今回はビックカメラ池袋本店を訪ね、大画面テレビの売れ筋を取材しました。

55型以上が主流となっているリビング向けの大画面テレビですが、昨年の五輪開催延期のあとも、ジャンル全体の売れ行きは高い水準で安定しているそうです。同店でビジュアルコーナーを担当する石川俊太氏は「巣ごもり需要で息の長い売れ方が続いています。昨年前半に五輪前の山が来て、そこから落ちずにずっと来ている印象ですね」と解説します。

  • ビックカメラ池袋本店のテレビ売り場。ビジュアルコーナー担当の石川俊太氏に案内してもらった

パネルのタイプ別で見ると、売れ行きの6~7割を占める液晶が主流となっていますが、売れ筋トップ5には有機ELタイプがなんと4台も入りました。液晶テレビの売れ行きが複数のモデルに分散している一方で、有機ELは特定のモデルに人気が集中しているためとのこと。

いまどきの「大画面テレビ選びの3つのアドバイス」を踏まえ、売れ筋ランキングを追っていきましょう。

<大画面テレビ選びの3つのアドバイス>

  • 映画やスポーツ、ニュース、アニメなど、よく見るコンテンツをベースにすると選びやすい。
  • 自宅では設置スペースだけでなく搬入経路もチェックし、置けるサイズを見定めておこう。
  • 密を避けるなら、平日の来店は午前~昼過ぎ、土日は午前~昼がおすすめ。ビックカメラの接客予約サービスも活用したい。

※本文と写真で掲載している価格は、2021年4月13日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:ネット対応力で定番人気の「BRAVIA KJ-55X9500H」

一番人気は、ソニーの55型モデル「BRAVIA KJ-55X9500H」です。今回のランキングで唯一の液晶モデルで、取材時の価格は184,890円以下でした。

「BRAVIAはAndroid TVを採用しているので、NetflixやYouTubeなどのネットコンテンツに強く、Bluetoothでスマホやパソコンとも連携しやすいと評判です。そのうえで、液晶パネルの発色や音の出方、コストパフォーマンスの高さが評価され、安定した人気を得ています。とくに若い方やファミリー層に支持されていますね」

  • ソニー「BRAVIA KJ-55X9500H」

第2位:映画の臨場感を求める人に人気の「BRAVIA KJ-55A8H」

2位も、ソニーの55型がランクイン。有機ELパネル採用の「BRAVIA KJ-55A8H」で、取材時の価格は232,920円以下でした。

「パネル自体が振動して音が出るので、映画館のような臨場感が楽しめます。家族そろってテレビを見る機会が増えている背景もあって、ファミリー層の需要が増えている印象があります。価格と性能のバランスもよく、『有機ELのBRAVIAが欲しい』という方によくご案内しますね」

  • ソニー「BRAVIA KJ-55A8H」

第3位:20万円切りで買えるシャープの55型有機EL「4T-C55CQ1」

3位は、シャープの55型テレビ「4T-C55CQ1」でした。シャープで唯一の有機ELシリーズで、取材時の価格は191,950円以下。ファンの多いブランドながら、店頭で見比べながら自然な色合いを好んで購入する人も多いそうです。

「国内メーカーの55型有機ELがこのお値段ということで、コストパフォーマンスの魅力も大きいモデルですね。スピーカーが前方についていて、ニュースなどが聞き取りやすいという特徴もあります。比較的年齢層が高めの方にも支持されることが多いシリーズです」

  • シャープ「4T-C55CQ1」

第4位:映像重視のファミリー層に支持される「VIERA TH-55HZ1000」

4位も55型有機ELテレビが続きます。パナソニックの「VIERA TH-55HZ1000」で、取材時の価格は231,000円以下でした。

VIERA特有の発色の良さが好まれる一方で、スタンドに注目して購入を決める人も多いそうです。「地震に強い転倒防止スタンドを採用しているので、小さな子どもがいるご家庭で喜ばれていますね。子どもがテレビに触れても、そうは倒れないという安心感がありますから」

  • パナソニック「VIERA TH-55HZ1000」

第5位:大画面指向の人に選ばれる「BRAVIA KJ-65A8H」

5位には、2位の「BRAVIA KJ-55A8H」と同じA8Hシリーズに属する、ソニーの65型有機ELテレビ「BRAVIA KJ-65A8H」がランクインしています。取材時の価格は378,810円以下でした。幅は55型よりも20cm以上長く、144.8cmとなります。

「有機ELは液晶よりも薄くできるので、壁掛けも含めて設置性が向上します。もともと、リビング用テレビは大型タイプが好まれる傾向があるので、65型が売れ筋上位に入るのも自然の流れかなと思います。ただ、大型モデルの導入は搬入経路と梱包時のサイズのチェックも欠かせません」

KJ-65A8Hの梱包サイズは幅156.6×奥行き18.6×高さ96.1cmでした。

  • ソニー「BRAVIA KJ-65A8H」

はみ出し情報、その1…シアターバーの需要が増進中

巣ごもり需要により、大画面テレビとセットでシアターバーを購入する人が増えているそうです。「テレビで映像を楽しむ機会が増えたことで、より迫力があってくっきり聴ける環境を求める人が増えたのだと思います。スマホをBluetoothで接続して、ワイヤレススピーカーとして利用することも多いようです」

テレビのブランドと揃えて購入する人が多いとのこと。今回のランキングで多くランクインしていたBRAVIAの場合は「HT-X8500」がよく選ばれるそうです。取材時の価格は42,100円でした。

  • ソニー「HT-X8500」(中央)

はみ出し情報、その2…お風呂テレビをお風呂以外で使うニーズが増加中

近ごろ顕著に伸びているもうひとつのジャンルはお風呂テレビです。お風呂関連では、入浴剤の売り上げが明確に伸びているそうで、巣ごもり需要により入浴タイムを充実させたい人が増えているのかもしれません。ただ、石川氏はそれだけではないと語ります。

「キッチンなどの水回りでテレビを見たり、寝るときに寝室に持ち込んだり。家中で映像が楽しめるサブテレビとして購入する人も多くいらっしゃいます」

とくに売れているのは、Blu-ray Discプレーヤー兼HDDレコーダーがセットになったパナソニックの15型モデル「VIERA UN-15CTD10K」とのこと。取材時の価格は74,700円でした。

  • パナソニック「VIERA UN-15CTD10K」