見た目にも美しいボディスタイルに近づきたい。そう考えた時、やるべきことは何だろうか。

  • 「美ボディ」に近づく秘訣は、カラダの背面への意識─。「T字姿勢」にチャレンジ!

    カラダの背面の筋肉を意識すれば、理想のボディスタイルに近づくことができる」と話す青山剛氏。

ハードなトレーニング? 徹底した食事制限? 「いえ、そうではありません。その前にやるべきことがあります」とトレーニングコーチの青山剛氏は言う。あなたはカラダの背面をケアできていますか?

■「プッシュ」ではなく「プル」

──同じ身長、同じ体重であってもカラダのラインが整っているか否かによって、男女問わず人の見栄えは大きく変わりますね。ボディスタイルを良く見せるポイントは何なのでしょう?

青山 ズバリ、ポイントはカラダの背面です。
まずは、肩甲骨をしっかりと動かせるようにすること(『肩甲骨と骨盤が動くとボディスタイルが一気に変わる!』参照)。そして、背中から太もも裏側、ふくらはぎにかけての筋肉を柔らかくし、使える状態にしておくことが大切です。

私は日頃、多くの一般ランナーを指導しています。その中には、ダイエット、またボディスタイルを良くすることを目的に走り始めた方が少なからずいます。
ランニングは正しく行えば、ボディスタイルを良くするのに、とても適しています。それは、プッシュ(押す)ではなく、プル(引く)の動作を用いるからなんですよ。

走る際にはしっかりと腕を振りますね。動作を正確に示せば、これは「腕振り」ではなく「腕引き」なんです。腕を前に振る必要はありません。まっすぐに後ろに引きます。そうすることで肩甲骨が動き、それが骨盤に伝わる。この連動により足をスムースに前へ出すことができるわけです。
つまり、カラダの背面の筋肉を上手に稼働させる。すると自然に、しなやかで美しいボディスタイルへと近づいていきます。

■カラダの背面を効率よく刺激

──美しいボディラインを得るためには、胸筋、腹筋を鍛えるよりも、カラダの背面をケアした方が良いと…。

青山 腹筋などカラダの前面・側面の筋肉を使えるようにしておくことは大切です。ただ、トレーニングを始める前に、正しい姿勢を身につけておく必要があります。そうしないと、美ボディは実現しません。

たとえば、肩甲骨がロックされ背中を丸めた姿勢で筋トレを続けたらどうなるでしょう。鍛えた部位の筋肉は強くなるでしょうが、均整の取れたカラダとは程遠いものになってしまいます。繰り返しますが、まずは、正しい姿勢!そのためにもカラダの背面の筋肉にスイッチを入れることは不可欠です。

──具体的には、どのようなことをすれば…。

青山 難しいことではありません。ランニングや筋トレをしなくても、スキマ時間に僅か数十秒、遊び感覚で簡単な運動をするだけでできてしまいます。 ではひとつ、場所を取らずにできる簡単なエクササイズを紹介しておきましょう。

飛行機バランス(T字姿勢)です。

腹筋まわりを刺激し体幹を強くできると同時に、カラダの背面に効率よく刺激を与えます。家で、あるいは職場での休憩時間にぜひやってみてください。効果が実感できるはずです。

★飛行機バランス(T字姿勢)

  • 両腕を左右に真っすぐ伸ばしたスタート姿勢。

  • 右足で立ち上半身を前に傾けて「T字姿勢」になる。視線を正面に向け、つま先に体重をのせるとバランスが取りやすい。左右逆もやってみよう。

  • 横から見ると。片足で立って「T字姿勢」をキープしている。腹筋まわりのほか、背中、お尻、太ももの裏側などカラダの背面の筋肉にも刺激が入る。この姿勢を5秒間キープ!毎日行うと、徐々にボディラインが美しくなっていく。

  • ×NGヒザを曲げてしまうとトレーニング効果は得られない。

文/近藤隆夫、写真/真崎貴夫、監修/青山剛