フランスの焼き菓子の定番で、手土産や贈り物として人気の焼き菓子・フィナンシェとマドレーヌ。見た目もサイズも似ている両者ですが、どのような違いがあるのでしょうか。本記事で詳しく説明していきます。
フィナンシェとマドレーヌの違い
フィナンシェとマドレーヌはどちらも人気の洋菓子ですが、両者には材料や風味に違いがあります。由来や材料などの項目ごとに、違いを詳しく紹介します。
語源・由来
【フィナンシェ】
フィナンシェとは、フランス語で「financier」と記し、「資本家」や「金融家」という意味があります。
【マドレーヌ】
マドレーヌとは、フランス語で「madeleine」と記します。その由来にはさまざまな説がありますが、その一つに1750年代にロレーヌ公スタニスラスの館に仕えていた召し使い、「マドレーヌ・ポルミエ」の名前からとったという説があります。
材料・作り方
【フィナンシェ】
一般的に薄力粉や砂糖、卵白、アーモンドパウダー(アーモンドプードル)、焦がしバターが使われます。焦がしバターとは、あらかじめ鍋で香ばしく加熱したバターのことです。
【マドレーヌ】
一般的に薄力粉や砂糖、全卵、バターが使われています。バターは鍋で溶かすだけで、卵は黄身も卵白も使用します。香りづけに洋酒やバニラエッセンスを加えることもあります。
風味や食感、味わい
【フィナンシェ】
アーモンドの香ばしい香りと、焦がしバターの風味が豊かなのが特徴です。生地は比較的サックリとした食感です。
【マドレーヌ】
バターが香る、シンプルで素朴な風味なのがマドレーヌです。ふんわりとやわらかく、しっとりとした食感です。
形状
【フィナンシェ】
そもそも金融街に勤める紳士が、背広を汚さず手軽に食べられるお菓子として誕生したとされるフィナンシェ。そのため金の延べ棒をイメージさせる、薄くて細長く、四角い形をしています。
【マドレーヌ】
名前の由来となったマドレーヌという女性が、貝殻で焼いたことがきっかけとされています。貝の形は現在にも継承され、ぷっくりとしたかわいらしい形のものから、細長く上品な形のものまで、バラエティに富んでいます。
フィナンシェとマドレーヌの発祥国はフランス
どちらもフランスで誕生した焼き菓子です。フィナンシェは17世紀ごろから、マドレーヌは少し遅い18世紀半ばから広まったといわれています。今では世界の多くの国で愛される焼き菓子となりました。
フィナンシェとマドレーヌの賞味期間
なおフィナンシェもマドレーヌも賞味期間はどちらもだいたい同じですが、市販のものと手作りのものとでは賞味期間が大きく異なるため注意が必要です。
市販のものはパッケージに貼られているシールなどで確認しましょう。材料やパッケージに保存のための工夫が施されていることが多く、1週間~数カ月程度もつものが多く見られます。
手作りの場合は、市販に比べて材料がシンプルなため、作ってから数日のうちに食べましょう。
焦がしバター香るフィナンシェと、シェル型でシンプルな味わいのマドレーヌ
普段、贈り物にさりげなく選んでいる焼き菓子に、実は違いがあることを紹介しました。フィナンシェはバターの濃厚な香りとサックリとした食感が持ち味で、マドレーヌは素朴でふんわりとした食感です。
ビジネスシーンで手土産にする際も、ちょっとした豆知識とともに手渡せたら会話も弾みそうですね。