの動きだったとか。小西を直撃し、撮影秘話について聞いた。

  • 『ラブファントム』でヒロイン・平沢百々子を演じる小西桜子

本作は、“怪人”と呼ばれる優秀でスマートなホテルマン・長谷慧(桐山)と、不器用で何をやっても空回りしてしまうホテルカフェの店員・平沢百々子(小西)による極甘のラブコメディ。2人は出会っていきなりキスを交わし、その後、惹かれ合い、秘密の恋が始まる。

みつきかこ氏の原作コミックや脚本を読んだ時、小西は「すごくロマンチックな世界観で、いい意味で現実味がないと言うか、本当にその世界観に没頭できるような話だったので、とても面白いと思いました」と心がときめいたそうだ。

毎回、キスシーンが登場する本作だが「撮影前はそれほど感じなかったけど、確かにちょっと異常なくらいキスシーンが多かったなと、あとから思いました」と笑顔で振り返る。

メガホンをとったのは、映画『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』(13)の御法川修監督。小西は、監督から「百々子役を演じるうえで、参考にしてほしい」と、ウサギのドキュメンタリーのDVDを渡されたと明かす。

「映像資料で人間以外のものをいただくのは今回が初めてだったのでびっくりしました(笑)。確かに原作でも、百々子は歩くときの仕草がぴょんぴょん跳ねるような感じのキャラクターだったので、とてもわかりやすかったです。ただ、そういう小動物みたいな動きを研究しましたが、実際に練習してみたら難しくて。でも、監督が現場でも、キョロキョロして目をぱちくりさせる動きや、飛び跳ねるような感じにと、具体的な指示をくださったので、すごく納得できたし、演じやすかったです」

  • (C)みつきかこ・小学館/「ラブファントム」製作委員会・MBS 2021

初共演となった桐山については「すごく仲良くしていただきました。桐山さんは見た目からしてクールなのかなと思っていたら、けっこう親しみやすいチャーミングな部分がある方で、なんだか親近感が湧きました。現場でもいい空気感でご一緒できたかなと思います」と撮影を楽しんだ様子。

桐山が36歳、小西が23歳とかなり年の差があるが「桐山さんは年下の私にも自然体に接してくださったので、全然年齢的なギャップは感じなかったです」と言い、「桐山さんは音楽もされているので、好きな音楽について楽しくお話をさせてもらいました」と意気投合できたよう。

演じた百々子役については「桃子は長谷さんに一目惚れしてしまいますが、フィーリングが合うと思ったら、考えるより先に行動してしまう点や、本当に真っ直ぐなところは、若さならではのエネルギーなのかなと思いましたし、そこは自分もわかるなと思いました」と、共感する部分も多かったとか。

さらに「私がこれまでやってきた役とは180度違う王道のヒロインでした」と役の新鮮な魅力を語り、「きっと今までにない新たな自分を見てもらえると思います。キスシーンやラブシーンは、女性なら心がざわざわキュンキュンして憧れるようなものになっているので、楽しんで見ていただきたいです」と作品の見どころもしっかりアピールした。

■小西桜子(こにし・さくらこ)
1998年3月29日生まれ、埼玉県出身。三池崇史監督作『初恋』(20)のヒロイン、モニカ役に抜擢。その他の映画出演作に、ヒロインを演じた『ファンシー』(20)、『映像研には手を出すな!』(20)、『NO CALL NO LIFE』(21)、待機作に『藍に響け』(5月21日公開)、『猿楽町で会いましょう』(6月4日公開)など。『レンアイ漫画家』が放送中。

スタイリスト:阪上秀平  ヘアメイク:石邑麻由