テレビ朝日のドキュメンタリー番組『テレメンタリー2021』(毎週日曜4:30~)では、世界で最初に新型コロナウイルスの感染爆発が起きた中国・武漢の真実を追った『武漢で起きていたこと』を、9日に放送する。
いまや中国国内では「ウイルスに打ち勝った『英雄の街』」と喧伝されている武漢。しかしその陰で、新型コロナで家族を亡くした遺族たちの声が封殺されようとしている。
父親を新型コロナウイルス感染症で亡くした張海さんは、昨年1月に父が転倒、骨折したため、武漢市の病院に入院させることになった。当時、武漢市の海鮮市場を中心に原因不明の肺炎患者が出ているとの情報はあったが、武漢市の衛生当局は「ヒトからヒトへの感染は認められない」と発表。そのため、張海さんも特に心配することなく父を入院させた。
しかし、手術が終わった1月20日の夜、政府の調査チームが新型ウイルスがヒトからヒトに感染する事実を発表。数日後、張海さんの父は新型コロナに院内感染し、帰らぬ人となった。実は武漢市内では1月17日まで、1年で最も重要な政治会議を開催していたため、会議に悪影響がでないよう、情報を隠蔽した可能性も指摘されている。
張海さんは、地元政府が感染情報を隠蔽したとして、武漢の遺族として初めて提訴。しかしその後、張海さんを尾行するナゾの人物の姿が…。突然警察が自宅にやってきて署に連行され、取り調べを受けた。
さらに、張海さんが情報を発信していたSNSも突然閉鎖され使えなくなった。別の遺族に連絡をとると「私は監視されている。SNSやメール、電話、すべて監視されている。これ以上話すと危険だ」と電話を切られた。遺族たちの声を封じ込めようとする一方で、武漢における感染症対策の功績を大々的にアピールする地元政府…。
遺族たちの1年におよぶ闘いを、小池栄子のナレーションで追っていく。