第6期から本戦システムが変更。挑決は一番勝負に
将棋の第6期叡王戦(主催:株式会社不二家)本戦トーナメント1回戦、▲木村一基九段-△都成竜馬七段戦が5月10日に東京都「シャトーアメーバ」で行われています。本局が本戦の開幕局。段位別予選を勝ち抜いた12名とシード棋士4名の計16名が、豊島将之叡王への挑戦権を懸けて戦います。
今期から主催者がドワンゴから不二家に移った叡王戦。それに伴い、本戦の仕組みも変更になっています。本戦参加者は24名から16名に、挑戦者決定戦は三番勝負から一番勝負になりました。
段位別予選を勝ち抜いたのは、次の12人の棋士。それに加えて、前期本戦ベスト4以上の永瀬拓矢王座、渡辺明名人、青嶋未来六段、佐々木大地五段がトーナメントに参加します。
九段戦:行方尚史九段、木村一基九段、丸山忠久九段
八段戦:稲葉陽八段、斎藤慎太郎八段、藤井聡太二冠
七段戦:三枚堂達也七段、佐々木勇気七段
六段戦:都成竜馬七段、澤田真吾七段
五段戦:古森悠太五段
四段戦:井出隼平五段
(組み分けは2020年10月6日時点の段位で実施)
本戦開幕局を戦うのは木村九段と都成七段。木村九段は郷田真隆九段、小林健二九段、森内俊之九段を破って予選を突破しました。一方の都成七段は西川和宏六段、金井恒太六段、遠山雄亮六段を破りました。
本局は振り駒の結果木村九段が先手番になりました。後手の都成七段は得意の雁木を採用。木村九段は左美濃に囲い、早繰り銀で仕掛けていきます。
都成七段の駒組みで特筆すべきは右銀の位置。なんと右銀を26手時点でまだ動かしていないのです。雁木にしっかりと組んだ上に銀も攻めに活用する、というような二兎を追うことはできないとの判断でしょう。雁木のスペシャリストらしい工夫です。
本局の持ち時間は3時間。ベスト8一番乗りを果たすのはどちらになるでしょうか。