Electronic Artsは4月某日、YouTuberやストリーマー、プレスに向けたApex Legends新シーズンの先行体験会を実施しました。既報の通り新シーズンは「9」という数字を避けて『Legacy(国内では「英雄の軌跡」)』と呼称され、追加要素は新キャラクター「ヴァルキリー」の実装やマップ「オリンパス」の新エリア、3on3の新モード「アリーナ」など盛りだくさん。詳細な変更点はリリースノートにまとめられているので、ここでは筆者が感じた新要素へのインプレッションを中心に紹介していこうと思います。
新キャラ「ヴァルキリー」でApex Legendsの空を駆ける
何はともあれ、新キャラ「ヴァルキリー」について言及しないわけにはいきません。世界観を共有する「タイタンフォール」シリーズに登場していた、ノーススターのパイロット「バイパー」の娘という設定で、彼女はその残骸から作ったというジェットパックを装備。パッシブスキル「VTOLジェット」によって、なんとある程度自由に空が飛べてしまうというわけです。
これまでそれなりに地上戦に主眼を置いてきたApex Legendsにおいて、飛行能力は大きな特徴と言えるでしょう。もっとも、個人的な印象で言えばそこまで“ぶっ壊れ”て強いわけではないという印象。飛行中は射撃できず、隠れられる遮蔽物もないので的になりがちです。ブースターのゲージに気を配らずにフラフラ飛行すると、とんでもない場所に降下してしまうこともありそうです。FPSで飛行能力といえばOverwatchの「ファラ」が思い浮かびますが、比較すると飛行速度は若干ヴァルキリーの方が速く、高度はアビリティの分ファラの方が高めという印象でした。
戦術アビリティは「ミサイルスワーム」。ジェットパックからミサイルを発射して攻撃を行います。ある程度頭上に空間がないと発動できないので、屋内戦の際は注意が必要。射程はそこそこあり、中距離戦闘でも役に立ちそうです。もっとも、演出のド派手さとは裏腹にダメージ量は控えめ。被弾するとアークスターを若干弱めたような視界ジャックと減速効果が発生し、こちらの効果がメインになっていきそうです。割り当てキーを押すと照準が表示され、キーを離すとミサイルを発射するという仕様になっています。
アルティメットは「スカイワードダイブ」。チーム全員で高空に飛び上がり、頂点に達すると降下状態に移行。有利な高所ポジションを奪還することや、“漁夫”の急襲から一気に退避するという用途にも最適です。オリンパスの平均的なジャンプタワーの高さのだいたい1.2倍くらい高くまで飛ぶらしいので、遠くからでも大きな建造物を飛び越えて移動できると思います。アルティメットを発動すると、三人称視点に切り替わって味方を待ち受ける状態に移り、チームメンバーは彼女に近づいてインタラクトキーを押すことで飛行に加われます。
しかし、このインタラクトキーを押すという動作が曲者。近くのデスボックスやドアにアクセスしようとすると、スカイワードダイブの同行に吸い込まれてしまうことがありました。交戦中に素早く敵のデスボックスからアーマーを奪取したい際などは、もどかしい思いをするかもしれません。
総評すると、やはり公称通りリコン型という印象でした。調査ビーコンのスキャンや高所からの索敵を駆使しつつ、どんどん安全かつ強力なポジションに移動していく上では心強いキャラクターと言えそうです。もっとも、肝心の戦闘シーンで飛行能力が活躍するかというと、やや頼りない印象を受けました。彼女が両手でジェットパックの操縦桿を握っていることはトレーラーでも確認できましたが、飛行中は銃は撃てず、グレネード類も使えないので、戦術アビリティのミサイルパック以外で攻撃できなくなってしまいます。飛行機動もゆっくりめなので、戦闘時にはホライゾンやオクタンほどの脅威にはならないんじゃないかと予想します。
超シビアな新モード「アリーナ」を遊ぶ!
Apex Legendsといえば1チーム3人、総勢60人が覇を競うバトロワFPSタイトルですが、今回新しく小規模なマップで3on3を行うという新モード「アリーナ」が追加されることになりました。ラウンドごとに装備品選択フェーズ(Buy Phase)が設けられ、武器や投げ物、回復アイテム、アビリティなどを「素材」で調達。ステージの両サイドから出撃し、敵全員を倒すまで戦うというものです。
プレイした第一印象ですが、この新モード「アリーナ」はかなりシビア。マップは遮蔽物が多いので多少攻撃を避けることはできますが、大きく移動して逃げ切ろうとするのはなかなか困難です。接敵前に長射程の武器で攻撃されてしまうとかなりつらく、中距離でシールドを削りきられて、一気に押し切られることもありました。接敵前にしっかりとダメージを与え、敵が一歩後退しようとする隙を逃さず、チーム一丸となって勝ちに行く姿勢が重要です。
特に筆者がこのモードに対して強く“別ゲー”だなと感じたのは、バトロワモードの広いマップで普段何気なく体験している「広々としたマップを移動する楽しみ」「さまざまなアイテムを拾って一喜一憂し、カスタマイズする楽しみ」「ダメそうなときは逃げてやり直せるゆるさ」が、まったくないところ。一方で、短時間のラウンドを何度もこなし、ハイペースな交戦を何度も繰り返すことで、立ち回りや撃ち合いを強化していくようなプレイスタイルにはもってこいだと感じます。個人的には、回復アイテムがあまりに使いものにならないように感じた点が気になっており、もう少しシールドセルやバッテリーの使用時間を高速化するなど、戦況には改善の余地があるのではと思いました。
新武器「“ボセック” コンパウンドボウ」 相当強いとみた
個人的に、今回のアップデート内容で最も強いインパクトを感じたのはこの新武器。リロードは必要なく、専用の弾薬(矢)を使用します。16本×3の1スタックで48発も持てますが、携行数はおいおい下方修正されるんじゃないかなと予想。バッグを全然圧迫しないのに、近距離から遠距離まで万能すぎる気がします。正式サービスに実装されたら、しばらくR-301のお供にこのボセックを持っていきたいなと思いました。
弓矢を使えるFPSゲームは他にもありますが、Apex Legendsのボセックボウはかなりターゲットを視認しやすい印象。3倍サイトを装備していれば、中距離程度までは余裕を持って積極的な攻撃に臨めます。さらにホップアップスロットを2つ備え、連射と拡散を付加することも可能。連射できるようになる「デッドアイズテンポ」は少し扱いが難しく感じましたが、ショットガンのように拡散する「シャッターキャップ」は、近距離でも安心して戦うためにぜひ拾っておきたいです。