auが2月25日に発売した「Galaxy A32 5G(SCG08)」は、au Online Shopでの販売価格は31,190円と、手に取りやすい価格の5Gスマートフォンです。その実力をチェックしました。
4眼カメラで夜景も強い
Galaxy A32 5Gは、画面の大きさや多機能なカメラ、指紋認証など、現代のスマホの基本をきっちりカバーしたエントリーモデルです。日本仕様らしく、防水とおサイフケータイもサポートしています。
このスマホの一番の魅力はやはり充実のカメラ機能です。背面カメラは、48メガピクセル(メイン)、8メガピクセル(超広角)、5メガピクセル(マクロ)、2メガピクセル(深度測位)という構成の4眼です。
80度の広角と123度の超広角の画角が選択でき、デジタルズームは最大10倍に対応。小さなものを撮るときはマクロカメラが稼働し、ポートレート撮影などでは深度測位カメラがボケ効果を追加します。
メインカメラは48メガピクセルと高画素なうえ、夜景撮影では複数の画素を束ねて大きな1画素として扱い、明るく撮影する技術も盛り込まれています。屋外での撮影では十分に鮮やかで、超広角では人の視界の範囲に近い画角でダイナミックに撮影できます。
オールマイティに使いやすいカメラではあるものの、例えばレストランのような明かりの少ない室内は若干弱く、ホワイトバランスも周囲の照明に左右されやすい印象も受けました。
鮮やかな表示の6.5インチ画面
Galaxy A32 5Gは、大画面化のトレンドもきっちり押さえています。6.5インチの大きな液晶ディスプレイは明るく、くっきりとした画面表示が可能です。昼間の屋外で使っていても見やすく、スマホで撮った写真を人に見せるときにも便利です。
Netflixなどで動画を観るときの迫力も十分です。内蔵スピーカーはモノラルですが、鳴らせる音量は大きめ。イヤホンジャックも備えており、有線イヤホン派にも便利です。
唯一気になったのが、解像度が1600×720ドットとサイズの割にやや控えめなこと。これまでフルHD解像度のハイエンドスマホを使っている人が買い替えると、アイコンの表示などが柔らかく感じるかもしれません。ちなみに、HDRの表示にも対応していません。
【お詫びと訂正のお知らせ】初出時、ディスプレイを有機ELパネルとしていましたが、正しくは液晶パネルでした。該当箇所は修正済みです。お詫びして訂正いたします。(2021年5月13日 9:30) |
防水・おサイフもしっかり対応
ボディサイズはW164.1×H76.1×D9.1mmとやや大柄。重さも約209gと若干重めです。上位モデルと比べると、上下左右の画面枠の太さが目立ちます。
側面は丸みを帯びた膨らみがあり、手に持った時に角が気になることはありません。前面、背面ともガラス仕上げで、一枚板のような作り。背面もつやつやした手触りのため、手に持った時に滑りやすいように感じるかもしれません。
背面カメラは、3つのカメラが多少出っ張る構造になっています。厚みがある分、上位モデルのGalaxy S20などと比べるとカメラの出っ張りは控えめに仕上がっています。
防水仕様とおサイフケータイにはしっかり対応しているのがポイント。右側面の電源ボタンには、マスク時代に重宝する指紋センサーも内蔵しています。電源ボタンの位置はやや高めで、手が大きめな男性の親指なら届く程度。人差し指を登録した方が使いやすそうです。
必要十分な性能で電池の持ちは良好
チップセットはMediaTek製の「Dimensity 720」(2GHz、8コア)で、メモリーは4GBを内蔵。ストレージは64GBで、最大1TBのmicroSDカードを追加できます。
高性能なゲームを動かすにはいささか不十分ですが、LINEアプリやメール、動画再生などを快適に動かすには必要十分なパフォーマンスも備えています。上位モデルと比べると、アプリの切り替えなどで多少のもたつきを感じるシーンもありますが、普段使いで不便を感じるほどではなさそうです。
プリセットアプリは充実していて、見やすいカレンダーアプリや電卓アプリから、辞書アプリ、健康管理アプリの「S Health」といったものまで搭載しています。なお、au提供の「au PAY」や「auスマートパス」などのアプリは初期設定時にインストールする方式となっており、使わない場合はすべてアンインストールや無効化が可能です。
バッテリーは5000mAhと大きく、電池の持ちは良好。使い込んでも2日間は充電なしで使い続けられる印象です。USB Type-Cで急速充電もサポートしているため、充電時に不便を感じることもないでしょう。
「かんたんモード」でシニアスマホに変身
Galaxy Aシリーズは若者がメインターゲットですが、実はシニア世代にも便利に使える機能が組み込まれています。「かんたんモード」をオンにすると、文字のサイズやアイコンが大きくなり、シニア向けスマホのような見た目になります。さらに、ホーム画面によく使う連絡先の短縮ダイヤルも登録可能。電話でスマホの使い方を聞けるフリーダイヤルも表示されます。
指が乾燥して反応しづらく、普通に触っても長押しになってしまう場合は「タップの認識時間」を設定するとよいでしょう。ある程度長押しした場合にタップしたと認識されるようになるため、誤操作が減らせます。
基礎体力十分でカメラはお値段以上。povo用の5Gスマホに好適
Galaxy S32 5Gは3万円強という価格ながら、日常でしっかり使えるパフォーマンスを備え、防水、おサイフケータイ、指紋認証といった機能をきっちり抑えたモデルに仕上がっています。
特に、カメラは超広角レンズも搭載し、その画質や使い勝手はも同じ価格帯のスマホの中では頭一つ抜けている印象です。大画面のディスプレイと合わせて、写真や動画を楽しむにはぴったりな仕様と言えるでしょう。
一方で、処理はやや重く、ハイエンドスマホを使ってきた人には物足りなく感じるシーンがあるかもしれません。それでも、価格と機能面での充実度を考慮すれば、バランスの取れた内容となっています。
お手ごろ価格で手に入るGalaxy S32 5Gは、auが新たに発表した新料金ブランド「povo」との組み合わせにも適しています。本体代を分割支払いして購入する場合、通信料金と合わせても月額4,000円で収まります。povoに変更したいけれど対応機種を持っていない…という人には、このモデルがお財布に優しい選択肢になることでしょう。